「【リベンジ＋AI対人間】」アップグレード　abuさんの映画レビュー（感想・評価）

予告どおり、“殺害された妻の復讐のため、AIと共に立ち上がる”物語として始まる。そう思わせる導入で物語は進むが、ここからが ブラムハウスらしい「知恵と工夫、低予算でもアイデアで勝つ」真骨頂。見たことのない着地を見せる。

「マトリックス」「マイノリティ・リポート」「ニーガン」といった、人間対テクノロジー／権力の既視感を踏まえつつ、本作は“AI × 復讐”を別角度から描く。誰が主導権を握るのか、復讐は本当に救いになるのか、人の“幸福”の行き着く先はどこか——その問いを、スリラーの緊張感のまま突きつけてくる。

結果、“AIに頼る復讐劇”では終わらない。
復讐と幸福、自由意志と最適化、その交差点を新しい視点で切り取った一作だった。