ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのレビュー・感想・評価
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長い!けど面白い!タランティーノの不思議
落ち目の俳優と専属スタントマン。映画の街ハリウッドでの彼らの日常を描きながら、ある事件の発生日に近づいていくという構成。
とにかく前半が長い!でも不思議と退屈ではない。リックが酒に溺れながらも俳優として生きていこうとあがく姿は淡々としてるけど面白かった。実際に当時作られた映画やドラマのような映像も流す必要ある?と思うけど、それがよかったとも言える。これが作りたかったんじゃ?と思うほど。
でも、最後のシーンに行くと、やっぱりこれだよね!という映像だった。こちらがイメージしていたものとは全く違ったけど、これこそタランティーノ!という痛快なもの。そしていろんな意味で戸惑うのではないか。
近年のタランティーノ監督作は長い!と思いながら面白く観てしまうものが多い。本作もそんなタランティーノの不思議な魅力に溢れた作品だった。満足!
【後半のハリウッド俳優に実際に起こった哀しき史実に対するタランティーノ監督の激しい怒りが炸裂するシーンを、全面的に肯定する作品。今作品で引退なんて、冗談だろう?タラちゃん。新作を待ってるぜ。】
ー 映画愛溢れる様々なオマージュが盛り込まれた、タラちゃんの作品は見終わった後、いつもお腹一杯になる。内容が特濃で、尚且つ頭フル回転で観るからである。ー
・この作品は、彼のハリウッドを愛する気持ちがきっちり表現されている。(あの展開には、見事に一本取られたよ。)
・劇中劇の挿入の仕方も見事である。
その劇中劇でセリフを忘れ才能の無さを嘆いたり、8歳の可愛い”役者”さんから演技を褒められ涙するリック・ダルトンを演じるディカプリオ、流石である。
・が、自由に生きるリックのスタントマン、クリフ・ブースを演じるブラッド・ピットの不敵な笑みと言動の格好の良さが際立つ。
腕っぷしの強さや(画面に映し出される腕の筋肉の太さにビックリ)少し、陰のある過去を匂わせる部分などを含めて、不死身の男を見事に演じている。
プランBの仕事の中身も凄いが、彼が超一流の俳優であることを、再確認したモノである。
・この二人を含め、アル・パチーノ、ダコタ・ファニング、マーゴット・ロビーといった錚々たる演者が嬉々として馳せ参じる監督はそうはいないだろう。
・そして、この作品の見応えあるレベルの高さ。
<今作品で引退なんて、冗談だろう?
クエンティン・タランティーノ監督。新作を待ってるぜ。>
本当にワンス・アポン・ア・タイム
落ち目の俳優とスタントマンの友情を軸にあの時代を良く描いている。
映画・ハリウッドのこと。ロサンゼルスのこと。ヒッピーのこと(私は良く知らなかった)。
ロスは90年代以降に何度かいったが、あの時の空気を思い出した。加えて69年の空気も味わえて、映画界の雰囲気も味わえるのでおトク。
ストーリーは、全てを自然に味わえる。悲しみ、笑い、痛快、カッコ良さが全部ある。
ブラピは老けてもカッコよく、デカプリオもいい味出してる。
映画が好きな人、ロスの空気が好きな人、あの時代が好きな人は是非観るべき映画。
追記 私もあんなバディが欲しい。
古き良き時代のハリウッド
ハリウッド・愛・おとぎ話
マジかよこの展開!!とは言っておこう...。
インタビューか何かで読んだけれどアルフォンソ・キュアロンにとっての「ROMA」すなわち1970年のメキシコシティが、クエンティン・タランティーノにとっての「1969年のハリウッド」ということである。即ちこれは彼が幼い頃の郷愁に満ちた文字通り「おとぎ話」な訳だ。
非常に凝ったつくりになっていて、この映画を観ただけで何本分かの映画を観た気持ちになる。私は60年代に詳しくないけれど、そういうのが好きな人ならもっともっと多くのトリビアを見つけられるのではないだろうか。個人的にはシャロン・テートが「テス」の初版本を買いに行くシーンにものすごくぐっときてしまった。
