劇場公開日 2019年8月30日

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「キャラクターが全員魅力的」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0キャラクターが全員魅力的

2019年9月1日
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クエンティン・タランティーノ監督作品は、どちらかというと「苦手」なモノが多い。

スクリーン上では人がバンバン死んで、客席ではそれに親指立てて歓声が上がる、みたいな共犯関係に巻き込まれる感じ…というのが一番近いだろうか。

でも、今回の作品は随分と違っていた。
結論から言うと、すごく好きな作品だった。

延々と描かれる俳優達の日常。
物語の本筋とすべてがリンクするとは思えない小さなエピソードにも結構な時間がかけてある。
その結果の161分という長い上映時間なのだが、全く長さを感じなかった。
理由はいろいろあるんだろうけど、まずはこの映画での1分1秒が「あの日のあの事件」へ向かって流れていること、いわばこれはすべてカウントダウンだと事前情報として共有されていることが一つ、そしてやはり大きいのは、登場人物のすべてがとても魅力的であること。

もう一つ今回好きだったのは、映画全体がシャロン・テートだけでなく「俳優」という仕事全体への優しい眼差しに溢れていたこと。これは、結果的にあのバイオレンスシーン、そして主人公リックが迎えるラストシーンの感慨の増幅にも一役かっている。
その意味では、私の苦手な「バイオレンスで親指立てて歓声があがる」ことを免罪している気もする。
(まあ、個人的にはやはり眉根にシワを寄せてしまうシーンだったが、後ろに座っておられた老夫婦は大笑いされていたので、そういう事なんだろうと納得した。)

いつも通り、音楽はノリノリのオーデルディズでメチャメチャカッコいい(今回は特に有名な曲が多かった)。

とにかく、愛に溢れた映画だった。

特に女性のキュートさと来たら。
今回のシャロン・テート、子役の女の子、ヒッチハイクのヒッピー娘、マンソンファミリーの一人ひとりに至るまで、みんな最高に魅力的。
レオナルド・ディカプリオは最近ものすごく味のある俳優になったね。今回もすごく良い。
ブラッド・ピットは過去最高くらいカッコ良かった。

キレンジャー