「うねりのある脚本と、田中泯さん」アルキメデスの大戦 Shihommatsuさんの映画レビュー(感想・評価)
うねりのある脚本と、田中泯さん
プロモーションは館さんと菅田さんでされていた記憶がある本作。ただ、主役は申し訳ないが、田中泯さんただ一人だった。
國村さん、橋爪さん、館さん、柄本さん、菅田さん、鶴瓶さんと、集めに集めた名優揃いの中で、舞踏家田中さんが全てだったと思う。
脚本の段階でこの役を誰にお願いするかは、練りに練られたと思うし、いろんな意見があっただろうに、そこにあの存在感を持ってこれた凄みを、脚本のうねりと共に目の当たりにするしかなく、申し訳ないが全ての俳優陣や演出が、田中さんのためのフリに見えてしまうほどだった。あの菅田さんですら、フリに感じる凄みだった。
とにかく、原作の素晴らしさが元にあるのはもちろんだけど、いつ戦艦の名前を出すか、どう見せるか、考えるの楽しかっただろうなぁー!!!と思える作品だった。プロットだけでへ地味な内容と言われてしまう危惧を、覆せる!!!と全員が思いながら制作したんじゃないかと思う、あっぱれだった。
これが、ゴジラマイナスワンの製作に繋がると想像して、いいものを見たと、心から思った。
山崎貴さんはVFXだけでなく、ちゃんと脚本も演出もすごいのだと、ベタな作品でない本作で改めて感じれてよかった。
コメントする