レオナルド・ディカプリオがよく泣き自分に怒りをぶつけたり悄気たり、本当に落ち目の男ぶりがかわいいというか...。受けるブラッド・ピットは色々抱えていたんですねえ、という感じを漂わせながら何故かいきなり脱いでみたり(謎のお得シーンだ)、緊迫する部分を引き受けてみたり。このふたりの圧倒的存在感。
マーゴット・ロビーのシャロン・テートはただただキュート。自分の出てる映画を観て観客の反応にはしゃぐ彼女の魅力爆発といった感じである。
1969年2月8日から始まる物語がいつ核心の「1969年8月9日」にゆくのかと思っていたら、後半の「ドラマまとめ」を見ているかのような目紛しい展開...の後に衝撃の当日が訪れる。これ、予習しないと面白み全然分からないから予習していってくださいね。「おとぎ話」とはこういうことなのか。抑制効き気味のそれまでを全て華麗にひっくり返す怒涛。笑って良いのか迷うが、多分笑って良いのだろう。個人的には大いに楽しめました。
161分は長過ぎと尻込みしたけど…
前半導入部分がグダグダで、とっ散らかった散漫な群像劇かと失望しましたが、さすがタランティーノ監督、結局最後まで飽きずに楽しませていただきました。
スティーブ マックィーンの「ブリット」が公開され大ヒット。カルト集団マンソンファミリーによるシャロンテート殺人事件。東海岸ではウッドストック。そして後年「スピリットが失われた」と、イーグルスが唄った1969年。そんな1969年のハリウッドのお話です。
全編フィクションとの事ですが、ノンフィクションみたいな箇所もいくつかあり、寡黙で謙虚イメージのブルース リーが実は横柄で大言壮語、ブラピにボコられるシーンはいかにもありそうで笑えました。
言葉の壁もありますが、当時の時代背景をもう少し学んでから見ると数倍楽しめそうな作品でした。
マスティフ可愛い
シャロンテートが、優しくて朗らかで、映画作りへの素直な情熱を持った魅力的な女性であったことを教えてくれた。救えなかった彼女と赤ちゃんの魂に少しでも寄り添おうとしているような優しい映画だった。
盲目的なカルト集団マンソンファミリーは、寝てばっかりいる盲目の老人と何の力も持たない小者の集団に上書き。
「イングロリアスバスターズ」のナチス狩りもそうだけど、タランティーノは決して許せない歴史の一部を改ざんしてくれる。その優しさにぐっとくる。
前半は、虚実が入り乱れる見事な運びにワクワクし、レオの一人反省会や、ブラピのトレイラーハウスの暮らしなどなど、もう楽しさ満載。
で、後半から、あの事件へのカウントダウンが始まるとドキドキするのだが、ここからまさかのタランティーノ節全開。
冒頭から、ブラピの車のハンドルを握る腕が強調される。誰もが抱かれたくなるようなセクシーで力強い腕は、なんと銃よりナイフより怖い凶器でした。
マスティフ可愛い。
エンターテイメントの裏側
面白かったです。
ストーリーはないです。群像劇です。
私はシャロン事件を知らなかったです。
普通なら飽きてしまって30分ぐらいで見ていられなくなるような話をタランティーノがとるとこんなにうまく映画にしてしまう。それは俳優の魅力、キャメラワークそして音楽の使い方から来ているのだろう。とはいうものの脚本は全くクソでもなくところどころに面白もいエピソード持ってきてやってそれなりに飽きないような工夫がされている。またはシャロンテート事件の伏線が早くから張られており事件を知ってる人だったらばそこんところがどうなるんだろうというサスペンス効果を生んでさらに飽きずに見ることができたであろう。カメラワークで特徴的なのがクレーン撮影だー。何度もクレーンで上のほうに上がっていってて上から俯瞰で見下ろすというシーンがある。これは一体どういう意味があるんだろうと思って見ているといちばん最後のところがそーゆーカメラワークになっている。そうかこれはきっと 。 。 。という意味だったんだなぁとそこでなんとなく感じられたのでよかった。また途中にカメラがフェンスのほうにぐっと近づいていき乗り越えていくかと思ったら手前で止まるというシーンがある。このカメラワークが伏線になってラストシーンのところで上手く効果が出ている。
