「カトリーヌドヌーブの存在感と美しさ」真実 ニョロさんの映画レビュー(感想・評価)
カトリーヌドヌーブの存在感と美しさ
カトリーヌドヌーブの存在感が映画を支えていたと思う。大女優役を大女優が演じると、なんだか映画が自伝なのかと勘違いしそうになる。
自伝小説を書いた。どうやら嘘ばかりらしい。身近に支えていた秘書も出てこない。周りは憤慨したり悲しんだりする。でも、彼女はそうすることで身近な人を守ったのではないか。大切な真実はお互いの間の事として守りたかったのかもしれない。
娘と時々言い争う。そして昔のことを語ると、2人の覚えていることは全然違ったりする。実は実際こういうことが結構あって驚くことがあるのだ。母親らしくはなかったけれど不器用に娘を愛していたことが少しずつわかっていく。複雑な展開や驚くようなエピソードはないけれど、家族の絆が少しずつ再生していく様子は観ている人を暖かくしてくれるだろう。
カトリーヌドヌーブのわがままだったり可愛かったりする表情や仕草が本当に美しかった。
是枝監督らしい良い映画だった。
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