劇場公開日 2018年7月28日

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「【この作品を長年の取材を経て、世に送り出した三上智恵監督と配給会社東風に心から敬意を表意したい。】」沖縄スパイ戦史 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【この作品を長年の取材を経て、世に送り出した三上智恵監督と配給会社東風に心から敬意を表意したい。】

2019年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

 多くの沖縄戦体験者の方々へのインタビューを交え、当時の沖縄の状況を生々しく描き出した稀有なドキュメンタリー映画。

 ほんの少し前の沖縄の人々の苛烈な体験、幼き少年ゲリラ兵達の姿を観て、涙した。

 陸軍中野学校の若き二人の将校に率いられた齢15歳前後の子供たちが”少年ゲリラ兵”として経験した苛烈過ぎる数々の出来事。目を背けたくなるような、彼らの”姿”

 そして、一人の将校が、戦後が激しい罵声を浴びせられながらも亡くなる直前まで、彼らの墓参を続けた事実も見る側に伝えられる。

 何より恐ろしいのは、当時沖縄八重山列島の多くの人々をマラリアに罹患させる無茶な指示をした人物の電話インタビューである。(人物の固有名詞が出る。)
 彼の人物は明るい声で”仕方なかったのですよ・・”と現在、内地で宣うのである。

 沖縄戦体験者の方の「基地のあるところから戦争はやってくる」という言葉の重さが、現政権の中枢にいる方々に少しでも届く事を強く強く望む。

 現在の為政者は言う・・。
 -沖縄のために、基地は必要です・・。-

<2018年8月13日 毎年夏になると強烈な反戦映画を掛けてくれる、反権力の気風高い都市のミニシアター、京都シネマにて鑑賞>

NOBU