劇場公開日 2018年6月1日

「前作より話は動くが……」恐竜の詩 なまにぃさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5前作より話は動くが……

2023年8月16日
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本作のミッションは、おそらく以下の三点だが、果たして達成できていると言えるだろうか?
①丹波の魅力を描くこと
②協賛の山善を包括するジェネリック家電をPRすること
③同じく山善のBCP.ERSをPRすること

制作資金は主に③のミッションから発生するものであろうと思われるが、達成できているとは言い難い。
折角舞台が兵庫県なのだから、阪神淡路大震災で廃業を余儀なくされた企業、当時は概念化一般化していなかったBCPを運よく導入できていたことで早期復旧できた企業などをモデルにBCPの重要性とそのコンサルティング、パッケージであるBCP.ERSの魅力をPRするなどが可能であったはず。防災袋一つで災害も発生させず、スポンサーへの義理を果たしたと考えるのは如何なものか。

次に②のジェネリック家電。
折角一家がインドから引っ越して来るという設定で家財道具一式揃えなきゃいけないというシチュエーション。一式見積もったけど予算がどうにも足りないぞ、さぁどうしよう?みたいな話もできるだろうに、安い家電で2億円捻出みたいな理屈も通らない無茶な設定をねじ込む。
そもそも安い以外にアピールポイント無いんかい?
ついでに、事務所兼社宅のリフォームやるにあたって、山善の住建事業をアピールしないのは勿体なくないかい?

最後に①の丹波アピール。2006年に発見された丹波竜を使った町おこしが作中時間というか撮影時期の2017年というのは如何なものか。そもそも、町おこしの設定は必要だったか?何らかの事情で引っ越してきたら魅力いっぱいの良いところでした、じゃダメだったのか?恐竜の卵がタイムスリップしてきて、というあらすじに記載されているエピソードはオマケ程度で結局ストーリーに絡むこともなく。

あまりに露骨なので、やりたいことがわからないということはない。しかし、全体的にとっ散らかっていて、自主制作映画のほうが方向性が定まってるだけマシ。3つのミッションを抱えていた事には同情しますが。

前作から通して、引き算を覚えたほうが良いと思いました。

なまにぃ