サイコキネシス 念力のレビュー・感想・評価
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超能力ものとして粗い
NETFLIXオリジナルで劇場公開されていないと(個人的に)埋もれてしまう映画も多い。本作も存在を全く知らなかった。シム・ウンギョンが出ていて、「新感染」のヨン・サンホ監督作品なのに。
宇宙からの謎のエネルギーを飲み込むことで超能力(サイコキネシスだけ?)が使えるようになったおじさん(リュ・スンリョン)の話。使えるようになった超能力を、地上げ屋に対抗するために使うというスケールの小ささがどうにもおかしい。
建設会社の役員として登場するチョン・ユミの悪役ぶりが意外だったがとてもハマっていた。でも、話としては大して驚くようなことは起こらない。韓国映画らしからぬ脚本の粗さを感じた。ここらへんは5年前のNETFLIXオリジナルの限界なのかも。
超能力もの好きとしては、もっと能力を使いまくってほしかった。また、テレキネシスを使えるだけで身体が強化したわけではないから、あんな高いところから落ちてしまうと相当な重症になりそうな気がしてしまう。彼がコントロールできる能力だけではなく、コントロールできない能力もある描写があって、その設定も粗いなと感じてしまった。
どうりで周りの映画好きからオススメされないわけだ。自分がその存在を知らないのも無理はない。
シム・ウンギョンは邦画でこそ良い。
超能力父さん。
タイトルからは想像つかない韓流下町人情サイキックアクション
若くして唐揚げ屋を営むルミは早朝に悪徳地上げ屋の襲撃を受けて揉み合っている最中に母が頭部を強打、亡くなってしまう。ルミは母の葬儀の為に別れて暮らす父ソクホンに連絡を取るが、現れたのはみすぼらしいダメ親父。ロクな稼ぎもないくせに大学に行けと口うるさいソクホンは山の湧き水を飲んで以来念力を発動、その能力を生かしてナイトクラブでマジシャンの仕事を得てウキウキしていたが、ルミの店がある商店街はまだ地上げ屋に狙われていた・・・からの韓流下町人情サイキックアクション。
何の脈略もなくエスパーになってしまう辺りは『クロニクル』の影響下にある設定ですが、そこは『新感染 ファイナル・エクスプレス』のヨン・サンホ監督、地上げを目論むゼネコン幹部のホン常務が結構斬新なキャラだったりとお国柄を滲ませたオリジナリティがユニークで父と娘の心のすれ違いをど真ん中に据えたコミカルなドラマに仕上げています。『神弓』、『高地戦』、『ポイント・ブランク』といった作品で鋭い眼差しの寡黙な男を演じたリュ・スンリョンが徹底的にダメな親父をコロッケばりの顔芸で熱演、韓流演技陣の芸の厚みがハンパないことが実感できます。
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