劇場公開日 2018年11月9日

「それぞれの距離感で堪能できる。」ボヘミアン・ラプソディ キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5それぞれの距離感で堪能できる。

2018年11月15日
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ストーリーは比較的シンプル。

メンバーやパートナーとの出会い、デビュー、活躍、裏切り、別れ、葛藤、再会、そしてあのライブエイドの舞台へ収斂されていく。

フレディの出自やセクシャリティ、コンプレックス、アイデンティティなど、簡単な善悪では整理できない要素が絡まり合い、それが最後のステージ上でパフォーマンスとして昇華する。

家族への想い
観客への想い
そして自分自身への想い

私自身、まったく予期していなかったが、ウェンブリーで「ボヘミアン・ラプソディ」を歌う彼の姿を見て、涙が止まらなくなった。

あの30年以上前のセットリストが、まるでこの映画のために選曲されたかの様に。
(…と言っても映画で出てくるのは全曲ではない)

私もQueen直撃世代からは数年遅れているが、一曲一曲が観客それぞれのQueenとの距離感で、それでいて作品のメッセージは明確に胸に刻まれる。
もちろんQueenなんて知らなかった人にも。
フレディ・マーキュリーが気持ち悪いオジさんにしか見えなかった人にも。

私の周りにも「昔からQueenファンだった(にわかではない)」と言い始める中年男性多数。
そういう社会現象、私は嫌いではない。

素晴らしい作品を届けてくれた方々に感謝。
まだの方は絶対に劇場で堪能すべし。

キレンジャー