みとりしのレビュー・感想・評価
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これからは必要とされる仕事なのかも。
映画館や自宅でではなく、一般社団法人日本看取り士協会が評論子の地元市で開催した上映会で鑑賞した一本になります。
主催者からして「お仕事の喧伝映画か?」という不安も、最初はありましたが、前段に地元市の市民活動センターの所長のあいさつもあり、作品自体も、公益社団法人日本医師会の後援をもらってもいるようでした(エンドロールに記載あり)。
まだまだ一般には知られていない仕事と思いますけれども。
それでも、職業としての認知度が上がれば、一定の需要がある仕事にはなると思います、評論子は。
それは、つまり医師は患者としてのお年寄りの「病気」という部分を診ること、介護士は「介護」という物理的な部分を受け持つことにそれぞれ役割の主眼が置かれているとすると、患者(お年寄り)の精神面での「寄り添い」(傾聴)を主たる役割として受け持ってくれる役回りの人は、今の時点ては存在していないと思うからです。
医療従事者でもない看取り士にできることは限られて来るかも知れませんが、反対に「医療従事者・介護従事者がなすべきこと」以外のことは何でもできると考えると、その職分は未開拓の故に、これから実際に看取り士として活躍しようとする人達の双肩にかかっているとも言えそうです。
(作品の冒頭でも「お断り」の字幕が出ますが、実際には看取り士が車椅子を押したり、介助のようなことをすることはないそうですが、作品の中では、おそらくそれは「相手方への寄り添い」を表現する映画製作上の脚色だったようで、上映後の関係者の解説でも、あくまでも「寄り添い」であることが強調されていました。)
そういう意味では、決して看取り士のという仕事の喧伝映画にとどまるものではなく、面白い(考えさせられる)一本だったと思いました。評論子は。
映画作品としては、良作としての評価が相当と思います。
命のバトンを渡す
榎木孝明扮する部長柴久生は、踏切で生きろと言った声が聞こえた。同期が亡くなり後がまとして名古屋支店長として栄転の話があったが、久生は会社を辞めようと考えた。同期の墓参りに行ったら看取り士なる人に出会った。
看取り士って初めて聞いたね。医者でも看護士でもなく末期患者にひたすら付き合う。家族でも大変な時を仕事にするなんてね。天涯孤独の方にはいいかもね。でも本編に出て来る治療は行わないと言われて断末魔の声をきかせられても困るよね。命のバトンを渡す。どんどんわがままになっていく人に寄り添うなんてこりゃあ大変な仕事だな。
死と向き合う強い気持ち
他人の死に立ち会う主人公たちの強い気持ちと優しさ・慈しみに感服。
ここ数年で相次いで肉親を失ったが、事情あり付き添えず、悔恨と無念を思い出してしまった。旅立ちを感じさせるように穏やかな表情に、死に直面する悲しさだけでなく、温かい気持ちになった。亡くなった肉親も、映画のように、安らかに死を迎えてくれたと信じたい。
看取り士という職業ではなく寄り添うということ。
看取りは命の最期をその人らしい迎え方をできるようお手伝いする方である。
それは職業ではあるが、生き方そのものと言ってもよいだろう。
まだ認知度が低いのでいろいろ誤解されるところは多いだろうが、これから広がっていくのではないだろうか。
看取り士を知れて良かった。
現代社会において、看取り士という職業を通じて死を考える映画。
素朴な看取り士さんが、誰もが迎える他者の家族の死という人生の岐路を様々な形にて映し出し、共に受け入れる。
両親や最愛の人の死を味わった事の無い私にはいつか迎える話であり、その時が来たらどうあるべきなのか、どうするべきか、ヒントになる様な映画でした。
(看取り士さんを利用するかしないかは別として)看取り士さんを知る上で、こういう職業もあるんだと知れて良かったし、(私的には今の職業もそうですが)お金云々より人と触れ合い、人の為に仕事をしたい人には榎本孝明さんが演じた役の様にセカンドライフとしては良い職業だと思いましたし。
(私もセカンドライフに余裕があったらやってみたい☺️)
私的にあまり陽が当たらない職業をピックアップし映画化してくれる作品好きです。✨
