1987、ある闘いの真実のレビュー・感想・評価
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迫力あり
役者もカメラも、ひたすらグイグイ迫ってくる。
個人的には、お約束のギャグ、わかりやすすぎる決め台詞と演出、二枚目とかわいこちゃん(古!)の淡い恋など、韓国映画の「匂い」が少々鼻についた。
民主化運動のクライマックスで太極旗が飜るシーンは美しい。
声高に嫌韓を叫ぶ人も、ときにこのような映画を見ると良いと思う。
自分で考え、誇りを失わずに生きようとする人は、時代と国境を超えてカッコいい。
もし、これが日本だったら?
ある韓国エンタメや韓国映画ファンのツイッターのフォロワーから薦められて短期集中上映
で観るチャンスがあったので、観てきた。本当に勉強になった映画。民主化運動、軍事独裁時の韓国はまだ小学校でニュースで観る程度だったが、記憶が薄れてきたので再確認ができた事と軍事独裁政権下の政権の中、生きてきた韓国軍事独裁側と市民側の動きを出演者が
見事に演じていた。韓国映画と言えば欠かせないソル・ギョング、ハ・ジョンウの演技を
初めて観たがやはりオーラが違う。また、韓流ドラマでおなじみのイ・ヒジュン、カン・ドンウォンがこの映画のキーマンだが、演技が上手い。もちろんユ・ヘジンも。採点は拷問シーンはやはりマイナス。しかし、今の日本もこの映画のようになりかねない危険がある。
韓流エンタメファンはぜひ必見の映画だ。
それぞれの信念
タクシー運転手を観て、民主化運動を少しネットで調べて見ていたからか、
あの作品を観たときほどの強い衝撃は受けなかったけれど、それでもやはり違う形の衝撃を受けた
そして、これは、わずか32年前の出来事
わずか32年前に、すぐ近くの国で、実際に起きていた出来事
パク所長を初めとする政権側で動く人々も、きっとずっと自分の信念や正義を貫いていただけだったのだろうけれど、どこかから、なにかが歪んでしまったように見えた
そして、もはや時代はその歪みに気づき、見逃さなかった
そうして歪みに気づき、自分の中の違和感のようなものから目を逸らさず、時に命懸けで勇気を振り絞って行動を起こした人々
それが今の韓国に通じているのだと思った
何かが起きると、大きなムーブメントを起こす隣国の国民性は、時代を変えても続いているんだなとも
そして、映画の中に出て来る7年前の光州事件の映像を見て、それがどれだけ意味のあるものかを考えていた
ある意味、命懸けでそれを撮影し、国外に持ち出したピーターさん、同じく危険を知りながら同行したタクシー運転手、そして、彼らを助けた光州の人々、
彼らの信念と勇気がなければ、闇に葬られていたかもしれない事実
歴史の中には、時間が経過しなければ、語ることの出来ない真実があるように思う時があるけれど、きっと今なのだろうなと思った
あの時代を語れるタイミングは
韓国映画の良さてんこ盛り
とても良かった。
最初分かりにくいから、
あらすじを観てからの鑑賞をオススメしたい。
1人の学生の拷問死に疑問を持った検察と記者。
ここで揉み消されていたら、
と思ったらゾッとするけど、
革命が起こる瞬間って、こういう小さな気付きから
大きくなって行くのだなと、
気付けば自分も大きな波に飲まれて
デモの一員になった気持ちだった。
体制に疑い、
権力に立ち向かう人たちの姿に胸が熱くなった。
韓国映画お得意の男の熱いやり取りだけじゃなく、
甘酸っぱい恋愛も描かれてて、
それも、この事件を身近な物だと感じさせる
役割を担ってて良かった。
やはり、敵が魅力的なのが良い。
警察は反共、アカ狩りに信念を燃やしてて、
何も悪い事をしてないだろ?という狂気に満ちていて
恐ろしかった。
所長の過去も明かされて、アカ狩りを生き甲斐とする
のは分かるけど、
結局同じ事をやってる事に気付いてないのも
恐ろしかった。
韓国俳優オールスター総動員も
映画の厚みを増しててとても良かったと思う。
【近代韓国の政治の実態ー外交的側面より民主的な仮面を被りながら、学生たちの民主化運動を弾圧した事実ーを生々しく抉りだした傑作。】
ー韓国の近代政府の政治スタンスの闇を生々しく描いた傑作。ー
