劇場公開日 2018年12月28日

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「最後まで共感はできませんでした。」こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 あるあるさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0最後まで共感はできませんでした。

2021年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

録りためていた金曜ロードショーを観て。
結局、最後までこの作品の主人公に共感を持てませんでした。

冒頭の主人公のわがままぶりに対しては、ヒロインも最初は辟易していたはずなのに、いつの間にか惹かれていって、なんでこうなったのか理解ができませんでした。
主人公がボランティアに対して、「有名になればそれだけボラがたくさん集まるだろ」とか暴言だと思います。「ボラ」って略すところからして違和感。
中盤以降はけっこういいシーンもありましたが、冒頭のイメージをひきずったので、最後まで作品を楽しむことができませんでした。

障碍者の方が、わがままを言いたいことはあると思うし、もし自分がボランティアなら、ある程度力になりたいと思うけど、それはお互い敬意があってのことと思う。それなのに、あんな言われ方して、自分のスケジュールよりも主人公のわがままを優先させられるようなのは、ちょっと無理。

主人公が言っていた「障碍者の自立は、支援を要する利用者が自己決定する自立」という考え方は、そのとおりで支援していくべきだと思います。しかしこの主人公は結局「自分の都合のよいボランティアをたくさん集めること」って言っているように感じました。どなたかのレビューに「プロ障碍者」ってコメントがありましたが、まさにそうだと思いました。

この作品に登場するボランティアの方は、なんでそこまでするのでしょうか。障碍者であってもなくても、カリスマ性を備える人間っているんでしょうけど、人の心の隙間を言葉で巧みに突いて、人を操るところが、宗教っぽい。
同じ病気の方ってたくさんいらっしゃると思いますが、この主人公のように口がうまい人はほんの一握りでしょう。ある意味成功者なんだと思います。

主役の大泉さんは、この違和感のある主人公を見事に演じ切っていて、その他のキャストの演技もすばらしいので、作品としてはいいんですけど。
(三浦さんは、今思えばちょっと影がある感じがしました)

鹿野さんご本人が、この作品の主人公のような人ではなかったと思いたいです。

あるある