もう一度見ればもっといっぱい発見があるかもしれないがとにかくこの映画は長い。そしてあまりおもしろくない。だから私がこの映画をまた見直すのは数年先になることだろう。
タランティーノはいつも映画をフィルムで撮影する。それはデジタルで撮影するよりもフィルムで撮影する方が美しいからだ。フィルム撮影の美しさは特に複雑な自然光が当たった時の人肌に出る。また背景のボケ味が全然違う。よく注意して見ていただければ誰にでもわかることだと思う。映画監督よ、映画はフィルムで撮影してくれ。
これが映画だ!と鳥肌が立った
・やっぱり一番はラストのチャールズ・マンソンらがシャロン・テートを惨殺すると思われた所を、タランティーノがこしらえたリックとクリフが、奴らを反対にぶっ殺す所が一番痛快だった。そして、シャロン・テートは死なずに済んだ…映画による命の救済で鳥肌が立った。
・この映画まで事件の事を全く知らなかったので、観る前に調べておいて本当に良かった。
・現実の歴史を映画が変えたような、映画が現実を凌駕したような感覚になってとても良かった。
・背景、小物、衣装など美術が素晴らしくて1969年にタイムスリップした気持ちになれて良かった。
・映画内で登場した映画が観てみたくなった。
・ブルースリーがクリフにボコボコにされてるシーンが館内でウケてた。何故ウケてたのかよくわからなかった。
・元ネタをもっと下調べしたら楽しめるんだろうなと思いつつ、事件だけでも楽しめた。と思う。
・ダコタファニングが物凄く可愛かった。初めて観た。
(9.18追記 プッシー・キャット役をダコタ・ファニングと勘違いしていた…マーガレット・クアリーだった。ダコタ・ファニングは赤毛女だった。いやはや。)
親しみのレオ様、憧れのブラピ
ネタバレはなし。
子供の頃から20年以上に渡って、このスター二人の映画を観て親しんできた世代としては、同じスクリーンに写っているだけでテンションはマックス。しかし内容も期待を裏切らない良い作品だった。キャラクターを個性的にみせるのに十分すぎる程時間を割き、そしてそれがのめり込む最大の要因となっていた。
■「親しみ」のリック(レオ様)
リックは自己評価が高くて落ち目の自分が許せない、時々ヒステリックになる様が不器用で愛らしい。輝く未来を見出せず、常に不安に陥っている様がこの世知がない現代日本においても共感でき、親しみやすい存在となっている。
■「憧れ」のクリス(ブラピ)
一方クリスは落ち着き払ったナイスガイ、人生流れるがまま、まあ成るように成る、死ぬこと以外~傷、といった体で内外伴ったイケメン。このどっしり感がリックの親しみやすさとは反対に、自分もこうありたいと思えるような憧れの存在として描かれている。二人の対比が良く映える。
■お茶目美女シャロン(マーゴット・ロビー)
実在した人物、シャロン・テートをマーゴット・ロビーが、そのクールビューティーな外見とは裏腹にお茶目で愛らしさいっぱいに演じているのがまたいい。自分の出演映画を観る観客の反応を楽しむ姿とか個人的には劇中で一番可愛いと思ったシーン。
昔々あるところに…
ネタバレ厳禁映画、ご注意下さい
最初に観たのと2回目以降に観たのとではストーリーの印象が全く別物になる映画ですので、ネタバレに気を付けて書ける範囲で…。
まずブラッド・ピット、終始一貫して格好いいです。
それ以上にレオナルド・ディカプリオ、演技派俳優の仲間いりという噂は本当でした(すでにオスカー獲ってますからね😅)、凄いです。
ただ、どこかの評論家が、タランティーノ作品の最高傑作、と宣伝していましたが、それは違う❗と断言できます(その評論家の方は過去の作品をきちんと観てないと思う)。
今作で取り上げた題材が、映画オタクのタランティーノ監督にとって“最も愛するもの”なだけに、どこか遠慮があったのか、淡々とした“愛の物語”になっているのかも。
ただ、これが他の監督のものなら、十分合格点ですし、要するに期待過剰だったのかもしれませんね。
賛否両論ありそうなラストについては、ご自身でぜひ確認してください。
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