劇場公開日 2018年11月16日

  • 予告編を見る

「脱力感...続編はエンタメ寄りかと思ったらむしろ逆の印象」ボーダーライン ソルジャーズ・デイ ゆうまさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5脱力感...続編はエンタメ寄りかと思ったらむしろ逆の印象

2018年11月17日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

興奮

前作はあまり説明がなく(=主人公と似た状況で)話が進み、メキシコ麻薬戦争の知識がないとちょっとストーリーが難解でした。調べてなるほどと展開に納得、それを抜いても静な映像と音楽がもたらす途切れない緊迫感で良作サスペンスアクションでした。
今作では監督も変わり、予告を観ると派手な軍事装備でエンタメ寄りになるかな?と思いながら鑑賞しました。

実際、序盤の長回しのショッキングな自爆テロシーンやソマリア海賊の襲撃作戦(サプレッサーの射撃音がイイ!)は最初から一気に掴まれます。
そして、頭のマットの尋問からCIAの汚さも相変わらず。テロからメキシコ麻薬カルテルと繋がり、再びあの2人が"混乱"を起こしにカルテル同士の戦争を(ボスの娘誘拐と派手なドンパチで)演出しに作戦を開始します。
今回は割と説明があり、前半の展開は分かりやすいです。ここまでとにかくCIAが汚い&汚いで、前作の強行的な作戦を超えていてゲンナリ...。このなんとも後味の悪いアクションがこのシリーズ特有の味わいかなと個人的に思います。

しかし中盤からは前作同様並行する別ドラマが絡んでいき、前作レベルの絶妙なテンポに落ちていきます。緊迫感が徐々に高まり、維持しつつ展開が二転三転。
伴い、CIAの汚さをまた見せ付けられ、泥沼状態の中で前作では冷酷だった主人公らが独自に考え始めます。ひたすら汚いCIAに終わりが見えそうにない流れの中で、この2人の感覚が唯一救いのように思えました。終盤はもう2人+誘拐された娘の命運を見届けたいと集中するだけでした。
結果続編があるのか分かりませんが、ハッキリとした結末は明示されずにエンディングを迎えて色んな意味で脱力。(追記:3部作品構想と後に知りました。)
少し派手になっていますが物語の重さと後味の悪さでは前作を上回っていて、スリリングさは十分体感できますが、全くエンタメ寄りではありませんでした。
まとまりの良さでは前作が上だと思いますが、終盤の展開であのままハードに進んで一つの結末を迎えていたら前作同様か以上の傑作になっていたと思います。

音楽が相変わらず良かった!

ゆうま