劇場公開日 2019年8月30日

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「1969年のハリウッドとシャロンへのラブレター」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)

5.01969年のハリウッドとシャロンへのラブレター

2019年9月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ディカプリオ演じるスターと友人のスタントマンのブラッド・ピットたちの奮闘を軸に狂信者に命を奪われた、女優シャロン・テートの運命の日をいかに迎えるかを描かれている。

悲劇の女優シャロン・テートを、映画の中だけでも救いたいと構想された、タランティーノのラブレターのような作品。

当時の音楽や街頭のクルマやファッションなども凝っていて1969年にタイムスリップ出来ます。
加えて当時のテレビドラマや映画のディテールを踏まえネタにも歓喜の一言。流石タランティーノ。

2大スターもさすがの貫禄と存在感。

落ち目スター複雑な感情とユーモアを見せるディカプリオとクールで腕っぷしの強いスタントマンのクリフを演じるブラッド・ピットが、キャデラックを縦横無尽に疾走させるシーンなどは映画に躍動感を与えている。

シャロン・テートの無邪気な雰囲気を、予想以上のハマり具合で演じるマーゴット・ロビーが、映画館のスクリーンで、シャロン本人と邂逅する奇跡。

タランティーノ特有の暴力を狂信者に対して容赦なく描いているが、現実のシャロン・テートの受けた苦しみや暴力に比べてたら、これは映画からのささやかな報復だと思う。

今年亡くなったルーク・ペリーの西部男の出立ちにも感銘を受ける。

静かで感動的なエンディングとチョットしたネタのオチなど、ともかく楽しめるので、映画ファン以外にも是非オススメ。

ミラーズ