劇場公開日 2018年12月28日

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「自分はここまでできるだろうか」こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5自分はここまでできるだろうか

2021年1月28日
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鑑賞方法:TV地上波

 鹿野のように自分に正直に強くたくましく生きる事はできるだろうか?
 あのボランティアの人達のように誰かのために一生懸命になれるだろうか?

正直、無理だなと思いました。
いい話だとは思ったのですが、映画の世界に入り込めなかったので、低めの評価です。

 身体的には不自由だけど考え方は自由で、本当の意味での生きる道を選んだ鹿野。自分の望みの為に全力で周囲を巻き込む鹿野。
 できるだけ周囲に迷惑をかけないようにという事ばかりを考えてしまう私にとっては、少々インパクトが強すぎたみたいです。でも鹿野の考え方は新鮮だったし、困ったら堂々と助けを求めていいんだよというメッセージには勇気をもらえました。

 また、あの熱心なボランティアの人達にもついていけませんでした。家族でも恋人でもない人の為に、どうしてあそこまで一生懸命になれるのだろう。困難な状況になるほど熱く一致団結していくボランティアメンバー。メンバーも徐々に増えていく。なぜそこまでできる?そんな疑問が始終頭から離れませんでした。鹿野とボランティア達の絆を感じられるエピソードがもう少し盛り込まれていたら、違う見方もできたのかもしれませんが。

ここからは鹿野から影響を受けた若者2人(医学生の青年と教員志望の女性)の成長物語としてみた感想です。

 久は真面目で、自分が何をしたいか?ではなく、常にどうするべきか、どうするのが正しいのかを考える人。だから、鹿野のどんなわがままに対しても、心のどこかで”面倒くさい”とか”迷惑だ”と仮に思っていたとしても、”いい医者になるため”とか”いい人であらねば”といった気持ちが優先し、嫌な顔せず応えてきた。自分の気持ちよりも常に周囲を大事にしてきた久にとって、常にわがまま全開で周囲を巻き込む事が当たり前の鹿野はどんな存在だったのだろう。

 真面目過ぎるが故に、将来や自分自身に対して自信が持てなくなり自己嫌悪に陥る。医者の道や鹿野達からも距離を置き、自暴自棄になっていた久に対し、問われた鹿野の言葉。

「君は何がしたいんだ。何が大事なんだ。」

 改めて自分を見つめ直し、自分に正直になって考えてみるとやっぱり自分は医者になりたい。周囲に期待されているからではなく、自分がやりたいから医者の道を進む。そんな自分に気付けた。のではないだろうか。

 久とは対照的に美咲は最初から鹿野に対し嫌悪感むき出しだった。久に泊まり込みの当番を無茶ぶりしようとした時も「何様のつもりですか!」と怒り、家を飛び出して行った。出だしは最悪だったけど、本音でぶつかる美咲はあっという間に鹿野との距離を縮めていった。(そのあたりの描写があまり無かったので、急に鹿野に心を開くようになった美咲に違和感は感じましたが…)

久と鹿野、美咲と鹿野、それぞれの交流や成長が興味深かったです。

セロファン
セロファンさんのコメント
2021年4月29日

れいすけさん
コメントありがとうございます。れいすけさんはボランティア経験がおありなんですね。説得力のあるコメントありがとうございます。私は未経験だったもので、だからこの映画に入り込めなかったのかもしれませんね。観る側のこれまでの経験によって映画の感想も変わってきますね。だからレビューも色々あって面白いです。そんな事に改めて気付けました。

セロファン
れいすけ(休眠中)さんのコメント
2021年4月29日

なるほど。ボランティアさんの熱意についていけない。たしかに半分わかります。ただ私は熱意の意味がなんとなくわかりますね。私もボランティア的な事をたまたまやったり、今もしていますが、人のためなんて思ってやってたら、できないですね。ボランティア的な事は人のためになりながら、自分が実は気持ちで救われる部分や得る部分が大きいですね。人との何の利害関係ももたない付き合いとか、やめたければ、やめてもいいわけだけど、一般社会ではない、また違った居場所がそこにあったりします。全員じゃないけど、ボランティアをやる人はいい人もたくさんいて、良い友達に会えますね。人とのつながりは温かいものです。ずけずけと勝手なコメントごめんなさい。

れいすけ(休眠中)