劇場公開日 2019年8月30日

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「コメントしづらい映画」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0コメントしづらい映画

2019年9月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

難しい

タランティーノといえば、「レザボア・ドッグス」や「キル・ビル」「ヘイトフル8」などの暴力シーン。グロさ加減に警戒しながらの鑑賞だ。
情緒不安定で落ち目の俳優リック・ダルトン役のレオと、その友人で専属スタントマン兼付き人のクリフ・ブース役のブラピ。抜群の存在感がある2人だけに、それだけで画になるのは確かだ。
小説の前書き風の説明が入った後で、物語の深みはあまり見せず、それぞれの行動を淡々と追って話は進む。この映画には、3つの軸がある。1つはレオ+ブラピの2人の物語。2つ目は、シャロンテート事件をなぞった物語。最後はタランティーノが好きな映画のおもちゃ箱。話の展開には、ほとんど関係ない最後の軸が、1960年代のハリウッドをイメージさせて、なんだか憎めない映画に仕上がっている。「大脱走」のマックィーンをレオが演じる合成シーンや、パーティでマックィーンの登場するシーン(似てた!)は、年代的に感激だ。売れる前のブルース・リーがブラピとファイトしたり、プロモーター役にアルパチーノが扮するなど、当時と現在が、ごちゃ混ぜになっていて、これは楽しくてしかたない。
そうした遊び(?)に付き合いながら、主題であるシャロンテートの事件の背景をなぞっていく。2人の話と事件の関係は最後までよくわからない。賛否両論あるラストだし、これはなんともコメントしづらい。出来が悪い訳ではないけれど、なんと評していいやらわからない、と言うのが素直な感想だ。

AMaclean