「吹替、字幕両方観賞したが…」真実 モンブランさんの映画レビュー(感想・評価)
吹替、字幕両方観賞したが…
幼少の頃からTV映画以外は字幕派だったが、映画館ではアナ雪以外、実写としては初めて吹替を観た。宮本さんが吹替との事で、時間的にも字幕の上映まで時間があり吹替で観てみても悪くないかもと思い、観賞。是枝作品として期待値が高すぎたのか、薄っぺらい印象を受けた。母娘のすれ違いについても、…という感じ。ただ一番残念だったのが、好きな女優でもある宮崎さんの声。ずっと聞いてて誰の声だろうと思っていたが、気づいた時かなりショックだった。とにかく、中学生位の声にしか聞こえない。とても違和感。子供の声の方がいかにも子供の話し方なのでかろうじて違いはわかるが、どうして子供が話してるのか?と思うくらい可愛らしい声。普段、宮崎さんの声含め可愛らしくて好きだが、何故もう少し声を低くしなかったのか疑問。子供の声の役の方は上手かったので変える必要はないが、宮崎さんが声を低く出来ないなら子供役の方をやった方が良かったのでは?実物ではないアニメならまだしも、実写なら役者さんの顔にあった声じゃないと違和感しか感じないし、そもそも欧米人は老けるのもアジア人より比較的早く、特にフランス人なら声が低いイメージなので、吹替なら尚更実写の俳優に合わせて選ぶべきでは?と思った。キャスティングミスとしか考えられない。そして、この作品はフランス語と英語が混じっていて、大事なその微妙なニュアンスが吹替だとただただ日本語なのでわかりにくい。そして、日本語訳の台本と字幕の文章が違うのだが、口の動きに注目していなかったので合っていたのかわからないが、吹替は役者の口に合わせるためなのかいまいちな表現だった。字幕の表現は短い文で端的に表現されていたが、とてもわかりやすくプロの仕事という感じがした。
両方に共通する点として、画はとても綺麗。ここだけなら☆4.5くらい素敵なフランス映画。
吹替で期待に反して残念だったので、本来観たかった字幕を観るの止めようかと思ったが、ドヌーブさんの演技をちゃんと観ずに評価するのは失礼だと思い、一週間後に観た感想は観て良かった。やはり、ドヌーブさんにしてもビノシュさんにしても雰囲気も含めとても良かった。上質な大人の映画を観た感じがした。とはいえ、是枝作品としてはとてもあっさりで誰もが観やすく特段つらいシーンもないといった感じで、悪くは無いけれど拍子抜けした感じ。いわゆる是枝作品を観たい方は楽園の方がオススメ。そしてこの作品を観るなら是非字幕で観て欲しい。
本来は字幕のみの評価が良いのかもしれないが、両方とも同じ作品として出している事、日本の作品でもある事から、両方を合算したものがこの作品の評価かと思い、この評価にした。
吹替版は☆1.5
字幕版は☆3.5
平均値で☆2.5