「難しくて底知れない怖さ」ヘレディタリー 継承 西国くんさんの映画レビュー(感想・評価)
難しくて底知れない怖さ
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ある日、グラハム家の家長エレンがこの世を去る。娘のアニーは、母に複雑な感情を抱きつつも、残された家族と一緒に葬儀を行う。エレンが亡くなった悲しみを乗り越えようとするグラハム家では、不思議な光が部屋を走ったり、暗闇に誰かの気配がしたりするなど不可解な現象が起こる。
まず雰囲気がずーっと怖い。暗〜く古く大きい洋館、森のなかにポツンと一軒。その不気味な洋館でミニチュア家具作りを仕事にしている母親。良くわからない宗教に傾倒し精神病も患っていた祖母。その祖母に人身御供の如く差し出され暗い正確に育ち奇妙な一人遊びばかりする少女。諌めない父。息子だけはと祖母から遠ざけたせいで兄はお気楽にクスリを覚えたりしていたが、ホラー映画なので平和な学生生活は一瞬で終わる。
スプラッタ好きには物足りないだろうが神経に来るホラーだった。
クライマックスを除くといわゆるホラーのお約束色は希薄で、シンプルなホラーを期待する客には不評を買う可能性もあって、いわゆる「わかりやすいホラー」にはなっておりません。
その反面、どシリアスな「家族ドラマ」を鮮やかにホラーに転じて見せたアイデアには今後のジャンル映画の可能性を見て取ることが出来た訳で素直に評価すべきだと思います。
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