「映画の好みはそれぞれ、だけど」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド たまねぎ なきおさんの映画レビュー(感想・評価)
映画の好みはそれぞれ、だけど
この映画は最高峰だと思うが同時にマニア要素が強い。
自分でこの映画のどの部分が素晴らしいのか分かる人でなければ、退屈で仕方ないだろう。
とはいえ、脊髄反射的に ただカッコいい映画
!という評価もありだし
あのシーンはアレで、このカメラワークはどうたらというウンチク的評価もありだと思う。
要するに、
映画はカメラワークと構図、際立ったキャラクターさえいれば充分成り立つのだと改めて証明されたような気持ちだ。
ラストあたりのプールの場面は思わず拳を握るほどイケてるし笑える。
映画産業も衰退したハリウッドに、もう一度活気を与えるかも知れないような傑作でした。
余談 多少ネタバレ
マンソンファミリーについての話を深く掘り下げてる人もいるけれど、やはりこの映画の核心は『映画とは』という部分であって、
マンソンファミリーは話に起伏をつけるオマケに過ぎないと思う。
あくまで想像ですが、監督が
華やかで活気付いていた60年代ハリウッドを舞台にしようと考えた時に、華やかな時代に水を差したマンソン事件という負の遺産は避けて通れなかったのでしょう。
イカれたヒッピーの言い分はこうだ↓
『人殺しを演じている役者のせいで人殺しが発生する!だから、私が役者を殺す!私は正しい。』
誰がどう聞いてもおかしな理屈だが、それでも未だにマンソンファミリーを支持しているファンは世界中にいる。
監督はこの負の遺産に対して、
『じゃあ、お前らの理屈に乗っ取って、人殺しのお前らをオレがぶっ殺しまくってやる。映画の中でな!』
という、平和的かつ皮肉たっぷりな反論で笑いとして返した。
というのが、僕の見立てです。
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