海獣の子供のレビュー・感想・評価
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次元を上げてくれる作品
原作があった事も知らず友人に勧められ
事前知識なしで観に行きました。
この内容を映像化した制作チーム凄いです。
話も良くまとまっていると思います。
きっとこの内容が分かる人はあまり多くはいない気がします。
そういった人でも今後世間の事ばかりではなく、人間・自分自身に関心を向けて理解を深めていくと、この映画の内容と映像や音に感動できると思います。
この映画ヒットしてくれると少しはいい世の中になる気はします。
生命の起源は海ってこと?
原作未読だが、タイトルと米津玄師に惹かれて観賞。序盤は海辺の町で繰り広げられる思春期の少女の物語に、海沿いの町もいいなと思っていたのも束の間、中盤から終盤はまるで別物といわんばかりの壮大な物語に変貌。
展開についていくのがやっとで、理解もそこそこに、隕石?光?が地球(大いなる海)にぶつかりその衝撃で生命が誕生したということを云わんとしているのかなあと勝手に想像。水があっての生命だし。羊水とかもね。
映像美はそれほどではなかったが、なんとなく考えさせられるスケールの大きさとエンドロール見るまで気づかなかった芦田愛菜の声にプラス一点かな。
米津玄師の曲はこの映画離れたらヒットしないのでは?歌詞がまんまなので、一般的でないからね。とにかく難しい映画でした。
花火や夕陽を観ているような体験
最初に観て感覚的に近しいと感じたのは、「2001年宇宙の旅」。花火や夕陽のように一瞬の美しさを愛で、瞼の裏に残る余韻に浸れる映画だ。
ジェットコースターで例えれば、後半30分に向けてゆっくりと登りつめ、一気に急下降して最後の10分で余韻を感じる映画。
余りに素晴らしかったので、合計で4回観に行った。空くん消滅以降は毎回、涙腺崩壊。「誕生祭」の受精の瞬間は嗚咽が出るほど泣いた・・・。
ストーリーはシンプルながらも緻密に計算されていて無駄がなく、かつグッと我慢して語り過ぎないよう節度を保っている。最終的にはこの映画はストーリーで魅せる作品ではなく、クライマックスの美しさを五感で楽しんで貰うための作品だということをしっかりとわきまえている。
僕は原作を読んでいないが、読んでいなくても、この作者が作品を通してストーリーを伝えたいのではなく美しいものを描きたいのだということは伝わってくる。
一見難解に感じられるデデやアングラードのセリフは、作品に深みを与えるための隠喩のようなもので、理解しなければ楽しめない種類のものではない。花火職人がその仕事を人生に喩えたからと言って、人生を理解しなければ花火を楽しめないという事も無かろう。むしろここを余り掘り下げ過ぎず、スパイス的に散りばめることで、本質の「一切何も考えずに花火やジェットコースターを楽しむような体験」を産み出すことに全力を注ぎ込んだ制作陣は見事という他ない。
そして五感に訴えかける上で何よりも大きな役割を果たしているのが、音響。映画全体が一つの音響作品と言っても過言ではないくらいに、音の素晴らしさが抜きん出ている。音響監督は誰だ?!と注意してクレジットを見ると笠松広司氏。後で調べると「借りぐらしのアリエッティ」も手掛けられていた。そういえばアリエッティも音響が素晴らしいと感じた映画だ。
ザトウクジラのブリーチング(大ジャンプ)着水時の音には快感すら感じる。クジラの歌を初めて聴いた瞬間の琉花の心象に入り込む音響、「ひとだま」の音や「星の死ぬときの音」、「ソング」の音など、どの音も心に響く強い音だ。雨の中を自転車で走る際の深いフィルターの掛かった音響を始め、フィルターは水と相性が抜群だった。
他にも細かいところでは、セリフも実際に発声している声と心の中の声でオフマイク/オンマイクを使い分けているし、琉花が海に潜ってジンベエザメの群れと遭遇するシーンの久石譲による音楽の展開も素晴らしい。
海の上にいる間はピッコロの高い音のメロディで始まり、海に潜るとシンセサイザーの音になり、ジンベエザメの出現と共に低くて深い壮大なストリングスの音、息継ぎのために海上に頭を出すとまたピッコロの音が鳴り、すぐに潜るとストリングスの音へ・・・。最後に海上に助け出されると、ピッコロの音で締めくくられる。ストーリーの展開と曲の展開を重ね合わせるというのは無声映画時代からの王道パターンではあるが、特にこのシーンは効果的に感じられた。
