「見終わった後にもジーンと余韻が残る」沈黙、愛 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
見終わった後にもジーンと余韻が残る
富も権力も手にした、今までえげつないこともしてきたであろう、実業家イム会長(チェ・ミンシク)。婚約者のユナが殺されて、イムの娘ミラが容疑者として逮捕され、父イムが娘を助けるため、あらゆる手段と人脈を使って、東奔西走する話。
『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシク主演なんで、これは観るしかないでしょという感じで観賞。
サスペンスタッチの法廷もの。韓国映画のわりには、「静か」で台詞が少なく、前半はわりとゆっくり進んでいきますが、ラストにつながる展開は、かなり衝撃的で、いろいろ思うことは、それぞれ個人によって違うと思いました。
父親が娘にしてやったことが、「いい、悪い」と判断すれば、もちろん問題はありますが、親は娘のためなら、どんなことをしてでも「救ってやりたい」と思うもので、親バカ、溺愛であろうが、ラストはやはり胸がじーんときて涙が出ました。
私はかなり最初の時点(事故当時の映像が残されていた)で、実は、ちょっとオチにつながる流れを読めてしまいました。残念(TT)
個人的な話なんですが、いつも、photoshop(アプリ)を使って、写真の合成、加工やらを仕事でやっているので、あの映像は加工に違いない(作られた映像だ!)・・・なんて思ったわけです。ただ、加工ではなく、再現フィルムだったけれど!(笑)
主人公イムにとって、娘は最愛な存在。婚約者ユナも深く愛している。娘とユナは仲が悪い。この事実だけを捉えると、イム会長は、とんでもなく愚かなエゴイスト。でも、2人ともに愛を注ぐチェ・ミンシクのオーラや存在感がすごい。男気や哀愁たっぷりでやられましたぁ!
チェ・ミンシクが煙草を吸いながら、部下の運転手に自分の食べかけのラーメンを食べるように丼をすすめる、あのラストシーンも切なくて。
いろいろと仕掛けのあるサスペンスですが、これは、チェ・ミンシクを堪能する作品かもしません。