「野村萬斎の存在感」七つの会議 サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
野村萬斎の存在感
野村萬斎の存在感がすごい。一人だけ演技の質が違う。もちろん全員が演技達者なのだけれど、野村萬斎だけは雰囲気も迫力も他とは異なる。まるで柳生一族の陰謀の萬屋錦之助を見ているかのよう。そんなぐうたら社員がいるか!
ストーリーも極上。会社の不穏な空気を察したベテラン社員二人が野村萬斎演じるぐうたら社員の謎を暴こうとして、どんどん会社の闇に近づいていく様は、我々が望んだ池井戸作品の骨頂。
一見頼りなさげな二人がじわじわと真実ににじり寄る過程は最高にワクワクする。真実を観客に提供してからの会社の「政治的な判断」も池井戸節が効いていてたまらない。そしてそれを追い詰める野村萬斎の啖呵!最後の最後に香川照之の涙!
野村萬斎の演技を見れただけでも非常に強い満足感があるのに、最終局面での香川照之との掛け合いがさらに畳みかける。あのシーンを見るために何度でも劇場に足を運んでもいいくらい。
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