銃のレビュー・感想・評価
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白黒演出で評判が難しい
村上虹郎さんのための映画だと思いました。退屈そうな日常から徐々に狂気に染まっていく感じに引き込まれました。
白黒したのには理由があるのだと思います。詳しく言うとネタバレになるので避けますが、やっぱりそういうことか、、、という感じでした。白黒での表現なので、衣装が白かったり黒かったり(当たり前ですが)、それにも意味があるのだと思います。
ただ、やっぱり白黒には慣れていないので疲れました。見にくい感じもあります。
退屈と言ってもいいくらいで、眠くもなりました。
白黒演出は、とても文学的な感じですし、虚無感や狂気がの表現が巧みとも言えます。最後の15分のために必要だったとも言えます。それでも見づらさもあるので、どっちを考えるかによって評価が分かれそうです。
ラストの15分はかなり引き込まれましたし、最後は「マジか、、、」と思いました。そして美しいかった。
村上虹郎さんに当て書きされたように感じるくらい、村上虹郎さんの映画だったととも思います。
どこか共感できる狂気
なぜか懐かしさを感じる映画
思考実験的な意欲作
予告編のとおり、コルトパイソン357マグナムという強力な拳銃を拾った若者が、銃によって変わっていく姿を思考実験的に描いている。主人公の行動の描写のそこかしこに本人のモノローグを挿し込むことで、努めて冷静で客観的であろうとする理性と、拳銃という強力な暴力装置を手にしていることの情緒的な不安定さを対比させている。
拳銃は所持しているだけで罪に問われるから、警察官を見ると、所持がばれて罪に問われる可能性が頭に浮かぶ。一方で、急所に向けて発砲すればほぼ確実に致命傷を負わせることができるから、クズみたいな人間を見ると、撃ち殺してしまおうかと思う。いずれも平静でいるのは難しい。
逆上がりが出来るようになった子供は、何度も逆上がりをして見せる。人間は何かが出来るようになると、それを試してみたくなるのだ。よく切れる刀を手に入れれば辻斬りをしたくなるし、強力な拳銃を手に入れれば威力を試したくなるものなのである。
村上虹郎がなかなかいい。人を殺せる武器を持っているという不気味な自信を持ったり、撃てば弾がなくなるし、人に見られたらただでは済まないことを考えて苛ついたりする振れ幅を上手く表現している。拳銃を撃ちたいが撃てない、持っていることを言いたいが言えない。拾った拳銃を冷静に管理出来るつもりが、いつか拳銃に振り回されるようになってしまう。
拳銃というのは素手に比べれば強力ではあるが、実はあまり大した武器ではない。なかなか当たらないし、急所を外せば反撃される恐れもある。圧倒的に勝つためにはもっと強力な武器が必要だ。そこで武器開発のエスカレーションが始まる。機関銃、グレネード、ロケットランチャー、大砲、戦車、戦闘機とエスカレートしていき、最後には核兵器に辿り着く。
これまで人を殺傷する目的で核兵器を使用したのはアメリカだけだが、核兵器を持っている国はアメリカ以外にたくさんある。それらの国が、逆上がりが出来るようになった子供のようにならない保証はない。目的も使命もなく生まれてくる人間とは違って、武器は人を殺すために生み出された道具である。持っていると、武器の目的に人間が影響されてしまう。トランプが北朝鮮に対して核兵器のボタンの大きさを言うのは、チンピラがポケットの拳銃をちらつかせるのと同じレベルである。何かあれば引き金を押すのだ。
コルト社はアメリカの銃器メーカーで有名なゴルゴ13の愛用するM16というライフルを製造している。今年の春にフロリダの高校で起きた銃乱射事件ではM16の民間用であるAR-15が使われた。乱射した19歳の犯人がライフルを手に入れなければ、17人も死ぬことはなかっただろう。銃が人間を狂気の行動に駆り立てたのだ。
いまはまだ起きていない核戦争だが、人類が核兵器を所持している以上、この先いつ起きてもおかしくない。核兵器は大量に人を殺戮する目的の道具だからである。道具はその目的によって人間を支配する。
好きになれないけど面白かった
残念だが不完全燃焼に終わった
渇いた雰囲気漂わせるB級映画だが。
魅せるエンタメ性は無く、初期の塚本晋也風で、ちょっとこんな撮り方したらどうよ感が空回り。少しひいた状態での撮りでエキストラ的な人物達の会話もわざわざ入れ、こいつらにも何かあると思わせて、結果的に大した役割で無かったという思わせぶりも多用するとちょっとシラケる。さらに、ほぼモノクロにして何の意味がある?。で最後に、あ、ここでカラーねって、いやいやそれ程効果無いって。モノクロにした事で、携帯のLINE文が見えにくく、エロいシーンも残念な事に。さらに、クレジット中の電車内音含め、思わせぶり&狙い過ぎが観ててシンドかった。
リリーフランキー使えば、そりゃ多少の良作に見えますわ。さらにカラーだったら、も少し好評価かな。
over dose
人を殺すとね、普通の理性ではいられないそうですよ。
ある時偶然に拳銃を拾うところから物語は始まる。モノクロの画面が、この話は現実離れした出来事だから心配しなくいいよ、と語りかけてくるようだ。しかし、拾った西川を演じる村上虹郎の熱量が、いやもしかして現実?の気分を起こさせる。虹郎はべつに過演出の演技をするわけでもないが、彼独特のたたずまいがなにか不穏さを醸し出してきてたまらなかった。
その彼が、徐々に大胆になっていく。まるで、柵のない崖の際で、どこまで端っこに立っていられるかの狂気を味わうように。そう、それは妖刀を手にした素浪人のようだ。そして、ようやくそのざわめきに慣れてきた頃に、今度はリリーフランキーがやってきて、無事で済みそうな空気をまたぐりぐりかき回し始める。警官、アリス演じる女学生、隣の母親、トースト女、ああ、もしかしたらこの誰かを、誰かを、誰かを、、、。息が詰まったところでのラストシーン。おいおいこの人だすかよ、とニヤけるが、それもつかの間。ああやはりそうなるか、そうなるよな、やはり。やはり。
いいように感情を振り回された映画だった。
舞台挨拶付き。山本耀司氏(かな?)の服をまとって登場した村上虹郎は、まさに何度も職質をされそうなファッション。そのいで立ちとは対象に、檀上の彼は終始ほかの共演者を気遣う好青年だった。あのタイプは、先輩から可愛がられ、女にモテる。
ただね、はじめ弾倉を確認したときに、6発全部詰まっていたよね?それはないでしょ。一発撃って死んでるんだから。
【追記】
・・・と書きました。が、コメント欄でご指摘いただいたように残るそうです。知りませんでした。厚顔にも人に言うところでした。勘違いに気をつけましょう。(なので、ネタバレ解除。☆追加)
どんどん狂っていくのに、怖くなかった
曖昧な線引き
ずっと張り詰めた空気感が漂い、目が離せない!
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