劇場公開日 2018年8月4日

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「真夏の夜の怪談。 他人のスマホ(引き出し)を覗いてはいけません。」2重螺旋の恋人 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5真夏の夜の怪談。 他人のスマホ(引き出し)を覗いてはいけません。

2024年7月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

フランソワ・オゾン。
つまらない映画も作ります。
毎年一作品、発表をし続ける多作作家としては、「次作のアイデア」を常にハンティングしていて、いつも世間の見落としていた隙間世界を、彼は拾おうとしているのだと思う。

本作、ちまたの双子たちのブーイングと強い拒絶を受けるだろうし、ここまで失礼な脚本を書けるところを見れば、オゾン自身はどうせ双子ではないだろうことが良く判るな。

けれど、もう存在しない誰かの霊魂とか、肉腫として胎内に残った誰かの意識とか、
それらが、いま生きている僕たちの生に 何らかの引力を及ぼしていることは、もしかしたら、それは有ることなのかも知れない。

怪談がお好きならどうぞ。
はらわた、エコーMRI、鉗子、ディルド、血液。
フランス映画よりもアメリカ・ハリウッド映画の方がしっくり来る方にオススメしますよ。
美術館の展示室も、無機質てスタイリッシュな白黒世界から、肉塊の回転造作物へと展示替えしてましたから。

人間の精神の2面性までもう少し迫真するかと思ったのですが、ポールとルイと、ちゃんと二人いた双子の「単なる兄弟喧嘩」の確執。+こじらせ女子との絡みで終わったわけで。
ちと残念。

Wikipediaによれば
R18+
「本作は、独特で過激なヨーロッパのくせを交えながら、古典的なエロティック映画のファンを興奮させる変態的な快楽を提供している」
との批評家のコメントがアップされていて、
しばし笑ってしまいました。

きりん