劇場公開日 2018年11月9日

「本当の自分の価値」ボヘミアン・ラプソディ N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0本当の自分の価値

2018年12月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

過去は見ない。未来だけを見る。
そんなセリフがあったと思う。
フレディは己の出生やまつわる偏見、性的マイノリティーという立場を払拭するため、新しい自分を自らの手で音楽と共に作り上げた。
なりたい自分になる。
あくなき欲望は、あくなき自己否定だ。
つけいれられ、上昇しているつもりが奈落の底へ落ちているのだと理解してからの切なさがたまらない。家族も、仲間も、誰もフレディ―自身がなりたい自分になることを手伝えはしないが、でないフレディーだろうと寄り添うことはでき、このすれ違いも悲しかった。

本当の自分にも価値はある。
なぜなら、人は自分以外にはなれない。
気づくまでの遠く切なく、激しい物語だった。

N.river