劇場公開日 2019年8月30日

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「「あ、ここ好きだな」と思う部分が見つかる、感情豊かな名作」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド たいちゃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「あ、ここ好きだな」と思う部分が見つかる、感情豊かな名作

2019年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットのW主演。
さらにはアイ・トーニャで一躍名を馳せたマーゴット・ロビーも続いて挙がってくる豪華な布陣の本作。
そんな中で本作がスクリーンデビューの子役、ジュリア・バターズ。
見た方は彼女の名前を覚えることになるでしょう。とんでもない演技と存在感を見せてくれます。

文句のつけどころは結構ある作品です。長いし。
けれど、それらの不満点もひっくり返せば好きになってしまう要素に満ちています。

今は落ち目の元スター俳優、それがレオナルド・ディカプリオの演じるリック・ダルトン。ちょっと情けなく、不安定なところもある彼ですが、そこがまた魅力的に映るから素晴らしいものです。
そんな彼には過去、こんな存在感があったんだ。こんな名作に出てたんだ。
普通ならば周囲の反応でそれを示す程度に収まる部分ですが、本作ではがっつり見れます。
おいおい、本筋はどうしたなんて思ってしまうかもしれませんが、そのシーンがどれもこれも面白いんです。この作中作も見たいよ、撮ってくれよタランティーノと自分はなってしまいました。

もちろん、スタントダブルであるクリフとのバディっぷり、シャロンの華やかさ、もうすっかり好々爺の似合うようになったアル・パチーノ演じるマーヴィンのエンタメ好きっぷり、先述のジュリア・バターズの怪演などなど本作には見どころたっぷりです。

161分と長めの上演時間ではありますが、きっとその中で「あ、ここ好きだな」と思える部分が見つかるはずです。
緩やかに流れる時間を楽しむことも、ジェットコースターのような勢いを感じることも、緊張に息を飲むことも、腹を抱えて笑いそうになってしまうことも――とにかく、この作品にはいろんな楽しみが詰まっていました。
きっと、タランティーノもそんな風に楽しんで撮っていてくれればいいなと思います。

たいちゃ