「間違いなく一番!」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
間違いなく一番!
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今の時代にふさわしいテーマを訴えかけてくる素晴らしい作品でした。後半からは嗚咽が止まりません。ヴァイオレットは言います。「人間は本当の気持ちを言えないで、反対のことを言ったり、強がったりする。相手に言葉で伝えないと判らないことがある」と。その本当の気持ちを伝えるために手紙がある。確かに手紙の言霊が、相手の心を揺さぶり、行動に駆り立てるのである。少佐が走り出した時のそうでした。そして、ヴァイオレットが恋焦がれていた少佐に会えた時の言葉。「しあわせです」はシンプルだけどあのシーンに一番ふさわしいと思います。さらに、きっとこの映画は一番身近にいる大切な人に「あいしている」と伝えてくださいと教えているような気がしました。
設定は架空の世界ですが、何の違和感もなく溶け込めたのは京アニの凄さでしょう。しかも間のとり方が絶妙でじんじん心に響きます。
あの喜びが爆発した時の花火の美しさ。きっと京アニの亡くなった魂たちが、ヴァイオレットを祝っているような気がしてまた涙が。
ヴァイオレットは素直で強く、ネガティブに見えて、おどけるような面もあり。増々惚れてしまいそう。
いずれにしても、ヴァイオレットの人生の軌跡を追いかける女性、早逝する少年、ヴァイオレットの少佐への愛という三つのストーリーは、全く違う色の世界のようですが、最後にはまるで一つの世界に合体するかのように、見事に重なり合います。今年一番の秀逸な作品です。
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