ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのレビュー・感想・評価
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予習必須ワード「シャロン・テート事件」
実際に起きた事件を縦糸、どこかにいそうな男2人を横糸に語られる御伽噺。
ハリウッド落ちこぼれ兄弟へ向けられた愛が本当に素晴らしい。タランティーノって優しい人なんだね…。
それはそれとして、終盤に訪れる容赦なき一転攻勢も素晴らしい。
140分間で積もり積もった「どうしようもなさ」が見事に霧散します。タランティーノって容赦のない人なんだね…。
ただね、そこに至るまでが余りにタルい。
シャロン・テートやハリウッドの近代史についてはもろちん、何より例のヒッピーファミリーについての基礎知識がなければ
中盤数十分、退屈で意味不明なシーンを延々と観続けるハメになるでしょう。私がそうだったから分かる。眠かった…。
野郎の友情もハリウッド愛も素晴らしい。でもやっぱり、タルかったのも事実なんだよなぁ。
とにかく予習必須です。
(追記)
9/14、2回目鑑賞。
★3.5から4.5に評価を修正させていただきます。
物語のバックグラウンドを理解した上で観ると、格段に面白いですね。
あぁ^~ブラピ格好ええんじゃぁ^~ディカプリオ可愛いんじゃぁ^〜
ブラピ、かっこいい~!
ディカプリオがこんなにいい役者なんて知らなかった。スティーブ・マックイーン登場はとても嬉しかった。顔は違うけれど、話している様子を見れば見るほど本物に見えてきた。シャロン・テートは若く美しく幸せの絶頂なんだよ、という描き方にタランティーノの愛と優しさを感じた。最後は「来た、来た、タランティーノ!」で盛り上がった。かなり笑える映画だったのは意外だったけれど幸せな気持ちになれた。
そして。ブラピは男性だけれど「小股のきれあがった」と表現するしかないほど素敵だった。
強力な睡魔と戦いながら
強力な睡魔と戦いながらの観賞
コレ普通の人なら寝るでしょう
結局 タラ監督が好きな理由はラストのハチャメチャなので
もはや大監督?になったので なんか以前の必死さとか 毒とか 変態性とかが感じられない
余裕しゃくしゃく て感じで 悪く言えば鼻につく
ラストは観客サービスだとすると
結局 タラ監督の作りたい映画と こちらが観たい映画が違うてことなんでしょうかね
なんか残念!
でもタラ監督が観たい映画て 本当にコレなんかなぁ
もし違うなら 大監督だから今回は作りたい映画でいいから
次は以前みたいに自分が観たい映画作って欲しいなぁ
隣人
1969年のハリウッドを舞台に架空の俳優リックと彼のお抱えスタントマンのクリフが生き抜いて行く様子をみせると共にシャロン・テート殺害事件に絡んで行く話。
テレビ俳優としてピークを過ぎたリックが自身の置かれた現実に向き合い葛藤する様子と、スタントマンとしての仕事を望むもリックの付き人か運転手の様な現実に甘んじているクリフの様子をみせて行くストーリー。
当時は映画俳優の方が格下ということか?
ちょいちょい登場するシャロン・テートやマンソンファミリーはメインストーリーとはあまり関係無い様な流れで群像劇的な感じもする。
序盤からそこを掘り下げて時間を割く必要はないだろうというおかずの連続で、決してテンポが良い訳ではないけれどダレる感じはあまりしない。
ムダに長くて面倒くさいのは否めないが、実在の人物や作品の使い方はユニークだし面白いしね。
悪ふざけとも願望ともとれるラストの展開は、狐につままれた様な感覚と共に面白さもあってなかなか良かったけど…シャロン・テート事件のことを知らないで観たら、これっぽっちも面白さがわからないつくりというね。
自分的には制作陣のハリウッドや映画界に対する愛情とかリスペクトみたいなものを感じたけど…。
話自体は難しくないけれど、シャロン・テート事件の知識必須、知らないで観て面白いと言ってる人はダウトですので気をつけて。
昔も今も、ハリウッドと映画へ捧げる、タランティーノのラブレター
タランティーノ!
