「青春と大人」小さな恋のうた やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
青春と大人
佐野さん、森永さんが出ている青春映画なら、期待していいだろうと思ったんです。
はい、いい青春映画でした。
ただ、好みで言うと、基地問題が少し重かったかな。
オスプレイの名前を出されても、正直反応に困ると言うか・・・。
沖縄の人から見たら、切り離せない部分かもしれないので、軽々しくこんな事を言うの良くないですかね。
若者らしい勢いのあるオープニング。
この年代特有の突き進む感じが、上手く出ていたと思います。
それに対する大人代表の教師。頭ごなしタイプと少しは話を聞いてくれるタイプ。
青春映画に有りがちな組み合わせだけど、掴みとしては良いと思いました。
ここを始めとして、この映画は大人と子供の様々な関係性を、押し付けがましくなく見せてくれたと思います。
私がこの映画で、一番好きだったのが根間が航太郎を抱き締めるシーン。
森永さんが演じた航太郎は、明るくて奥に強さも感じさせるタイプ。
それでも気持ちが押し潰されそうな時が、きっとある。
そして、世良さん演じた普段調子の良さそうな感じの根間が、何も言わず抱き締める。
勢い良く前に進む若者達を見守ったり、時には抑えるのも大人の役目。
そして、もし立ち止まってしまた時に、寄り添ってあげるのも大人の大事な役目なんだと思います。
それから、大人でも苦手な人が多いのは、自分の間違いを認める事だと思うんです。
子供相手だと特に。
舞の父親の「ギターを直したい」の言葉は、自分を、あるいは家族を見つめ直せたから言えた事。
子供から何かを気付かされて、見つめ直せるのも、大人と子供の良い関係性なんでしょうね。
最後に、山田杏奈さんの映画を多分初めて観たけれど、目が魅力的ですね。
良い青春映画だと思います。