七つの会議のレビュー・感想・評価
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テレビで十分
池井戸潤が大好き、半沢直樹からTBSドラマは全部見てる、全部大好き、そんな私が期待に胸をふくらませて映画館まで足を運びました・・・が・・・、
確かにおもしろかったです。役者も達者で、テンポも速いです。
でも正直、「テレビドラマで十分」「映画にする必要性を感じない」でした。テレビが下というのではなく、むしろテレビでじっくりとやった方が、より池井戸作品の機微を伝えられたのではないかと思います。
元妻とのやりとりも、ドラマであればきっといいシーンになるのだと思うが、あのスピード感の中で見ると退屈で、私は居眠りしそうになりました。
半沢直樹では、滝藤さんが演じた真面目で優しい夫が、いじめに耐え、命がけで仕事に向かい、それでもうまくいかなくて道に倒れて嗚咽するシーンを見た時は、サラリーマンの悲哀に胸が熱くなりましたが、七つの会議はそういう池井戸作品ならではの機微を取っ払って、ただ悪を追い詰めていく娯楽作品に成り下がった感が否めません。
冒頭で、大きくゆっくり「TBS」と出た時に、踊る大捜査線で「フジテレビ」と出た時のような嫌な予感がしましたが的中しました。
ボヘミアン・ラプソディを見た後だったこともあり、「この程度なら、テレビ放送まで待てばよかった。時間とお金を無駄にしたな~」と後悔しました。
打ちひしがれる
ハードルかなり下げていましたが
おもしろい!!
現代日本を古典的に描ききった快作
企業というものを題材に、日本社会の体質を多角的に描ききっていて、ネタ的に非常に面白かった。
個人的には歌舞伎や狂言といった古典芸能には全く興味がないし、理解すらできないと常日頃思っているにもかかわらず、いざこのように古典的所作バリバリの作品を見せつけられては、拒絶するどころか不思議と快感めいたものを覚えてしまうのは、日本人の性なのかなと思ってしまう。
とことん分かりやすく感情を表に出しまくるこういった手法は、筋やストーリーが違和感なければ最強だなと思ってしまう。
正直、引いて見れば全ての所作が滑稽に見えるのだけれど、分かりやすいだけに話にはまってしまうと、実に面白くて結構ふるえてしまったりする。
すべての事柄が過剰であり、その積み重ねで表面上暑苦しい映画だが、内容はいたってシンプルなだけにまさに芸能作品として大いに楽しめるような気がした。
素直に面白い、しかしTVドラマ向き?
池井戸潤の同名小説の映画化作品。会社のために滅私奉公で働く日本人サラリーマンが陥り易い陥穽を突いた本作は、私のような旧体制で躾けられた人間には本当に分かり易かったですし、TVのサスペンスドラマのようなノリでテンポも良くちゃんと面白かったと思います。だだ、錚々たる役者さん達と、余りに立派過ぎる大道具を揃えて、少し演技臭が過ぎませんでしたでしょうか?それに、最近の日本の企業犯罪フィクションはパターンが似通っているように感じるのは私だけでしょうか?ネットで個人でも手軽に情報発信が出来るようになり、一企業が社会正義に反して隠し事を続けることも以前ほど簡単では無くなりました。勧善懲悪のドラマパターンは今後も安泰だとは思いますが、企業=悪代官の繰り返しはそろそろ食傷気味かも知れません。
それなりに楽しめる
ベテラン俳優陣の演技バトル!
大和撫子これにあり
朝倉あきがいい。大らかで包み込むような、稀有な雰囲気を持っている。特に声がいい。幅があって落ち着いていて、上滑りしない。やまとことばに相応しい声である。本作品のナレーションにぴったりで、安心して物語に入り込むことができた。
ストーリーは予告編から想像していた通りだったが、何が起きているのかわからない企業の闇を探っていくのが、朝倉あき演じる寿退社予定のOL浜本優衣なのだ。その一方で野村萬斎の主人公八角民夫は、ぐうたらしているようで実は問題の本質に迫っているという、なかなかに日本人好みの人物設定である。
社内不倫やドーナツの試験販売など、サブストーリーも鏤めながら、飽きさせないペースで大団円に向かっていく。ワクワクする感じもあるが、どうせ日本の組織は根本から腐っているという失望感もある。
しかし主人公は諦めない。そして浜本優衣も決して放り出さない。大和魂は政治家が捏造した大義名分のひとつに過ぎないが、大和撫子は確かに存在する。最後まで朝倉あきの爽やかさに癒やされた作品で、大和撫子これにあり、だ。
出演者が凄い
池井戸作品実写化のど真ん中
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