レオ&ブラピ!
マーゴット・ロビー、アル・パチーノら初参加組、カート・ラッセル、ブルース・ダーンらお馴染み組の豪華キャスト!
舞台は1960年代、魅惑のハリウッド黄金時代!
フィクション×ノンフィクション!
映画内幕コメディ、男二人の友情ドラマ、実際に起きた衝撃事件のサスペンス!
これでもか!…と、たっぷりの話題性と面白味を詰め込み、期待するなと言う方が無理!
今年の期待作の一本!
大満足の160分!
だって、これはタランティーノ映画!
何と言っても、タランティーノが1960年代を舞台にハリウッド内幕劇を撮る。
どれほどのネタがブチ込まれていた事か!
分かったのもあれば、まだまだ気付かなかったのも沢山あり。こりゃレンタルになったら、二度三度四度と気の済むまで再見しなければ!
実際の映画/TVや劇中劇が面白い。ここら辺のディープなチョイスがタランティーノらしい。
あの大物監督にあの大スター、伝説のスターら実名さん、あの名子役(現・名女優)を彷彿させる人物も。
ロケやセットなど、まだ産まれてもない/知りもしない1960年ハリウッドにタイムスリップさせた気にしてくれる。
映画通でなくとも、映画通なら尚更!
選曲はいつもながらgood!
無駄に長いシーンや台詞は勿論。(←褒め言葉です)
いつもよりバイオレンス描写は控え目だが、これは最後にお楽しみ♪
タランティーノの才気/センス、エンタメ性、そしてオタクっぷりにはひれ伏したくなるほど。
やっぱ、アンタは最高にクールだぜ!
そして、超話題。
遂にこの二人の共演を、スクリーンで観る日がやって来た!
レオナルド・ディカプリオ×ブラッド・ピット!
開幕早々から、豪華贅沢にツーショットで登場!
再度確認するけど、合成やCGじゃないよね…?
役柄がまたまたハマってる。
レオは、かつては映画スター、今はしがないTV俳優のリック。
再び映画の世界に返り咲こうとするが、酒に溺れ、せっかく貰った仕事も台詞を忘れ…。
その惨めさ、情けなさ、落ちぶれっぷりは哀愁たっぷり。
と同時にハイテンション演技で、ユーモアも。
が、俺はリック・ダルトン。やる時はやる! TV西部劇の悪役で、凄みのある演技。やり切り、安堵したのかうっすら浮かべた涙に、見てるこちらも思わずジ~ンと…。
言うまでもない、レオの熱演!
ブラピは、リックのスタントマンのクリフ。
運転手もやり、その他雑用もやり、時にはアドバイス/サポート/フォローで公私の境無くリックを支える名パートナー。唯一無二の親友でもある。
ただ、ちょいと問題児。トラブルが幾つか。
トレーラーハウス暮らしで、向上心を秘めつつ、常に陽気でポジティブ。
役柄の旨味もさることながら、ブラピがカッコいい男の魅力やセクシーさを炸裂。
ちらほら囁かれているオスカーへの期待、こりゃひょっとすると、ひょっとするかも…!
それから、クリフの愛犬も。
奮闘する売れない俳優とスタントマンの物語がユーモアたっぷりに、男二人の友情ドラマが味わい深く描かれる中、もう一つ展開するストーリーが、
実在した若い女優、シャロン・テート。
演じるマーゴット・ロビーがKO級の魅力を振り撒き、こりゃ堪らん…。
60年代ファッションがキュート、映画館で自分が出演してる作品を見る嬉しそうな表情がこれまたキュート。
ホットパンツやミニスカートから覗く眩しい脚線美は刮目せよ!
足フェチタランティーノ、健在なり!
シャロン・テートと言えば…
当時、ロマン・ポランスキー監督夫人。
売り出し中の若手女優。
でもそれ以上に、今尚ハリウッドで語り継がれる衝撃的なアノ事件…
2つのドラマは同時進行で始まるも、ほとんど接点ナシ。
が、クリフがヒッピーのコミュニティを訪れた辺りから不穏なムードが。
そして遂に、アノ事件当日。
フィクション×ノンフィクションが果たしてどんな結末を迎えるのかと思っていたら、
予想の斜め上を行く、意外な展開に!
