ブラッディ・ミルク
解説
「フランス映画祭2018」(18年6月21~24日/横浜みなとみらいホール、イオンシネマみなとみらい)上映作品。
2017年製作/90分/フランス
原題または英題:Petit paysan
「フランス映画祭2018」(18年6月21~24日/横浜みなとみらいホール、イオンシネマみなとみらい)上映作品。
2017年製作/90分/フランス
原題または英題:Petit paysan
口蹄疫の全頭殺処分から牛達を守ろうとした酪農家の話。
ピエールは36歳の独身男。30頭弱の乳業を飼育している小規模の酪農家で、獣医の妹さえ退くくらいに牛達を愛している。EUでは口蹄疫が猛威を奮う前夜。Youtubeで全頭殺処分の憂き目に遭った男の話に見入るピエール。男はEU陰謀論者。全頭殺処分には批判的。ピエールは男にシンパシーを感じています。
ピエールの厩舎で一頭が口蹄疫に倒れます。ここから、全頭殺処分を免れたいピエールの隠蔽劇が幕負け。徐々に異常さを帯びて行くのですが、中々にサスペンス感あります。
隠蔽が限界に達し精神的にも追い詰められたピエールは、トレーラーに26頭の牛達を積みEU陰謀論者の男の元を訪れ、牛達を預かってくれと頼みますが、男は口蹄疫の牛をEUにばら撒くテロを持ちかける始末。ピエールの行為も暴挙だか、陰謀論者の男の思考は常軌を逸していて怖い。
最終的にピエールは自らの厩舎に戻り殺処分を受け容れる。全てを失ったピエールが他の酪農家の柵の前でホルスタインと向き合って見つめ合った後、静かに立ち去る姿を映して映画は終しまい。
セリフ少ないです。芝居がかっていません。純然たるリアリズムが心地良いフランス映画は、このまま消えて行く運命を予感させる、地味過ぎる心理ドラマでした。ピエールの友達が良いヤツ多そうだったのが救い。
偶には、こんな欧州映画も良いなと思いました。好き。
EUシネマデーズ2019 四作目。
金曜日の18:30開始は勤め人にとっては限界。汗ダクで駆け込むのが辛い時期になって来たしね。
主演のスワン・アルロー、妹役のサラ・ジロドー 二人とも表情、感情豊かで渋カッコ良い、色彩良い映像、安定感有るカメラワーク、社会的問題の交差する上品なサスペンス映画でした。