「「Queen」は何故今も多くの人々の心に残るのか?」ボヘミアン・ラプソディ MK-Vさんの映画レビュー(感想・評価)
「Queen」は何故今も多くの人々の心に残るのか?
まず始めに自分はかなりのにわかQueenファンです(最も好きな曲は「I was born to love you」なのでその辺で分かっていただけるかと)。この作品は70年~80年代まで活躍を続け、今なお多くの人々に多大な影響を与え続ける伝説のバンド「Queen」について、リード・ボーカルであるフレディ・マーキュリーを主軸にその成り立ち、成功とその後に待つ多くの困難を描き出し、解散寸前とまで言われた状態から伝説の20世紀チャリティ・コンサート「ライヴ・エイド」に出演するまでの軌跡をおっています。やはり圧倒されるのは音楽。ファンならずとも必ずどこかで(CMなど)で耳にしたであろう歌が必ず流れます。音質などについてはメンバーのブライアン・メイ氏とロジャー・テイラー氏が音楽プロデューサーを
担当しているので折り紙付き。映画館でこそこの音楽の圧倒的迫力は味わえると思います。正直、ディープなファンの方々からは実際より誇張されたり厳密には歴史的に異なる流れなどもあるのでツッコミどころ満載なのかも知れません。とは言えこれは映画。
ドキュメンタリーではなく、より盛り上げるための演出などは必要と思いますし、この作品においてその演出は間違いなく最大限物語を盛り上げる方向に作用しています。そして驚くべきはキャストの面々の演技力。フレディ・マーキュリー役のラミ・マレック氏は本人よりやや身長は低いようですが劇中では全くそれを感じさせない圧倒的存在感を放ち、まるでフレディ自身が乗り移っているのではないかと錯覚させるほどです。その他のメンバーも正直「昔の映像を一部使ってるのではないか」と疑いたくなるほどそっくり。
また、にわかファンとしては全く知らなかった曲作りの舞台裏(かなりぶつかり合ってます)、フレディが生涯抱えていたであろう出自へのコンプレックスと秘めたる欲求、実は解散寸前まで追い込まれていたメンバー間の確執、そしてやがてフレディに訪れる過酷な運命とそれを知った他のメンバー達は・・・。この物語を知った上で実際の「ライヴ・エイド」の映像を見たとき、その受け取り方は180度近く変わると言ってもいいでしょう。とりあえず見ると言うだけでも確実に何か得るものはあります。それだけの作品です。どうしようかなという方、まずは見ましょう。