【死に、心優しく寄り添う人たち。と、様々な死の在り方。】
影響を受けた書物は数知れないが、今作に似たテーマの本で
青木新門著 「納棺夫日記」がある。
それまで、死が身近になかった私には衝撃的な書であった。
その後、祖父、祖母は天命を全うしたが、私は有難いことに身近な死を殆ど経験していない。
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柴営業部長(榎木孝明)は、疲れた顔をして踏切に向かい、一歩足を踏み出そうとしたその時・・・
この後、”みとりし”になった柴の下に、新人看取り士(高村みのり)がやって来る。
又、町唯一の病院にも、同じタイミングで早川奏太もやって来る。
そして、二人は様々な死に直面する。
悩みながらも成長していく二人。そして彼らを見守る、柴たちベテラン看取り士たちや病院スタッフ。
冒頭記したように、私は今まで身近の死の経験値が低い。
それが、全ての理由だとは言わないが、今作を観た際の率直な感想は、少し辛口なものになる。
多数の死を、次々に扱っているからかも知れない。
音楽が、大仰なのも気になった。
<だが、”身近な死を、最近経験した人”が観れば、大きく見方が変わるかもしれないなとも思った作品である。>
残念。
レビューの評価が良かったので
期待したのですが、正直 少し しらけてしまいました。
「全ての人が愛されていると感じられるように」と言っているわりには、一人で亡くなった男性へのフォローは とてもプロとは思えない対応でした。訪問看護やヘルパーであっても 毅然として もっと別の対応を指導されると思います。
世の中には ああいう困った人もたくさん居るのが現実です。
仲間うちで 褒めあって 身内で 甘いレビューをし合っている映画なのではないか?と感じました。
手厳しい感想で 申し訳ありません。
最後の方、ガンで亡くなる女優さんも、眉毛ぐらいは すぐ生えてくるので、全部抜いて、
もう少し 本気さが欲しかった。
メインの看取り士を演じた男優さんと 若い女性は とても良かったと思います。
身内には、研修を厳しく行って
本当の意味で、やさしく やさしく やさしくを実行出来る、より良い看取り士が 世の中に増えて欲しいと思います。
死生観の大切さ
生きるって何だろう?
死ぬって何だろう?
愛って何だろう?
あまりにも忙しない日々でこんな大事なことをすっかり忘れていました。
人は人に大切に想われることで幸せだと感じる。
でも人との距離がどんどん離れている現代社会では、むしろ人を疑ったり責めたり無視したりする事でちっぽけな自分を必死に守ろうとするばかり。
でもそれって裏を返せば自分に自信がないから、人を見下そうとしてるだけなんですよね。
それをやればやるほど孤立を深めて孤独になるだけなのに、そんな自分を止められなくなるのに。
この映画はそんな悲しい現代社会で、最期を温かく迎えるためのヒントをたくさんくれました。
上映はあとわずかのようですが、全ての人に見ていただきたくなる作品でした。
こういう作品を沢山の映画館で上映して欲しい。
とても素晴らしい作品でした。
【看取り士】と言う淡々とした中にも暖かい心がある仕事を初めて知りました。
主演もし、制作にも携わった榎木孝明さんの優しいお人柄も伝わってきました。
死生観に関わる作品は、役者さんの【人と成り】が如実に現れるのだなと実感。
こういう良質な作品は、もっともっと上映館を増やして欲しいです。
映画にも出てきた、アップルパイが食べたくなりました(*^^*)
余談ですが…
昨年、コロッケさんが【おくりびとまがい】の映画を主演されていましたが、最低最悪でした(>_<)。
役者でもないタレントの演技は、死生観を舐めてるようでとても腹が立ちました。
地味だけどちょっと泣ける良い映画❗
星🌟🌟🌟🌟最初は看取り師の紹介映画かと思ったのですが差にあらず…ちゃんとしたストーリーで看取り師の必要性を紹介したうえで患者さんと看取り師の関係を上手に描いている内容的にもちゃんと観れる作品でした❗特に櫻井淳子さんの演技には思わずウルッと来てしまいました❗良い作品でした❗
看取り士の宣伝映画ではない。
結論から言うと
看取り士を紹介する映画ではありません。
