「味わい深い作品です」ビサイド・ボウイ ミック・ロンソンの軌跡 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
味わい深い作品です
ボウイ黄金期を支えたギタリスト、ミック・ロンソンのドキュメンタリー。
ボウイの成功は彼なしでは絶対語れないでしょう。
未だにアンコール上映がちょくちょくあるのも頷けます。久しぶりに観てきました。
この作品、語りがボウイなのがもう最高に気が利いてるんですよ。
そのボウイと最初のギグはほぼ即興だったと言うから驚かされます。
作中で語られるように「スターマン」のギグでボウイと肩を組むミックのあの瞬間、二人にとっても当時のミュージックシーンにとっても全て塗り変わったような気がします。
それともう一つギターフェラですね。あのアイディアはすごい。
このプレイは日本のTHE YELLOW MONKEYでも受け継がれていますね。
彼はマーズの後にもフープルやソロでもとても良い仕事をしていながら、どうしても名前が出てこない。これは彼の控えめな性格もあるのでしょう。
ジギー解散後は転落するようなエピソードばかり語られて、観ていて少しさみしくなるんですよ。
そしてボウイにイアンにブライアンメイの錚々たる面子でのフレディ追到ライブ。この時はもう大分やつれているように見えました。
その後の20年ぶりのボウイとのレコーディング風景は、ずっと連れ添った二人のような息の合った様子で観ていて本当嬉しくなります。
ギタリストとしてプロデユーサーとして、素晴らしいミュージシャンでした。
自身の成功より音楽を鳴らす事を選ぶ彼。
親切で誠実な彼がとてもよく分かる、味わい深い作品です。
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