ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのレビュー・感想・評価
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予習が必要と聞いていたのだけど…
予習せず、復習で納得感が上がりましたが…。
毎度のことですが、こんなところに…というぐらいにマニアックさと残虐性?があった。
そして、それなりに楽しむことはできたものの、やっぱり予習しておけば良かったと思った。
ただ、復習後も、理解出来ない挿話もあり、それが得意?の伏線だったのか否か、未だ不明。
多くの方のレビューを参考にさせてもらってます。
ただ、題名のとおり、古き良きハリウッドの昔話なのかも知れません。あまり深く考えない方が良いのかも?
タラの思いと才気たっぷりハリウッド素描
う~ん長い、でも面白い♪
大満足‼️
イイ感じの“下り道”
“下り道”をイイ感じに降りていく2人のオジサンの映画としてむっちゃ良かった。
自分が“落ち目”であることを思い知らされて、「人前で泣いてやるぞバカヤロー」とベソかいてるディカプリオが最高に可笑しくて切なくて、グッと来た。演技をトチる自分にイラつきながらも、自分にやれることをやり切って、それを褒められてウルッとしちゃってるところとか、良かったなぁ。「自分のやりたいことと、自分のやれることの釣り合いと折り合いがついていく様子」っていうのかな、そういうのを映画で見せてもらえると、僕なんかは切なくもホッとするような気がしてグッと来るんだ。
ブラッド・ピットは「正しくモテ終わった男の、余裕の色気」がすごくカッコ良かった。「セックス用の色気じゃない色気」っていうか。実際ブラッド・ピットは劇中でセックスしてないしね。超有能ワンちゃん(ジョン・ウィックの相棒になったらいいのに)とトレーラハウスで暮らしてるんだけど、それが寂しそうでもわびしそうでもない。『運び屋』のクリント・イーストウッドが“老いてなお盛ん”っていうのもカッコ良いけど、本作のブラッド・ピットのノホホンとした“下り道”感には憧れる。
マーゴット・ロビー演じるシャロン・テートは美しく可愛らしく、スクリーンや観客の真ん中、ハリウッドへの“上り道”。
劇中、シャロン・テートと僕ら観客の目線は交わらない。
本作はハリウッドへの夢や希望を抱いたシャロン・テートという特定の人物に感情移入させるというよりは、「華やかなりしハリウッドの象徴」として、みたいなバランスでの描かれ方だったような気がするんだけど、それがなんだかとてもちょうど良かった。
劇場で自分の出演作を観ながら、観客のリアクションに喜ぶ場面がとても素敵だったけれど、それはシャロン・テートの可愛さというよりは、「当時ハリウッドはそういう役者たちが、そういう喜びを味わう場所だったのだ」みたいな印象だった。
“クエンティン・タランティーノ監督の作家性や映画愛”とか、“史実事件へのタランティーノ的アンサー”とか、数多の映画評で触れられてるだろうと思うので、そのへんについてはもう、それらに無条件同意でいいや(いいかげん笑)。「みんな大好きだよね」ってことでまとまっちゃう話(たぶん)。
強いて言うなら「ずっと観ていたい」「ずっと観ていられる」という声がけっこう多かったのが印象的だった。これはホントに、そう。同感。
「あぁ、オレは今“映画”を観てる、そして“映画を観る”って楽しい」って終始感じさせてくれるタイプの作品だったと思う。
それはハリウッドを舞台にした「映画についての映画だから」っていうことじゃなくて、「すっごい映画らしい映画だから、観てる間ずっと「映画観てる!」って実感がある映画」っていう感じかな。だから物語の起承転結にはあんまり関係なく、どこのどの場面観てても楽しいから上映時間160分を長く感じないし、ずっと観ていられる気がしちゃう。僕にとっては最近『COLD WAR あの歌、ふたつの心』がそういう映画だったなぁ。
タランティーノはかねてから「10作品で監督キャリアを終える」と公言していて、本作はその9作目。「あまりに気に入った出来だったから、もうこれで止めにしてもいいかな」と言ってるなんて噂もあるらしい。
タランティーノファンにとっては「んなこと言わずにもっと撮ってよ」って気持ちになるだろうけど、僕はそれはそれでアリだよなって思う。それくらい『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は良い映画だと思ったし、タランティーノ自身にとっては、またビデオショップのカウンターに座って、一日中好きな映画観まくる毎日の方が幸せかもしれない。
タランティーノもイイ感じに“下り道”を進んでるんじゃないかな。
ストーリーはもちろん、時代設定、俳優陣、音楽、何もかもが魅力的で見...