以下、気付いたいくつかの小さなこと。
空くんが消滅した後は、海くんは一度も人の言葉を喋っていなかったように思う。(最後に「さよなら」と言われたように感じる琉花のセリフはあるが)
「誕生祭」が終わった後の光の柱の中を仲良く泳ぐ二匹のジュゴンは、海くんと空くんの化身(隠喩)なのかな?と思った。
ドSF
傑作だと思う。
原作未見で1回、原作を読み倒して、2回目鑑賞。
この映画の事を考えてると、実際体験した夏の出来事を思い出すような感じになる。
巨大なパンフを見直すとアルバムを見てるような。
今頃、琉花はテデはジムは…とも思えてくる。
フィクションとは分かっているのに忘れられない映画になった。
「訳わからん」「意味不明」的な事を言ってる人は読解力、想像力がないのか。
人それぞれと言われればそれまでだか。
普段、馬鹿みたいに全部説明してくれる物ばかり見てるんだろうか。
かと言って、自分も全てを理解した訳ではないし、全てを理解するなんて無理だ。
映画は尺の都合もあり、原作とくらべ大分端折ってわかりやすく説明過多な方だ。
でなくとも、凄いものを見てしまったとなって星1つになりようがないんじゃないか。
まあ、人それぞれか。
劇場には小さなお子さん連れの家族も多く、流石に難しい子もいたとは思う。
でも、子供の時にこれを見れたのはとても羨ましい。
数年後是非見なおしてほしい。
音も良い、こればっかりは劇場のデカイ音でビリビリと体感してほしい。
夏休み前に公開館が減ってきそうだが、この夏にみて暑くて寝付けない日に思い出して頭を熱くしてくれる人が増えてもらいたい。
ただただ壮大な生命の神秘。
私たち人間が知らない世界の秘密を、海の生き物たちはどれくらい知っているのだろう。
そしてまた、この宇宙には彼らにすら分からないことがありあまるほどあるのだろう。
私たちは何も知り得ないのだと改めて思わされた。
この世界で一番優れていると自惚れる人間は、きっとどんな生物よりも無知なんだなと思う。
そんな人間でも、その命は尊い。壮大な神秘と奇跡の元に誕生した生命は、どんな形であれ尊い。
そのことを伝えに現れたウミとソラだったのかな?
この世界の全ては宇宙から始まり、全てが宇宙の物質で成り立ち、私自身も宇宙そのもの。
この生命を、私たちは絶対に大切にしなくてはならない。与えられた生命の期待に応えるように、生きなくてはならないのだと思う。
最後、ウミとソラに何もしてあげられなかったと、彼らを目の前にして自分の無力さを知らしめられたルカに対するデデの言葉「おまえはおまえのままでいいんだよ。信じてあげたらどうだウミとソラを、そして自分を。」(こんな感じだったような笑)
この言葉が物語の救いになっていてとても良かった。
「一番大切な約束は言葉では交わさない」
これは、情けなくても、無力でも、生命に従い、「生きろ」というメッセージだったのかもしれないなと個人的には感じました。
宇宙と生命の神秘と、果てしないことへの恐怖。
それらが全て詰まった、生々しく鮮やかで、美しいアニメーションでした。
特に光の煌めきが、とてもとても綺麗で見入ってしまった、、海を照らす日光も、波が光る様も、海の生き物を纏う輝きも、ルカの瞳の煌めきも、美しかったです。
素晴らしいトリップ感
びっくりするほど話題になってなくて、びっくりするほど素晴らしかった作品。原作は読んでないが、原作の絵の感じを移行しつつ、実写の縦抜けの演出を入れ込んで
マンガの映画化としてはかなり質の高い試みが展開する。要するにかなり意気込みのあるアニメだということ。もうそれだけで元は取れてるのだが、まさかこの作品が宇宙と地球の起源に遡る話とは知らず、いいものを見たな、と。またよくもこんなにヒットしなさそうな壮大な企画を映画にしたな、と。でもたぶん語り継がれる作品になるでしょう。
我々世代を直撃した、あのグランブルーのルックからいいものを取り込んでSFファンタジーにしたな、と。
とにかくトリップ感が凄かった。素晴らしい夏休みの体験映画
つまり何を伝えたいのか?
