「さすが池井戸作品! ただ主演は…」七つの会議 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
さすが池井戸作品! ただ主演は…
さすが池井戸潤さんの作品!会社内の駆け引き,企業犯罪,社会正義などのテーマを盛り込んだ彼の作品を,「陸王」「下町ロケット」等の福澤克雄監督が描くとなれば,おもしろくないはずがないです。
ストーリーは,序盤から多くの人物が登場するものの,その役割や人柄が印象的なシーンが続くので,混乱することはありません。ミステリー的な展開も,真相への興味を大いにそそりました。また,中盤あたりで伏線がいったん回収されるものの,その後もどんでん返しが続き,最後の最後までまったく飽きることはありませんでした。
それらを,池井戸ドラマご用達の実力派俳優陣が演じるのですから,2時間の作品で終わるのはもったいないほどでした。香川照之さんの安定の顔芸を楽しめましたし,及川光博さんの胃の痛くなるような演技も絶妙でしたし,大好きな朝倉あきさんもたっぷり堪能できました。役所広司さんにいたっては無駄づかいの極みです。
それなのに,肝心の野村萬斎さんの演技だけが,どうにも作品にしっくりこない気がしました。単に彼の演技が好きではないだけなのかもしれませんが,重厚な池井戸作品と野村萬斎さんの演技は相性が悪いような気がして,そこだけが残念ポイントでした。
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