ストーリーはもちろん、時代設定、俳優陣、音楽、何もかもが魅力的で見応えある映画。ラストシーンのバイオレンスは衝撃的だったがタランティーノだからと思うと納得してしまう。1960年代の映画ファンも唸らせるような映画愛が溢れた作品だった。
見てない人はシャロンテート事件予習必須! 予習してるかしてないかで、全くの別物
ラスト!
そう来たかとしか言いようがない。
これはシャロンテート事件を題材にした映画だということで、呑気に進みつつもラストには必ず「死ぬ」という前提があるので終わりが近づくにつれて緊張が増して行く。
にも関わらずなんと「死なない」というまさかのオチ。そんなのあるんかーいと終わったあとポカーンとさせられ、ジワジワとそれが受け入れられたときタランティーノの溢れんばかりのセンスを感じ、この映画についていっぱい語りたくなってくる。
とてつもなく長い前ふりと、登場人物たちが徐々につながっていく様、お得意の長い無駄話、ブラピとディカプリオのニヤニヤしたくなるような関係、落ち目のディカプリオが開眼したときの演技力、ぶっとんでいるのに冷静で強いブラピ、とにかくこんなに豪華なネタがつまった映画はなかなか見ることはできない。
そして最後は全てがつながり安堵で泣きそうになるというこれまでのタランティーノ映画にはない要素まで堪能できる。
楽しい!長いのに、寝不足でも大丈夫!
1960年代のハリウッド事情に詳しいわけでも、タランティーノをこよなく愛しているわけでもない私、予告編やレビューを事前にチェックすることもなくほぼ丸腰で、観る資格なし、と叱られそうですが、しっかり楽しかったです。
長編なのに寝不足で来てしまったけれど、全く問題なし。退屈せず、始終スクリーンの前で「楽しい」を満喫しました。お父さんとお母さんが憧れた時代のアメリカ、ハリウッド。ファッション、街並み、車、邸宅のプール、ファイヤーキングのカップ。目が楽しい。映画史を飾った人々や物事へのオマージュ満載。史実とフィクションの交錯。怒涛のラスト。本当に本当に楽しかったです。
テート事件を知るか否かで評価が分かれる、との意見もあるけれど、私はどちらでもよいと思う。本当にあの時代の諸々に傾倒している方にはご褒美だけど、映画鑑賞のための付け焼刃でwiki情報なら、鑑賞前でも後でもよい。と、思います。
ブラピはやはりかっこいい
俺様はダルトン様だ。
Rick fuckin' Dalton
まず何よりも、第一に言いたい。
子役とのやり取りが本っっっっ当に最高だった。その前後の流れも。
「生涯で一番の演技」だと、たった8年しか生きていない女の子が言うおませ感、それに素直に涙するリックがどうしようもなく好き。
良かったなあ、大人に褒められてももちろんすごく嬉しいけど、子供に褒められると混じりっけなしに褒められている気がして嬉しさ増すんじゃないの。
あとあの女の子、世界一の美少女だと思う。
タランティーノ監督の作品を観てきた人、この時代の映画やドラマを観てきた人、この時代に生きた人、思い入れと思い出のある人たちには、もうこりゃたまらん作品なんだろうな。
所々でグッとくるシーンはあったものの、私はこの映画の大半に着いて行けなかった。
勇気を出してパーティーに参加してみたものの、フロアの真ん中でテキーラ片手に盛り上がる人々を、スピーカーの側でスミノフちびちび飲みながらボーッと眺めているような感覚になる。
「あれなんかこれ私めっちゃ蚊帳の外じゃね?」と気付いてから、もう疎外感に押しつぶされそうになりながら何とか観ていた。長かった…。
ごめんなさい、監督の作品でちゃんと観たのは「ヘイトフル・エイト」だけだし「キル・ビル」は子供の頃観たはずなんだけど記憶が全然無いの。
60〜70年代は生まれてないしその頃の創作物はほとんど観てないの。
西部劇に関しては全く観てないの。
苦手な「古き良き論」じゃないといいな〜なんて思いながら、ろくに予習もせずに観に行ってしまって申し訳ない。歓迎されてなかったのかも。
リック・ダルトンとクリフ・ブース、シャロン・テートをメインに置いた群青劇のようなドラマ。