まぁ観る前はそれなりに期待して楽しみでした、けど蓋を開けてみたらなんだこれ?例えるなら宝くじが当たりましたと連絡が来て受け取りに行ったら背後から飛び蹴りを食らい(当たりなんて嘘に決まってるだろボケ!)なんて言われた様な気分になりました。
ここからはネタバレ⚠️
つまり出てきた少年二人は結局何なの?ヒロインは少年達同様特別な何かなのか?鯨のソングって結局何?大人達は少年達を利用して結局何がしたかったの?隕石の正体は?祭りって結局何だったの?祭りが起きたらどうなるの?冒頭の同級生とのトラブル必要だった?何でヒロインは最後に隕石?の光を少年が取り込むのを邪魔しといてその後呆気なく渡したの?
????????????????
この映画に言える事は?だけです観てる人どこまでも置き去りです。伝えたいのが哲学なのか、生物学なのかそれとも違う何かなのかその辺ハッキリして作るべきだと思います。
言葉にできないけど何かわかったような、大きな物を伝えられたような感...
言葉にできないけど何かわかったような、大きな物を伝えられたような感覚、でも本当は何もわかってないのかもしれない、そんな気持ちになる映画。
狭い世界でうまく息ができない、自分の気持ちをうまく伝えられない主人公が生命と宇宙の根源に触れる、遠く飛躍していくのがすごい。
見ていてなんとなく伝わる、昔思った懐かしい感覚を温度をもって思い出させてくれる感じがした。
小さい頃魔法が使えるような気がした無根拠の万能感、でも少し大人になっていくと窮屈になって自分が見えてきて苦しくなる無力感。
だから特別な何者かになりたくて、特別な海と空に惹かれたんだと思う。明確な理由はいらなくて、思春期の頃ならとても魅力的に見えるだろうなと思う。
雨の中走ると自分の呼吸が周りの音より大きく聞こえて、海の中と同じになるような感覚も。
両親が全然子供を守れてなくて介入できてなくて、無能感がすごい。でも子供の頃って生活力とかは置いておいて、子供の世界に大人は要らなかったよなって思う。大人は全然わからないから言いたくないこと、友達との中でだけの世界がたくさんあった。だからいいんだ。
人と宇宙は同じ。昔授業で原子レベルで考えるとそうらしいみたいなことを習ったのを思い出した。
母が歌ってくれた子守唄は自分の中に眠っていて、その唄もさらに母から伝えられたもので、そうして生命は繋がっていく。
自分がたくさん忘れているその中に、ふと刺激されたら呼び起こされる感情や記憶がたくさん眠っていて、普段は全然意識してなくて感じとれなくて、でもたしかに有るんだと思う。
それは消えてしまった海と空もで、世界は繋がっていて、そういう大きな根源に触れたから主人公はもう大丈夫なんだと思う。
ものすごく感覚的に大切なものを教えられた、何かを追体験したような感覚。
でもよくわからなくて言葉にできないことこそがこの映画そのものなんだろうなと思う。
あと米津玄師の曲のサビが海の中みたいな音してて、もうさすがやな…!って感じ…また新しい概念生み出されましたって感じ…
美しく壮大な宇宙と海の叙事詩
『地球交響曲』『EARTH』『プラネットブルー』等が好きな人におすすめ。難解と言われますが、前半はすんなり理解できます。ザトウクジラの歌を研究する海洋学者、満月夜の高潮、ここ十数年クジラやアザラシ等が大量に座礁したニュース等 普通に現実の自然現象とリンクする事が描かれてます。宇宙、野生動物、自然破壊、人体の組成元素等について常識程度の知識があれば普通にわかりますよ。地球の磁場が狂ったか等 座礁の原因は不明のままだし、宇宙のビッグバンの起源とか、まだ現代科学では解明されてない事が描かれてるのだから、話を理解できないって作者を非難するのは間違いですよね笑
ジブリ並に、自分でも感受性を働かせて 読み解きながら見るべきです。
映像だけでも凄いです!
