劇場公開日 2019年9月13日

  • 予告編を見る

「これからは必要とされる仕事なのかも。」みとりし talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0これからは必要とされる仕事なのかも。

2023年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

映画館や自宅でではなく、一般社団法人日本看取り士協会が評論子の地元市で開催した上映会で鑑賞した一本になります。
主催者からして「お仕事の喧伝映画か?」という不安も、最初はありましたが、前段に地元市の市民活動センターの所長のあいさつもあり、作品自体も、公益社団法人日本医師会の後援をもらってもいるようでした(エンドロールに記載あり)。

まだまだ一般には知られていない仕事と思いますけれども。
それでも、職業としての認知度が上がれば、一定の需要がある仕事にはなると思います、評論子は。

それは、つまり医師は患者としてのお年寄りの「病気」という部分を診ること、介護士は「介護」という物理的な部分を受け持つことにそれぞれ役割の主眼が置かれているとすると、患者(お年寄り)の精神面での「寄り添い」(傾聴)を主たる役割として受け持ってくれる役回りの人は、今の時点ては存在していないと思うからです。
医療従事者でもない看取り士にできることは限られて来るかも知れませんが、反対に「医療従事者・介護従事者がなすべきこと」以外のことは何でもできると考えると、その職分は未開拓の故に、これから実際に看取り士として活躍しようとする人達の双肩にかかっているとも言えそうです。

(作品の冒頭でも「お断り」の字幕が出ますが、実際には看取り士が車椅子を押したり、介助のようなことをすることはないそうですが、作品の中では、おそらくそれは「相手方への寄り添い」を表現する映画製作上の脚色だったようで、上映後の関係者の解説でも、あくまでも「寄り添い」であることが強調されていました。)

そういう意味では、決して看取り士のという仕事の喧伝映画にとどまるものではなく、面白い(考えさせられる)一本だったと思いました。評論子は。

映画作品としては、良作としての評価が相当と思います。

talkie