リックの自己嫌悪と自信の持ち直しに涙し、クリフの二人の友情にニンマリとし、頭の隅に常にあった不安をブチのめす展開に驚く。
散りばめられたコミカルシーンがツボにはまって、よく笑えた。
しかしどうしても乗り切れない辛さよ。
だらだらした会話劇も好きな本筋なら楽しめるのにな〜と、白目剥きそうになりながらスクリーンガン見の161分。
それぞれのストーリーや胸の内を推し量りつつも、たぶんこれはそんな普通な味わい方をするもんじゃないんだろうな〜と考えてまた不のスパイラルに。
最大のポイント、シャロン・テート事件。
冒頭から微かに感じていた不穏を、ゴリゴリに殴りつけグチャグチャに噛み砕き火炎放射でゴーゴーに焼き尽くすまさかの改変。
フィクションって凄いなと、非常に熱く感じ驚愕した。
容赦ないボコし方にテンションも上がる。
頭引っ掴んでガンガン打ち当てるやつ大好き。キュンとしちゃう。
ただ、本当に申し訳ないんだけど、正直、シャロンが襲われなかったことにがっかりしてしまった。
私の中でシャロン・テートは「マンソンファミリーに殺された人」という印象が強すぎて、女優としての活躍を全く知らなかったこともいけない。
この事件をどう描きそこからどんな展開を用意してくれているんだろうと楽しみにしていたので。
明るく楽しく生きる彼女を観ながら、でもこの後悲劇が起こるんだよなと思うことで、ホラー的感覚になって不謹慎ながら若干ゾクゾクしていたので。
悪趣味で申し訳ない。
まさか事件そのものを無かったことにするとは思わなかった。
ヒッピー襲来→シャロン死亡→巻き戻し→書き直し→リハーサル→ヒッピーボロクソ→ハッピーエンド!的なやつを勝手に期待してしまっていた。
いやちゃんと本編のあの騒動を興奮しながら観ていたけど、肩透かしを食らったような気分もあって。
この映画と私の根本が全く噛み合っていないことをひしひしと実感させられて悲しい。
同じ感覚を持てないことがひたすらに寂しい。
ただ、監督が昔の映画も今の映画も他人の映画も自分の映画も大好きなことはがっつり伝わってきた。
映像の質感も、NGを挟み込んだ劇中劇も、役者やプロデューサーとの会話も面白い。
ラストシーンの邂逅はあまりにも胸熱。
あとで人からこの映画のポイントや小ネタを少し教えてもらって、ほぉーそうなのかぁーという気持ちになった。
いくつか過去作もおすすめしてもらったので順々に観ていかないとな、と思う。
いつか何年か後にでも、タランティーノ作品を制覇してからこの作品を観たら絶対に感じ方が変わってくるはずでしょう。その時が楽しみだな。
今生きているこの時代も、何十年か後にはノスタルジックに映画として描かれるんだろうか。
どんなものがどんな人が象徴として登場するんだろう。まずはスマホかな、発展するSNSとコンテンツの多様性。タピオカなんかも入るかな、海外だったらレディーガガ、日本なら嵐かしら。
むかしむかし…と始まるタイトルだけど、妙に未来のことを考えさせられる映画だった。
昔とは比べものにならないほど選択肢が増えているこの時代。
このまま増えたとして、最初に廃れる文化はなんなんだろう。どうか映画ではありませんように。いつまでも映画館が残りますように。
私自身の未来も他人の未来も映画の未来も気になる。やっぱりあと300年くらいは生きていかないとダメだな〜。
ふむふむ
長すぎる、面白かったらいいけど…
懐かしい音楽が楽しめる
俺はこの作品を支持する
タランティーノが良作を撮った時の感じ、ウィスキーを嗜む時のような、情緒ある町を散策しているような、そんな雰囲気を嗜む映画に仕上がっている。
しかし、この作品。何を伝えたいのか、話がどこに向かっていくのか分からないと感じた人も多いのではないだろうか。その通りだと思う。この作品は物語を伝えることを目的としていない。タランティーノ自身の幼い頃の心象風景を彼のスタイルで映画化している。
この作品を見てタランティーノが改めてどういうタイプの映画人なのか分かった。彼はアクション、ホラーと言ったジャンル映画を娯楽として作れる職業監督では無い。