僅か30年前に、民主主義国家であったはずの隣国で起こっていた事。隠蔽されていた事実を明らかにした作品である。(多少の、脚色は加えられているが・・)
そして、この作品が隣国の多くの民衆に受け入れられたという事実。
きっと、多くの人にとって、この作品で明かされたことは、決して過去の事件ではなく、現在まで綿々と続く政治風土を良くぞ描いてくれた、という強い思いではなかろうか。
2018年は更に「タクシー運転手 約束は海を越えて」という同じく政治的テーマの光州事件を描いた作品が大ヒットしたが、今作を含めた自国の政治的闇を明らかにした作品群を観ていると、韓国映画界の政権に媚びることなく、真実を伝えようとする熱量、制作陣の気概を感じる。
そして、作り出される作品のレベル自体もエンターテインメント作品としても十分すぎるほど面白く、高い。
日本でも近年、藤井道人監督の「新聞記者」がシネコンで上映され、大ヒットしたことを嬉しく思ったが、クリントイーストウッド監督の一連の作品などがアメリカで高く評価される状況を見ても、
ーポリティカルメッセージ性の強い作品が日本では好まれないのか、映画会社が何らかの意思で製作に戸惑うのか、興行的に採算が取れないのかイロイロと理由はあるのであろうが、隣国で次々に今作のような作品が発表されることを、切歯扼腕の想いで鑑賞しているのは、私だけであろうか・・。ー
最近であれば、「君はなぜ総理になれないのか」という現代日本の政治風土に鋭く切り込んだ傑作もあるのだが・・。
<2018年9月15日 劇場にて鑑賞>
<2020年9月7日 大幅に追記>
韓国における市民社会の礎を知る
史実に基づいたストーリーを、ドキュメンタリータッチで描いた映画。
私と同じ世代の韓国の若者たち(大人もだが)が、日本とはかなり違う厳しい現代史を生き抜いて、今の韓国を作り上げて来たのだということを、この映画を通じて改めて実感させられた。こういう背景を知ると、最近の朴槿恵政権への抵抗運動(ローソク革命)がなぜあんなに盛り上がったのかも、理解しやすくなる。政権の横暴を黙って見過ごすと、大変な事態となる。国民一人一人が立ち上がることで、政治を変えられるという実感が、韓国では今も根付いているということなのだろう。
1987年、それなりに政治や社会に敏感な大学生だったはずの自分が、こうした隣国の状況を殆ど知らなかったことに、改めて驚かされる。
役者たちの高い演技力に支えられ、また作り手たちの、社会や国家に対する怒りや情熱を強く感じさせられる。
有名な俳優が数多く登場して熱演を見せる場面が連続していくが、最も心を揺さぶられたのは、怒りを爆発させた大勢の市民たちの声が重なり合って響き合うデモの場面だった。
87年にしてこの状況
経済発展とソウル五輪。隣国にいてあまり理解していなかったことではある。現代韓国史について勉強する良い機会になる。30年経った現在、民主化をどう評価しているのだろうか。
抑圧と闘争の構図はわかりやすく、パク所長の存在感はその構図を十分に支える。サスペンスな展開、エンターテイメント要素も多く、飽きはこない。序盤の政治抗争的な話から、後半、一般人ヨニに話の軸が移る流れは、これがこの国の極一部での抑圧ではなく、これを観る一般人に対する抑圧であることをよく示し、又、運動の社会的広がりと呼応して、クライマックスに交響曲のような効果を与えている。
国家を揺るがしたタブーを真正面から描くエモーショナルな傑作ドラマ
ソウル五輪を翌年に控え、脱北者のパク所長率いる南営洞警察はアカ狩りに血眼になっていた。いつしか容赦ない拷問による取り調べは一線を越えてソウル大学の学生を取り調べ中に死なせてしまう。警察は証拠隠滅のため即座に遺体を火葬をするべく地検に申請を出すが、担当検事のチェは遺族の同意を得ているとも思えない迅速な対応に躊躇する。余りにも露骨な圧力が降りかかってくることに怒りを募らせたチェは申請を却下、遺体の保存命令を出す。