もっとハラハラドキドキの実録サスペンスや“シャロン・テート事件”の真相に迫る話を見たかった人には不満だろう。あの予想外のオチは賛否分かれるだろう。
でもそこは、“確信犯タランティーノ”。
もし、アノ事件がこうなったら…。
何かの評で、これまでで最も優しいタランティーノ映画とあったが、なるほど然り。
凄惨な事件を起こした奴らに制裁を与えつつ、
シャロン・テートと、スター/無名問わず映画の世界で奮闘する人々へ捧ぐ。
映画愛エンタメに満ちた、タランティーノのラブレター。
ご存知の通り、タランティーノは10本映画を撮ったら引退と公言。
本作が9本目。後一本。
本人が決めた事で、意思は尊重するが、
だけどやっぱり、まだまだタランティーノの映画が見たい! 我々を楽しませてくれる映画を撮り続けて欲しい!
だけど、宣言通り引退したら、こう語り継がれるだろう。
昔々、ハリウッドにタランティーノという天才が…。
世界再現。
60年代の街並みを再現したらしい。CG ではないいい雰囲気。主人公二人の生きざまは話としては面白いけれど当時の映像やら懲りすぎな見せ方が少しくどいかも。ラストも実際にこうだったら良かったのになー、と。
これぞ映画体験!
私には作品内で出てくる固有名詞、その背景の全てが分かるわけではなかった。
おそらく、4分の1も理解できていないだろう。
でも、この作品は私を楽しく、幸せな気分にさせてくれた。
それは、この作品が上手く60年代末期の無邪気さを生き生きと描いており、私もその時代にタイムスリップしたように感じさせてくれたからではないかと思う。
作品内でも触れられているように、60年代はベトナム戦争の停滞、カウンターカルチャー台頭の時代ではあったが、まだ皆がより良い明日を純粋に信じられる時代だった。
前途洋々のシャロンはもちろん、ヒッピー達だって純粋さからの生き様だった。
いや、私はその時代に生まれてすらいない。
だから、本当は知らない。
でも、多分そうだったというよく分からない確信がある。
そう思わせてくれるほどに、この作品は60年代末のハリウッドを追体験をさせてくれる。
監督自身がインタビューで答えているように、今はデカプリオだから、ブラピだから、タランティーノだからといって映画館に客が波を打って押し寄せる時代ではない。
だからこの映画のように、全てを理解をできなくても、登場人物たちが確かに存在していたように感じさせ、観客をその舞台に放り込んでくれる映画体験こそが、映画を観る理由なんだと強く感じさせてくれた。
60年代のアメリカを見事に再現!
街、車、ファッション、音楽など忠実に再現していたと感じました!
ブラピがカッコ良い!
相棒の犬もGJ!
ストーリーには面白みは感じませんでしたが音楽と映像は素晴らしいです。
アメリカ人の為に作った作品の印象。
アメリカの人ならここで笑うだろうと思うシーンも場内では笑い無し。
日本人であることが残念でたまりません。
それにしても期待以上に音楽が良かった‼
音響の良い劇場で観れば良かったと後悔しましたが、もう観ないかなぁ( ´∀`)
どうして1秒も眠気が来ないのか
教えてほしい。
長い上映時間に加えて、
淡々とした物語であるにも関わらず、
興味がずっと続く。
インパクトある映像でないのに、
印象深いシーンが多々ある。
タランティーノが描く物語のディテールは、
どうしてこうも惹きつけられるのか。
愛すべき映画がまた増えた。
しあわせなことだ。
ブラピ デカプリオがこんな映画にでていいのか?
総すかんを覚悟でこう言いたいのですが「ブラピ デカプリオがこんな映画にでていいのか?」と言うのが正直な気持ちです。この監督は何本んとなく下品、不快な映画を作って来ましたが、今回は全体にわたる冗長な展開も加わり、期待外れもいいところでした。極めつけはデカプリオがヒッピーに向けて火炎放射機で焼き殺すところですが、これってブラックユーモアですか?デカプリオにこれをさせる必然性って有るのでしょうか?