誰も見たことのない宇宙の起源ビッグバン、海の誕生、生命の誕生、それらが一緒くたに同時に描かれ、凄い映像表現になってます。
かつて、
『もののけ姫』では、神を殺し 人が自然を支配し始めた歴史を、神話的に描かれました。あのシシ神デイダラボッチ、タタリ神…。
『君の名は』では、口かみ酒を飲んだ瀧が 三葉の記憶をたどる場面で、ヒトの誕生を詩的に描かれました。
『エヴァンゲリオン』では、世界の終末それは新たな始まり? とキリスト教の神話をまじえて描かれました。
ほかにも『星を追う子ども』の伝説が蘇る場面、『ハウルの動く城』でハウルが強い魔法を手に入れる場面、『バケモノの子』で巨大クジラが街に現れる場面、『巌窟王』などなど、あの美しく激しい映像が一緒くたになってる感じです。そういう映像美に包まれて圧倒されたい方は、ぜひ『海獣の子ども』を映画館で(^^)
だって、宇宙の始まりのビッグバンなんて、絶対誰も一生見ることできない。現代の最新科学で、やっとブラックホールが見えたばかり。それを誰もが見れる形の映像に表現してくれたなんて、まだNHKもBBCの最新CGもここまでできませんよ!それだけでも見る価値ありです!
圧倒的な映像美で生命の深淵を感じた
今まで見たことがない映像美に最初から最後まで圧倒された。見るというよりも感じる映像だった。なんとなく敬遠していたのだが、劇場で見れてよかった。
それにしても芦田愛菜は、声優としてもすごいね。芦田愛菜を全く感じさせない。瑠花と同一しているから、途中から芦田愛菜が演じていることを忘れてしまうくらい。
難解キャンディーズ
すでに観に行った人やネット情報での事前評判では
わかりにくいストーリーと聞いておりました。
観ましたところ、前半は女子の青春ものと
ジュゴンに育てられた男の子とのファンタジー系の
やりとりで、これでわかりにくいのか?と思いつつ
観ているうちに、宇宙規模の大異変的な展開となり
映像も当初はゆったりとした動きで海の生物の
動きもきれいでしたが、そのうち、サイケデリック
な感じとなり、作画者はLSD(ふるっ)でもやって
描いたのではないかと思うのような映像のオンパレードで
ついていけなくなり、また、映像の意味もお話しも
後半から私の頭では理解不能でありました。
ネットにあるように、まず原作を読んでからか
わけのわからない映像好き(いるのか?)の方には
おすすめします。
※原作をアマゾン買おうとしましたが、
中古の5冊セットで送料込みで7,000円もするので
躊躇しました。
※芦田愛菜の吹替えはうまいです。
うますぎます。
※観客は妙齢の女性の方がほとんど
でしたが、映画が終わったあと
皆、きつねにつままれたような
表情でした。
※ひとり、女のお子さんがいましたが
「あー、やっと終わったね」と
お母さんに話をしていました。
※エンディングの米津玄師の歌の歌詞で
ストーリーの意味が歌われていると
あとで知りましたが、もう一回観て
確かめる気にはならないです。
難しい
好き嫌いが分かれそう。一般受けに安易に走らず、制作側の気合が感じられたけど、その分難解。Don't think.Feelかも。原作未読だけど、たぶんだいぶ端折ってるんだろうなぁ。
海愛に溢れた画面は映画館の大画面で観た方が良い。後方じゃなくて気持ち前寄りで。
エンディングの曲が流れても席を立たないで!エピローグ見逃さないで~
とっても哲学的
映像は初めてナウシカを見たときぐらいにとてもディテールが細かく、繊細で大胆で、うわ〜っと思ってみましたが、ストーリーが途中からとても哲学的メッセージと、大人の政治的な世界が垣間見える内容もあって、ちょっと重く感じました。 映像迫力があるだけに、実はちょっと苦手なタイプの映画です。
圧倒された。「絵」の素晴らしさに。
宇宙の誕生、銀河や星々や物質や生命の誕生と死。生成と消滅と再生の物語が、この宇宙の歴史である事にイマジネーションを得、地球上の生物に関する諸説をエピソードとして織り込んだ、幻想紙芝居。
トゥレップを先に観といて正解だったと思います。あまり深読みせずに映像世界に心地良く浸っていれば良いと思う。
画期的な映像表現をたたき売る二時間のアニメーション。良かった!