小さな抵抗がやがて韓国全体を揺るがす民主化闘争へ加速していく様を幾重にも重ねられた人間ドラマで丁寧に綴る壮絶な社会派ドラマ。韓国現代史における悪夢そのものである事件をキム・ユンソク、ソル・ギョング、カン・ドンウォン他の豪華スターキャストで映画化、残念ながらわが祖国が100年先にもなし得ないことをものすごい熱量で実現してしまう韓流映画陣に正直足を向けて寝れないです。勧善懲悪という安易な筋にすることなく、登場人物達の抱える心情を時には軽快でコミカルに、時には凄惨に抉り出す演出の巧みさにはもちろんのこと、こんな壮絶にポリティカルなサスペンスにツンデレロマンスまで滲ませられたらこちらの魂が激しく揺さぶられてもう涙が溢れてしょうがないです。国家を揺るがしたタブーを真正面から描きつつもあくまでも血湧き肉躍るエンターテインメントに仕上げられた傑作、グウの音も出ません。
1987 ある闘いの真実
全斗煥による軍事政権における拷問を暴く話。
1970年頃、「東亜日報」への弾圧があり、
時々出てくる「金大中」(キム デジュン)という政敵の名前。
彼は1973年に飯田橋のホテルグランドパレスから拉致され、1985年に全斗煥大統領の下で政治活動が解禁された。
そして、「タクシードライバー」で描かれた「光州事件」
こんなことを背景に見ていくと、韓国における「軍事独裁」の中身が見えてくる。
分かりやすいメッセージ映画です。
光州事件からの長い闘いと道のりを経て、民主化の陽が昇る
韓国映画はサスペンス/バイオレンスに傑作多いが、社会派映画にも見応えある力作多い。
実録物なら尚更。
いつぞや見た『タクシー運転手 約束は海を越えて』に続き、こちらも大変良かった!
1987年、軍事政権下の韓国。
警察による反体制分子摘発が激化。
デモに参加した大学生が警察によって拷問死。
それをきっかけに、民主化の火種が拡がっていく…。
韓国の当時の政治背景が絡み、小難しそうに思うが、何て事ない。
独裁政権/国家権力によって一人の一般人が殺された。
こんな暴虐をこのままにしていいのか…?
大学生を殺したのは、誰もが名を聞いただけで震え上がる某警察。
捕まったり、連行されたりすれば、そこで終わり。
その警察の実態とは…、ゾッとするほど恐ろしい。
取り調べという名の拷問は、暴力、水責め、電気ショック…。
拷問殺人の他に警察ぐるみで、隠蔽、捏造、横領…。
所長は絶対君臨者。部下は死の執行人。
こいつら、本当に警察か…?
もはや警察に非ず。
“警察”という皮を被り、“権力”という武器を行使し、質が悪いってもんじゃない。
やくざや犯罪組織以上の極悪さ。
当然、こんな暴虐が隠し通せる筈がない。
検事が捏造された大学生の死に不審を抱く。
新聞社がスクープする。
真実を知る刑務所看守は隠蔽に苦しむ。
仲間の大学生たちは闘争に立ち上がる。
多くの人々が現体制に立ち向かい、各々闘いに身を投じていく様を活写する。
極悪警察組織はダーク・サスペンス。
立ち向かっていく検事や新聞社はこれぞ社会派映画!
真実を知る看守のドラマは人間味たっぷり。
民主化に協力する神父らへの情報伝達などスパイ映画のようなスリリングさ。
学生運動の青年と看守の姪の青春ドラマ風の当時の風俗やスパイス的なユーモアも織り込み、群像劇スタイルの社会派エンタメとして、本当に面白く出来ている。
『チェイサー』のキム・ユンソクとハ・ジョンウが再び対立し、『タクシー運転手~』にも出演したユ・ヘジンや名優ソル・ギョングらベテラン、『お嬢さん』のキム・テリや『MASTER マスター』のカン・ドンウォンら若手、韓国実力派の面々のアンサンブル。
『ファイ 悪魔に育てられた少年』のチャン・ジュナンの演出も上々。
『タクシー運転手~』の題材である光州事件にも触れられ、そちらも知っておく(もしくは『タクシー運転手~』を見ておく)と、よりいいかも。
本作は、光州事件から7年後の事件。
言い換えれば、今から僅か30数年前。
『タクシー運転手~』の光州事件の時もそう感じたが、遠い昔ではないつい数十年前、お隣の国でこんな大事件があったのだ。
しかし、驚くべき事ではないかもしれない。
今も“北”の方では軍事独裁政権が続いてるではないか。
韓国も日本も昔はそうだった。
が、いつまでも民衆が苦しむ政権が続いたりはしない。
いつか必ず、民衆が立ち上がる。
その時は、多くの民衆が傷付くだろう。血を流すだろう。犠牲になるだろう。たくさんの悲しみに溢れるだろう。
苦闘の末に礎が築かれた、民主化までの長い道のり。
民衆の声を聞け。
民衆の声に耳を傾けろ。
民主化の陽が、昇った。
二本立て二本目。 なんとタイムリーな作品。韓国政府がレーダー照射問...