映画、テレビ、そして60〜70年代アメリカの大衆文化を引用しながら彼の気持ちを映画という形で表現する作家なのだ。アンデォーウォーホールに似ていると言えば良いか。
これまでの作品もそうだが、元ネタの映画引用の方が先行してしまいそれが伝わりにくかったのかもしれない。本作はタランティーノの映画が非常に個人的な作品なのだと分からせてくれた。
ここからはガッツリネタバレになります。
この作品を見て「殺人者はライフルを持っている」という映画を思い出した。ネタバレしてしまうが狙撃で連続殺人を行う男を下り坂のロートル俳優が一括して捕まえるという話だ。狙撃手の殺人鬼をマンソンファミリーに置き換えたらまんま本作である。
しかもこれらの悪魔をどのように成敗するかというと、かつてスクリーンで活躍したヒーロー達に戦わせるのだ。日本で言えば過去の仮面ライダーや戦隊ヒーロー俳優(10〜20年くらい前の特撮作品で活躍した俳優の立ち位置だと思えば本作の感じに近いか)が実際に殺人鬼と戦うイメージだ。
イングロリアスバスターズ(以下、イングロ)では映画という武器で戦っていたが本作の武器は映画の中、偶像の世界そのものである。
本作が秀逸なのはラスト。イングロ、ジャンゴと歴史上の悲劇を虚構の中でだけでも救ってきたタランティーノだが、今回はシャロンテートを救った。すごく悲しいけど少しだけ温かく思える不思議な感覚。インターホンから聞こえるあの声が現世から発せられている気がしない。あの門が現世とあの世を隔てるように思え、ラストシーンはディカプリオがあの世に遊びに行ったように映るのだ。
この映画は他にも魅力が溢れている。ディカプリオ演じるリック・ダルトンだ。全盛期を過ぎたスターが自身の現状とプライドの狭間でもがくというキャラクター。悲壮感が漂ってもおかしくない役なのだがどこか抜けていて憎めない。普通の映画なら彼が困難を経て今の自分を認めてこれからの人生と向き合えるようになる、という流れだが本作では普通のストーリーテリングを捨てているのでリック・ダルトンは自己への一括で最高の演技を見せる。そこから何か自信のようなものを得てイタリアへ行く。この一見、普通の映画っぽくない流れ、リック・ダルトンの変化のきっかけが無い所が逆にリアルだと思った。そして彼が外部からの影響無しに自力で復活したことが、彼の強さやなんとなく魅力的に思えた。
対してブラッドピット演じるクリフブースだが彼は刹那的に生きすぎてて俺はあまり乗れなかった。この役はイングロでブラピが演じたアルド・レイン中尉が復員したその後を描いているようにも思えるし、ブラピが演じているから画になっているが極限の修羅場をくぐってきた彼が現世でごちゃごちゃやってる人間を突き放して見ているような気怠さ、いつでも躊躇無く人を殺せる冷たさがあまり好きにはなれなかった。(カートラッセルも嫌ってたし(笑))
ただ、彼がスパーン牧場を訪れる場面、ここは本当に怖かった・・・。タランティーノ、ホラー演出出来るんじゃん!とビックリした。あそこの異常性、緊迫感は秀逸だった。
ただ女性に暴力振るうのはどうかな。
しかし、そういえばタランティーノは女性にキレる。パルプでもジャッキーブラウンでも女性にキレてたし、デスプルーフ、イングロ、ヘイトフル8ではボコボコにしていた。(キルビルなんて女性に暴力振るうのが目的みたいになってたし)
現実で行えないことを虚構の中でやり放題するのがタランティーノのなのかも。
と思えばタランティーノは人の尊厳を犯す者を徹底的に映画の中で罰してきた。それはデビュー作から一貫している。そして虚構の中だけでも被害者を救い、福音を与えてきた。
そんなタランティーノの作風が最も表れている作品だと思う。
次はタランティーノの10作目。彼が引退を公言している作品だ。
彼が自分の人生最後の作品を撮るならば、やはり主演はティムロスでお願いしたい。
史実を知ったら、つながった
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