久石讓さんのピアノだったんですね。この世界観に合ってて素晴らしかった。
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7/2 追記
瑠花が宇宙を巡るシーンが、手塚治虫先生の「火の鳥」だった!
宇宙は私たちの身体の中にもあるのだと、鳳凰が主人公を体内から宇宙に案内するシーンを映像で再現!あれ、何編だった?押し入れから「火の鳥」引っ張り出さなきゃw
尚、地球上の生命の起源は「隕石によってもたらされた説」の理解は必須かと。ビッグバン後、膨張を続ける空間は無重力・無物質のラボ。そこで起きた素粒子・原子・量子のドラマは、私たちの知識も想像も到底及ばない世界の出来事。「空間」で生成された「生命の起源」は地球の半径よりも「遥かに小さな何か」と共に地球へ到達した。と言う説。
空は空間。生命の元になる物質が生まれたところ。海は地球上の生命をはぐくんだところ。その二つを時空を超えてつないだものの象徴が「隕石」。(時間は重力によって生じた空間の歪説が、あの海と琉花が空間を巡るシーンのバックにはあると思います)
原作は未読ですが、面白かった。むしろ原作を知らなくとも、私みたいな類の人間は、無茶苦茶ハマること間違い無しです。
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7/5追記
皆さんのレビューを見ていると「生殖」に言及される方が少なからず居られて戸惑っています。
ものすごくザックリと言うと、地球上の初期の生命は、活動に必要なエネルギーを自分で作っていたか、作らなくても生きて行ける代物でした。要するに単細胞から始まっている。ある日、他の個体を自分の体内に取り込んでエネルギーにしてしまうものが現れた。高エネルギーを得た個体は、活動的に動き回り他者を圧倒していきます。こうした「捕食」の始まりが、進化を爆発的に加速させたと考えられています。
地球の生命の歴史上、雌雄が発生したのは「最近」の事です。捕食の開始は、結果として、生き残りの為の選択性優勢遺伝を誘発しました。弱肉強食に勝つ為に有利な特性だけを遺伝して行く事が、雌雄を別体にする事で可能になるからです。雌雄別体は優勢遺伝の為の生存戦略、しかも最近始まった。また、いつ終わらないとも限りません。
隕石が雄体、海が雌体と想定することも可能ですが、生命の発生時には存在しなかった雌雄を暗喩的に取り上げるかなぁ、と思いました。
トゥレップの中でも触れられていません。
皆さんが「生殖の暗喩」ととらえられている箇所は「時空を越えた生命の旅」って感じじゃないかと思いました。言い方を変えると、地球の全生命をOne is all視点で見ると、「生殖」って小さい話。個体の生命そのものが、なんでも無いモノ、なのだから。
光るのは、見つけて欲しいからだよ
圧倒的に訴えかけてくる画の質感、スピード感、なにより生命感。女子中学生流花のひと夏の成長期。まるで、のび太が恐竜の子供と出会った時のような、一皮むけた夏。流花は、海と空に出会ったことで、人の痛みを知ったのだ。
流花と海、空が、相対的な存在でありながら実は一体であるように、人間とほかの生き物たちもそうであるように、満点の星空と光放つ海中(どちらも、曜変天目茶碗のような深くきらびやかな世界に見えた)がそうであるように、どこかで自己と他者は同調している気がした。
ラストカットの蟹が、ひざまずき、右手を胸の前に抱えて、流花に「ようこそ」と招き迎えているように見えたのは思い過ごしだろうか。
細胞が新しくなるような映画体験
まず、アニメーションの質がとんでもない。