極上のハリウッド・ドリーム!!
レオ×ブラピ×タランティーノのタッグはやはり最強だった!
まさに1969年にタイムスリップした気分で最高に面白い「おとぎ話」でした!
主人公はレオナルド・ディカプリオ演じる落ち目の俳優リック・ダルトン。
そしてブラッド・ピット演じるリックのスタントマン(兼奥さんw)であるクリフ・ブースの二人。
そして、マーゴット・ロビー演じるこの映画のキーパーソンであるシャロン・テートの三人の視点で当時のハリウッド業界を描く群像劇であります。
まず、この映画は語りたい事がたくさんあり過ぎて、どこから話して良いのか迷ってしまいます!(笑)
しかし、タランティーノから「ネタバレ禁止令」が出されているのでいくつか絞ります。
①ディカプリオとリック・ダルトン
今回はディカプリオとブラッド・ピットというハリウッドスター二人が共演するというだけでも凄いことですが、どちらもキャラクターに見事にはまっていました!
ディカプリオは落ち目のスター俳優という役柄ですが、考えてみたらディカプリオ自身も最近は映画に出演していなかったので自身も少し落ちぶれ気味だった可能性も(笑)
そんなところも、落ち目のリックにはまっていたポイントなのかなとも思います。
リックのキャラクターは実力はあるものの(観た感じそう思えた)、ちょっとした事で気が沈んでしまう繊細な人物で、その感情的になったり繊細な演技がまた素晴らしい!
②ブラッド・ピットとクリフ・ブース
彼演じるクリフ・ブースはリックの専属スタントマンでありながら雑用を難なくやったりする相棒であり親友でありますが、リックを支える姿はどこか献身的に支える奥さんのようでした(笑)
もうこの映画のヒロインはクリフと言っても良いんじゃないの?(笑)
普段は穏やかだけど、スタントマンの性なのかどこか危うい部分も兼ね備えていたりと色々と個性がある人物で、それをブラピが熱演していました!
忘れていたけど、ブラピは筋肉質ですね!服脱いだときの鍛えっぷりはヤバいです。
あと個人的に犬との絆も良かったです。
③マーゴット・ロビー含めたキャスト陣
実在してた人物の再現度も凄まじいです。
マーゴット・ロビーのシャロン・テート似すぎです!
スティーブ・マックイーンも凄く似てました!
また、デス・プルーフでキチガイなスタントマンを演じたカート・ラッセルがスタントマンの長というのも面白いし、アル・パチーノも出番は少ないですが凄く楽しそうでした!
④69年当時のハリウッドの再現度
これは本当に素晴らしかったです!
タランティーノの映画は他の作品でも撮影のセット等をこだわって作り込んでいますが、先ほども話したように本当にタイムスリップしたかのような再現度です。
そして、映画の撮影スタジオのセット!
このワンハリの話の中で撮影される作品のセットという形ではありますが、何ですかあの作り込みは!!
当時のハリウッド映画の裏側がこんな風になってたのかと言わんばかりのこだわりで、まさしくお金がかかった映画のセットと言わんばかりの作り込みでした!
また、都市の風景にもこだわりがあって、当時のアメ車がこれでもかと言うくらい至るところに走ってたり停まってたりしてました。
これだけ作り込んでいながらよく製作費100億円以内に落とし込めたものです。
その他にも、スティーブ・マックイーンの「大脱走」を含めた映画の小ネタがちらほら出てくるので知ってる作品があればピンと来るものがあります。
これだけ好きだった点を上げながら唯一好きじゃなかったところをあげるとしたら、終盤に入る前のある重要な展開における場面の切り替えが少しあっさりし過ぎてたのでもう少し長く余韻を持たせて欲しかったくらいですかね。
今回も会話のシーンもありますが、ハリウッド映画における俳優やスタントマン、撮影の裏側といった映画マニアとしては興味深いネタが満載なので全然ダレなかったです。
そして、今回は比較的映像で魅せる演出が多かったり血みどろな暴力シーンもそんなに無いので、他のタランティーノ作品と比べても観やすいと思います。
ただこの映画は多くの人が言ってる通り、シャロン・テートの事件とマンソン・ファミリーの事を予習してないと置いてきぼりになってしまいそうなので、観る際はこれらを頭に入れて観た方が確実に楽しめます。
またこの映画は映画業界の裏側に対していかに興味があるか、そして60年代の映画や俳優の事を知ってるかで好き嫌いが分かれると思います。
ですが、個人的に近年のタランティーノの作品の中では一番好きな映画かも知れません!
