劇場公開日 2018年9月7日

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「それでも明るく生きる姿に泣いた!」ブレス しあわせの呼吸 とえさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5それでも明るく生きる姿に泣いた!

2018年8月24日
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鑑賞方法:試写会

号泣の感動作だった!

1950年代のイギリス
愛し合って結婚したロビン(アンドリュー・ガーフィールド)とダイアナ(クレア・フォイ)

しかし、ロビンの仕事のため、夫婦で訪れていたケニアでロビンはポリオにかかってしまう

その結果、自力では呼吸できない重度の四肢麻痺になってしまったロビンは、余命数ヶ月と宣告され…

今日、この映画を観て本当に良かったと思った。

映画を観る前に「主人公は重度の四肢麻痺だ」だと知り、もしかして、重い映画かも…と思っていた。

しかし、見始めてみると、むしろ、健康な私の方が彼らから元気をもらっていることに気付く

そして「普通に息をして生きていることが、どれだけ幸せなことなのか」と思い知らされ、「それなのに、なぜ、私は小さいことでクヨクヨしたり、イライラしたりしているのか」と考え始めていた

主人公のロビンは「2分間呼吸できなかっただけで死んでしまう体」だったにも関わらず、
彼自身も、彼の妻のダイアナも、希望を捨てることなく、前を向き、やりたいと思ったことは全て積極的にチャレンジする素晴らしい人たちだったからだ

ロビンも、初めからそんなに前向きだったワケではない。
四肢麻痺と分かったときには「死なせてくれ」と懇願していた
しかし、そんな彼の目の前には、生まれたばかりの息子がいて、死ぬわけにはいかなかったのだ

そこから、彼は彼のやり方で生き延びることで、周りの人たちに勇気と希望を与える存在になっていく

彼は決して悲観的にはならず、悲壮感もない
毎日を幸せに生きる普通の家族なのだ
そこが本当に素晴らしく、だからこそ、彼らから希望と勇気を感じるのだ

そんな彼の姿を見ていたら、私には、もっとやれることがあるし、もっと人生を楽しまなきゃいけないと思った

うまくいかないことがあれば、うまくいくように環境を整えればいいし、「うまくいかないんだ」と周りに言えば、きっと誰かの心を動かすことになる

絶望したり、諦めたりする前にやれることはたくさんあるのだ

私は、今日、この映画を観てロビンから「諦めない気持ち」を教えられ、本当にこの映画を観てよかったと思った

監督は「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム役、「猿の惑星」のシーザー役で知られるアンディ・サーキスで、この作品が初監督作。

「人間ではない者の身体の動き」で名を上げた彼が「全く動けない人」を描いて感動作を作り上げたというのが、とても面白いと思った

そして、製作者の一人は、ロビンの息子ジョナサンであり、彼の両親への強い尊敬と愛情を感じさせる作品になっている

ぜひ、たくさんの人に観て欲しい作品

とえ