序盤のルカが先生に呼び出されるっていう何気ないシーンの扇風機の質感と舞うホコリの表現に「すげー」って声がでた。
そのあとの、ルカががむしゃらに走るシーンでまた声がでた。
内容はものすごく根源的で、ほとんどアートアニメーション。
私が今まで観た映画の中で一番近いと思うのは2001年宇宙の旅(安易かな)。
私はいのちそのもので、宇宙の一部で、「私」と「それ以外」の輪郭なんて極めて曖昧だ。
観てる時はあっけにとられてたけど、観終わって映画館を出たら台風前みたいな不思議な天気で、映画の中と外だって曖昧だな、と感じた。
細胞があたらしくなるような、そんな映画体験だった。
でも根源的なものって資本社会とは相性悪いんで、ある程度心と身体に余裕がないとしんどいかも。観たあとすぐに働くのはつらそう。
近年稀に見る怪作
TOHOシネマズ錦糸町で朝一番の回で鑑賞。会場は満席、なんとか前から2列目の端を確保して見れました。
命の終わりから始まりまでを描いた生命感溢れるアニメーション描写は鳥肌が立つほど生々しく、唯一無二といって良い魅力を放っていました。
圧倒的なビジュアルは良質なアニメに見慣れた今の目で見ても鳥肌が立つほどのクオリティ。
イデオン発動編や2001年を思わせる観念描写は人を選ぶだろうが、間違いなく今見るべき一作でした。
この繊細かつダイナミックなビジュアルは、Blu-ray版を家で見たくらいでは分かり得ない。
スクリーンで見て初めてその情報量に圧倒されると思う。
描かれている事は、宇宙・海・命・死といった極めて普遍的なもの。
しかしそれらをセリフで語らず、映像表現で文字通り"体感"させられるから凄い!
巷に溢れたテンプレアニメとは対極、極上の劇場用オリジナルアニメをぜひ全身で体験してほしい。
映像美なれどそれ以上は無いか
広告の雰囲気に恥じない映像美はあります。水の作画表現などはとくに美しかったですし、古びた教室の床などただ光って綺麗だけでなくて本当に絵は良かったです。
しかし、画面の美しさ以外には疑問符が多く残る作品でした。大切な言葉で言わないと言っておきながら、説明くさいセリフがある。
何より致命的だと思うのが、江の島が舞台でありながら、江の島には全く見えないこと。そういう意味では、「君の名は」で見た新宿の絵作り。「この世界の片隅に」で見た昔の広島。
この世界観ならば、田舎の架空の水族館が舞台で良かったのではないだろうかと大きな疑問が残る。
原作未読者は見るべきでない
原作である漫画を見ていませんでしたが広告の動画が美しかったので見に行きました。確かに広告詐欺にはならない映像美はありました。さまざまな種類の生物を細かに描いていて生物に対する知識の量には感動し、制作陣は素晴らしい仕事をしているなぁと惚れ惚れしました。
ですが、大事なことは言葉にしないほうが本質伝わる、ということが主題だと思うのですが登場人物のセリフが抽象的な上に少なく、後半の展開が早いため置いてけぼり状態を食らい、主題があまり伝わってきませんでした。また、個人的に主人公の声には違和感がなかったのですが少年2人、助手など声に違和感を感じ、登場人物に愛着を持てませんでした。
漫画を読んで補足の知識があれば楽しめるのかもしれませんが、未読者である自分はこれから何が起こるのか、今何が起こっているのか分からない不快感を感じました。
内容に興味は沸いたのですが映画だけではどうしても疑問が残りもやもやするので機会があったら原作を読んでみたいと考えています。漫画を読んでいない人は見に行かないのが無難だと思います。
全306件中、81~100件目を表示