「チップを脳に埋め込むのは近い将来実現できそう」アップグレード かちかち映画速報さんの映画レビュー(感想・評価)
チップを脳に埋め込むのは近い将来実現できそう
近未来モノだけど、チップを脳に埋め込むのは近い将来実現できそうな気がする。グレイみたいに半身不随の人にチップを埋め込んで、身体を自由に動かせるのは便利そう。今作ではそんな夢のようなAIチップが暴走を起こしてしまう...。
この映画で考えさせられた点は2つある。
1つめは、「AIの弱点がアナログである」こと。
ステムの自動戦闘モードはとにかく強力。一方的にボコボコにするもんだから、やられてる敵が可哀想になってくるほど。殺しを望まないグレイをよそに、残虐に殺す姿はサイコパスのようだった。側から見れば1人で会話してるのだから、敵からしたら恐ろしかっただろう。
ステムが万能かと思いきや、盗聴機や自動車(手動)に負けるシーンがある。「アナログは制御できない」とステムが言うように、AIが管理しているモノでないとコントロールできないのは明確な弱点。もし現実でAIチップが普及しても、アナログには干渉できないようになるのかな。あ、そもそもAI普及してたらアナログ使う人なんて居なくなるか。俺だったらアナログの明確な弱点がない限り、AI機器しか使わなくなるね。グレイの家のように、アレクサの進化版みかいなAI家具に囲まれて暮らしたい。
カーチェイスのシーンのおかげでグレイが活躍できて良かった。このシーンまでステムが出しゃばってたら、グレイの見せ場なくて萎えたかも。
2つめは、「VRの脅威」だ。
この映画ではVRも重要な要素になっている。ハッカーの住処でVR世界から戻れなくなって人たちがいたけど、リアルにありそうで怖かった。
「VRの世界を味わったは現実世界には戻れない」ハッカーが言うようにVR世界はかなりリアルだ。俺はVRで女の子の胸や尻を見たことあるけど、すぐそこに有るかのようだった。ブラジャーを外そうと手を伸ばしたり、腹這いになってスカートの中を覗いたりした。またサメやらゾンビやらに襲われ時は、あまりの怖さに悲鳴をあげたり身体をブルブル震わせたのを思い出す。
「グレイを死んだアシャに会わせて閉じ込めた」最後ステムはVRによって人を倒す。もし今後VRが発展し、自分の理想世界を堪能出来るとしたら、現実世界には戻ってこれない自信がある。
設定が面白く、VRやチップなどは現実味を帯びてきているのでSFだけど親近感あって楽しめた。ただAIの完全勝利で終わるので、人間の俺からしたら後味が悪くて救いようのない映画だった。ラスト後はステムが支配する世が訪れるのだろうか。ホラー映画を見た後のような怖い余韻が残っている。