二本立て二本目。
なんとタイムリーな作品。韓国政府がレーダー照射問題等で嘘つきまくることが理解できる(笑)
反共とか言いつつやってることは北と何ら変わらぬ組織。そしてそんな組織が絶大な力を持つ。怖すぎです。おそらくこの体制、今も色濃く残っているんだろうと思います。
日本が進んでるわけではないが、正直これに比べるとまし。韓国は政治的にはまだまだです。
しかし、映画的にはすごい。この作品、有名な役者がいるわけでもないのにずっと飽きさせません。映画的には我が国は完敗だと思う。
これ見て安易にデモとかに参加するのだけはやめてほしい。怪しい思想の方も多いのです。
とっても美しいヨニが最後…そこがやや不満なのです。
いやー素晴らしい作品です。見るべきです。
民主化運動のエモいドラマ
韓国の民主化運動を描いた作品。
さすが韓国映画、役者が揃っていてストーリーも面白く見ごたえがある。歴史の勉強にもなった。
軍事政権側の悪役として登場する捜査所長、朴の人柄や人生を感じさせるシーンも多々あり、物語に深みが出ている。
韓国映画はベタな演出がうまい。過剰ともいえるエモさで(嫌いじゃないけど)やたら登場人物がキラキラと美しく見えたし、民主化に向かう時代のうねりのパワーの力強さも感じさせられて胸が熱くなった。
最近のニュースを通じて知る限り、韓国は大統領がころころ変わっているイメージだった。韓国の人たちの政治に関与する態度は、日本のそれとは違って過敏にも思えるし、政治の側もかなり民衆を気にして動いているなと感じていたのだけど、韓国はこれまで、民衆が動くことによって権利を勝ち取った直近の実績があるからなのだな、と納得し、その意識の高さを羨ましくも思った。
小さな正義が権力に挑む
全斗煥による軍事政権下の韓国。民主化を求める市民や学生の活動を当局は押さえ込もうとしていたが、行き過ぎた取り調べの結果、1人の大学生を拷問の末に殺してしまう。
政府や警察は、その真相を隠蔽しようとするが、そこに立ち向かう人々の闘いを描く。
熱い。
終始、血がたぎり、涙が流れる。
状況を見れば当局に従うのが利口だ。
だが、そこには不正に眼をつぶることが出来ない人たちがいる。
彼らは一介の市民や学生だったり、下級役人だったりする。
彼らの職分や役割は小さいかも知れない。だが、自分の行うべきことにおける正義を忘れない。彼らが貫いた小さな正義が、やがて大きなパワーとなり、権力を揺さぶっていくさまが痛快。
作中、「閣下」と呼ばれる全斗煥の生身の姿はついに見えない。登場するのは、テレビの画面越しの公的な演説、写真、そして側近が伝える「意向」だけだ。
その「見えない存在」が、弾圧するほう、されるほう両者の運命を翻弄する点に恐ろしさを感じる。
特殊警察(公安のような組織と思われる)のトップのパク所長は脱北者。彼が北や共産主義を憎む挿話が語られ、(その憎しみは歪んだ形で表れているものの)「弾圧する側」の心情も描かれ、人間ドラマを重厚に見せている。
ムダと思われる挿話もなく、観客をぐいぐい引っ張る推進力は相当なもの。非常に締まった内容で、まったく飽きさせない。ドラマを煽る音楽、いささか芝居じみたカメラワークも観る者を裏切らない。重厚なノンフィクションでありながら、エンターテイメントとしても一級品である。
これから?
ある意味、怖い映画ですね! 30年前ですか?日本は何年前でしょうね? 一人の学生の死が流れを大きく変えるということはあるのですね! 体制が国民を監視し、それにいずれ反発が起こるを暗示させる近未来を過去の事例で予見(?)させる映画といえば大袈裟でしょうか? ラストはおさめてしまった感があったのでしょうか?
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