どうしてもタイトルに惑わされがちですが
これから観る人は本質を捉えてみてください。
私が言うのもおかしな話ですが
原案の柴田久美子さんが言い続けている
「すべての人が最期、
愛されていると感じて旅立てる社会づくり」
とにかくこれに尽きる映画だと思います。
看取りの文化が失われてしまった現代は
たまたま看取り士がそこに必要なだけで
本来旅立つ方の尊厳が最期まで守られ、
願いが叶えられ、愛に囲まれてさえいれば
看取り士の有無は関係ないのです。
つまりタイトルが「みとりし」なのに
『看取り士っていいでしょ』
『資格を取ってみたくなるでしょ』
『頼んでみたくなるでしょ』
なんて言う気がなく、
ただひたすらに目の前の命と向き合い、
逃げることなく支え、尊厳を守ってほしい。
そして愛情をもってそばにいてほしい。
たったそれだけで命の終わりも輝くから。
そんなことを伝えてくれる映画です。
私は映画をそんなに見る方ではないので
これが正しいかどうかは確約できませんが
【無音】がとても多い映画だと思います。
でもそれは間延びする【空白】ではなく
メッセージ性を持たせた【空間】です。
呼吸の音、所作、心の動き、そして愛。
看取り士からのメッセージがつまっています。
この不思議な没入感は
劇場でしか味わえないかもしれません。
たった2時間で一生が変わるかもしれません。
是非時間をつくって
劇場まで足を運んでみてください。
死生観と向き合う映画
死の場面に立ち会うことで その方の来し方や思いが浮き彫りになることはよくあるけれど 最期の貴重な時間を 果たしてご本人の希望通りに過ごせているんだろうか 気持ちよく過ごせているんだろうか
この映画では そんな場面がよく描かれていて 疑似体験できる
そして 自分が送る立場なら 又 送られる立場ならどうだろうか と本気で考えさせられる
でも 重くはなくて 温かく爽やかな印象が残る
愛ある最期を願う 愛ある映画だと思う
今までにない職業 看取り士に期待します
静かに寄り添う
淡々と描かれている旅立ちというテーマに
静かに人に寄り添うとは
こういうことを言うのではと
看取り士と言う仕事に
とても興味を持ちました。
俳優さん達の演技に引き込まれて
涙が溢れてきました。
でも見終わった後に、決して重くない。
白羽監督の撮り方にも、
とても興味が湧く作品。
大切な人と見に行って欲しい1本。
寄り添うことの難しさとありがたさ
ただ寄り添うだけ、でもそれが難しい。肉親が死期が近づいたときさえ、どうしていいかわからずオロオロしてしまう。
難しいかもしれないけど、死に行く人にきちんと寄り添ってくれて、見送る人たちをきちんとサポートしてくれると、心穏やかに逝き、送ることができるように思う。
自分の死にざまや送りざまについて考えさせられた作品でもありました。
長く生き続ける秀作
榎木孝明さんが主演され、14日には、二度舞台挨拶があるので、行ってみました。想像以上に、すてきな映画でした。穏やかな空気感。過剰な演出はなく、特に、榎木さん、村上さんは、素で演じているかのような、見事な演技でした。村上さん、すごい!脚本も細やかで、白羽監督の静かな情熱と真摯な思いが伝わってきました。
万人に観て欲しい映画
難しく考えることなく、
「死」「痛み」「温かみ」「優しさ」「誰しも感じる生きることへの不安の共有」などを感じてもらえる映画だと思います。
臨終には立ち会えませんでしたが、「線香の番」をしながら温かく想い出にふけった祖母のお通夜の晩を思い出しました。
涙しながらも温かく清々しい気持ちにしてもらえました。
良い作品をありがとうございました。
『死』のイメージが変わる
死を考えるとめっちゃ怖いから、何年もの間避けて見ないように聞かないように考えない様にしていたけれどもふとした事でこの映画を見ると、何だか思考や今後の生き方までも変えていきたいっと思えた映画でした。
見ている時に、泣きまくりました。
悲しいとかじゃない涙で・・・『死』は怖くない事や、触れてもいいの?、考えてもいいの?
今まで、知らなかった事や埋めれなかった感情などがパズルのピースみたいに埋まりました。
見て良かったーーー!
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