「遥かに想像を超えた衝撃!」ボーダーライン ソルジャーズ・デイ とえさんの映画レビュー(感想・評価)
遥かに想像を超えた衝撃!
衝撃的に面白かった!!
冒頭から予期せぬ展開で始まって、最後まで先が読めず、呆気にとられたまま終了した!!
これすごい!!
家族を麻薬カルテルに殺されたことで、カルテルを恨み、その撲滅のためにCIAが雇うSicario(暗殺者)となったアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)
アメリカとメキシコの国境付近でテロが増加していることを受け、アレハンドロは、CIAのマット(ジョシュ・ブローリン)と共に国境の町へと向かう
前作では、国境に作られたトンネルを抜けて密売される麻薬の現実が描かれていた
しかし、今回は景色が一変、そこに巨大な壁が立ちはだかる
そうなると、カルテルはどうやって麻薬を運ぶのか
が本作で描かれるのかと思った
しかし、そうではなかった
そこに巨大な壁が立ったことで、カルテルは、より高価に売れるブツがあることに気付いたのだ
それは「人」だ
栽培することも、加工する必要のない、全く手間のかからないブツがそこら中にウヨウヨしているのだ
それは「トランプ政権発足後の国境」の姿であり、壁ができたことで人身売買が横行することになったのだ
当然、カルテルは金さえもらえば、密入国者が撃たれて殺されても責任は負わない
こんなに良いビジネスはないはずだ
そこでCIAと政府は、アレハンドロのような傭兵を使ってカルテルを撲滅する作戦を立てるが
それが失敗すれば、平気で傭兵をポイ捨てする
そして、捨てられた傭兵は新たなテロの火種となっていく…
この映画がすごいなと思ったのは
アメリカが自身でテロリストを生み出しているという現実を描いているところにある
かつては中東でも、現地のゲリラに武器を与えて戦わせ、作戦が終了すると平気で見捨てた結果
捨てられたゲリラたちは、アメリカを敵とみなすようになったように
トランプ政権は「国内の犯罪を減らすために」メキシコとの国境に壁を立てたが、それは本当に正しい政策なのかと、この映画は問いかけている
むしろ、反感を買い、テロリストを増やすだけではないのか
壁を作った結果、敵を減らすどころか増やすだけでしかない
麻薬カルテルの話が、こうなるのかーーーと、後半はあっけにとられながら見ていた
これは、現政府に批判的な作品であり、こういう映画が、メジャースタジオで製作されてしまうのがすごいと思った
前作も度肝を抜かれたけど
続編もまた、衝撃的な作品だった
興味がある人は、ぜひ