愛が溢れまくり
1968〜1969年の、タランティーノが愛するハリウッドへの想いが溢れた、厨二病作品。
前半は、西部劇が過去のものとなった、往年の中堅西部劇スターの凋落ぶりを描く。
これは、ジャンルを変えれば今にも通じることで、全ての映画へのタランティーノの愛が溢れて漏れまくったターム。
後半は、カルト宗教の殺人事件ファイルを読んでると、必ずぶち当たる例の「チャールズ・マンソン」が率いるヒッピー軍団による、「シャロン・テート殺人事件」が絡んでくる。
そして、ラストは良識派が眉をひそめるんじゃないかというくらいの、凄まじい暴力。
「絶対マンソンを許さない」という、 タランティーノの想いが爆発していて、正直大爆笑と感動が一緒にやってきましたよ。
主役の二人は、実在しないフィクションだけれど、周りは実在した人物や作品を取り入れていて。
『ミセス・ロビンソン』『サークル・ゲーム』『トリート・ハー・ライト』、そして『バットマン主題歌』など、リアルタイムでは知らない私でも知ってる、名曲の数々が流れ。
映画『大脱走』のシーンが使われていたり、ブルース・リーがシャロン・テートにカンフーを教えていたりと、タイムワープさせてくれた気分になりました。
映画好きにはたまらない!
一般娯楽作品を求めて行った人には「よくわからない長ったらしい独りよがり」となる、正調タランティーノ作品でありました。
もちろん私には大傑作(でも人には勧めにくい)。
あと、ブラッド・ピッド最高!
犬最高!
ワンスアポンアタイムインハリウッド
ブラピ、デカプリオ、マーゴットと好きな役者の揃い踏みで、タランティーノという、それだけで楽しませてもらえました。
デジタルではないフィルムで表される60sの世界、素敵ですね、これが映画なのかな、
タランティーノらしいカメラワークと伏線の張り方、狂気に満ちたバイオレンス、そして、ラストへの流れがたまらない、
しっかり、史実を知ってから見た方がいいですね。やはり、タランティーノは素敵です。
残念なのは、ブルースが、少し情けなく表されていることかな、我々の世代のヒーローなので
^_^
温かな眼差し
往時のハリウッドへの愛が全体を貫く大きなテーマで、潜在的に進行するシナリオにドリブンされるというよりは雰囲気重視。
そうした雰囲気を構成するディティールを隅々まで楽しむには、同時代を近くで体験してきたり、呆れるほどの知識を持っている必要があるだろう。
それはきっと、たとえば日本人がシャボン玉ホリデーの物語やトキワ荘の物語、あるいはドラクエ誕生譚などを見聞きしたとき、飛び交う固有名詞や当時の風景、音楽などを懐かしみ楽しむようなもの。自分が楽しんだところなど、ほんの表面的なところなのだろう。
「映画史を変える13分」は、巧いミスリード。豆鉄砲を食らったのちに、そうして終わらせたかった監督の想いに温かい気持ちになれる。
親しき二人とキュートな一匹、ハリウッドの闇を斬る!
先鋭的で全方位で、とにかくイケてた『パルプ・フィクション』(1994)。まさかアレからこんなキュートな映画が出るとは思わなかった。
本編の感想自体は、他の皆さんも言っていますが、愛らしくてスゴく優しい。爽快バイオレンス付き(笑)。で、同時にタランティーノの集大成的一本だった!
