「今これをやるかというメロドラマ」マチネの終わりに Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
今これをやるかというメロドラマ
世界的な映画監督を血の繋がらない父に持ち日英仏語を流暢に操る才媛と天才ギタリストの恋っていう説明が終わった時点で「ケッ」と思うのね。まあ勝手にやってくれっていう話なんだよ。
でも二人が「好き」っていうことに一直線に進んで盛り上がってくんの。そうだよね、その決断だよねって。
それで全てうまく行きそうってところで事件起こすんだよ。桜井ユキが酷いことすんの。それですれ違っちゃうの。
お互いに想い合ってるって信じていても、何かあると、相手のことを信じ切れないってことなんだけど、ここは信じろよと思ったな。けっこう壮絶なことしてここまで二人来たからね。
だから、この局面では桜井ユキを断然支持だね。自分の想いに真っ直ぐに、手段を選ばず福山雅治を取りにいってて、福山雅治と石田ゆり子は桜井ユキの想いの前に負けてんだろって。
ラストに向かって、福山も石田ゆり子も家庭をもって、福山はそれなり幸せそうだけど、石田ゆり子は不幸せになってんのね。石田ゆり子は、福山を選ぶために捨てた相手とよりを戻してんだけど、それ無理だろ。石田ゆり子もよりを戻した男もどうかしてるよ。
桜井ユキが「謝らなきゃいけないことが」って悪事を白状すんだけど、嘘を付くなら墓まで持ってけよ。謝った方はスッキリするだろうけど、謝られた方はどうしようもないからね。
それでも福山と石田ゆり子が動く感じはなくて「こりゃ桜井ユキの独り勝ちか」と思ったんだけど、想いの強さが勝ってんだから、それでいいよなと思ってみてたのね。
そしたら最後のコンサートのところから、福山と石田ゆり子の想いが再びつながって、そういうことになるのかあという感じだったな。
気が狂ったライバルを入れて、愛する二人をすれ違わせてくっていう、いまどきまだあったかっていうメロドラマで面白かったよ。