ドッグファイトは『ジャンゴ』(2012)の頃よりもっと洗練されてるし、制裁場面は『ヘイトフル・エイト』(2015)以上に平等姿勢(要は悪事に男も女も関係無い。まとめて成敗)!止めの地獄の業火プレイは『グラウンドハウス』(2007)を経て(厳密にはロブ・ゾンビのフェイク予告編(『ナチ親衛隊の狼女』)かな)。つまりあらゆる経験値とエッセンスが詰まってた!それはそのままクリフ・ブースとリック・ダルトンに言えること。つまり辛酸を舐めても尚、頑張り続けた人間だけが、刹那だろうと誇れる瞬間、スポットライトにその時当たれる!短絡的なバカカルトには逆立ちしたってまず出来ない(そもそも住所は把握せえ)!
と、色々熱弁したけど、なるべくネタバレ見ない上で見た方がイイと思う。とはいえ多少はマンソン事件を調べた方がイイとも言える。タランティーノの起こした"偉業"をスゴく実感できるから!
最高に贅沢な時間
タランティーノ監督作品に共通しているのは、作中の時間の使い方だ。
ストーリー上あまり関係のないような会話や演出が切り貼りされている。
この時間を"贅沢"ととるか、"退屈"ととるかで彼の作品の評価は大きく変わる。
例えば「ヘイトフル・エイト」では冒頭の馬車が向こうからやってく来るというシーンで5分くらい使っている。この時間は退屈であるか?いや、これから一体何が始まるんだ?あいつは一体何ものだ?様々な憶測が出てくるだろう。そしてそのシーンに流れている曲は、あのエンリオ・モリコーネが本作の為に書き下ろした曲である。
例えば本作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」ではどうだろう?
やたらと車でクリフが移動するシーンが多いではないか。リック邸とスタジオをヴィンテージカー"キャデラック・ドゥビル"、自前のポンコツカー"フォルクスワーゲン カルマンギア"で行き来している。
わざわざ見せる必要のあるシーンか?
3ブロックほどを通行止めにして60年代後半のロサンゼルスを完全再現した街並み。しかも通り過ぎる車全てビンテージカー。(トータルで2000台らしい。。。このシーンの為だけに!!!)
その中を、あのブラッド・ピットが颯爽と駆け抜けるのだ。ラジオからタランティーノセレクトの音楽をガンガン鳴らして。
このように映画の世界で時間を過ごすこと、それ自体に喜びを感じているのだ。
本作はまさにその真髄。あのハリウッドでリックやクリフと過ごすあの時間。その喜びに満ち溢れた愛くるしい作品だと私は思う。
ストーリーは極限まで排除したとタランティーノ監督はインタビューで述べている。ドラマらしいドラマはない。あの日に向けたカウントダウンという緊張感のみというシンプルな構成だからこそ、リックとクリフが過ごすハリウッドの日常、そしてシャロン・テートが過ごすハリウッドの日常が輝き出す。
本作の目玉はハリウッドが誇る二大スター レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピットというキャスティングだろう。接近禁止令が出ていたこの2人だけに、このタイミング、この作品での共演というのが感慨深い。
また、脇役もアル・パチーノをはじめとする名俳優陣で、超一流の演技が堪能できる。イタリアの発音をアル・パチーノがデカプーに伝授するシーンは笑えてくるし、散々マカロ二ウエスタンはクソだ!イタリア野郎め!と吐き散らしたデカプーことリック・ダルトンが、その後の展開で完全にイタリアに染まって帰国するシーンに繋がるから笑って笑ってしょうがない。
そしてあのラスト。やってくれた。やっぱり。
こんなことが出来るのはタランティーノ監督だけだ。
そして、みんな幸せに暮らしました。めでたし。めでたし。と締めくくる。
終わってみれば、リック・ダルトンとクリフ・ブースというキャラクターが大好きになっていた。
最初から最後まで最高じゃないか。
また、すぐ、観たい( ☆∀☆)
一晩経っても興奮醒めやらず。ジーニアス!
漢とバカちんを造形らせたら世界一です( ´_ゝ`)
そしてバカちんには必ず容赦なき苛烈な鉄槌を!
これでこそタラちゃんです。
引退まで後、1本?2本?
撤回して欲しいです。
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