劇場公開日 2019年4月19日

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幸福なラザロのレビュー・感想・評価

全71件中、21~40件目を表示

4.0大人の童話

2019年8月22日
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鑑賞方法:映画館

朴訥として善良な正直者の物語。聖書に出てくる聖人の名だそうだ。
原題も「幸せなラザロ」。彼はあれで幸せだったのか?がずっと脳裏に付きまとう。あれで幸せだったとしたら彼はどれだけ愚鈍であろうか。いや本当に彼は何も嫌な思いもせずにいたのなら、幸せだったと言えるのじゃないか。

そして、自分のなかにどれほどの「ラザロ」がいるのだろうと自問する。
汚れがないのは善なのか?
世間になじまないのは悪なのか?

主役の、ドン臭いまでの、え?これ地なの?と思わせるような、ぼうっと突っ立ってこっちを見つめている姿が、その答えを求めているようだ。

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栗太郎

3.5難しかった

2019年7月19日
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鑑賞方法:映画館

深い意味がありそうだけど、理解できなかった。

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still_ontheroad

4.0聖書知識が必要かもしれない

2019年7月12日
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鑑賞方法:映画館

難しい

寝られる

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doronjo

2.5どう解釈したらいいかわからなかった

2019年6月30日
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鑑賞方法:映画館

難しい

正直、この映画の良さが分かりませんでした。ラストはどのように解釈していいのか今も分かりません。

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スミちゃん

4.0ラザロの復活

2019年6月26日
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狼に育てられた双子の兄弟「ロムルスとレムス」がモデルか。ローマ神話の軍神マルスが巫女のレアを孕ませた子だ。半人半神の媒介者。ラザロは人ならざる者である。

農村の伝統がひとたび都市の文明に適応すると、人はあっという間に変貌していく。
ラザロの復活(何年経ってもラザロは変わらない)を示し、ラザロの瞳を通して幸せも与える(線路脇から食材を見つける)が、「神」の声は到底人間に届かない。

音に誘われ教会を訪れたラザロ。都市型で排他的なシスターが彼を追い払うと、パイプオルガンの響き(神)はラザロを追って教会を捨て去る。

搾取やいじめは上から下へと綿々と続く。一番下のところで全てを受け入れるラザロを、市井の人々は「働け!」と容赦なく打つ。そのおぞましい様子をロムルスとレムスの双子を育てた狼が見守り、我々をじっと見据えるのだ。

ランチのお誘いに、なけなしの金で手土産まで買って出かける人々。強者による壮大なインチキに弱者が騙される象徴のようで、私の胸はザワザワした。

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Raspberry

3.0正直者がバカを見るってこと?

2019年6月26日
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搾取にしても、友情にしても言葉通りにとれば、悪意にも善意にもとれる。
要は受け取る側の意味づけしだいなのだ。

とことん言葉通りにとるラザロには、悪意も善意もない。

現代ならば、ラザロはどのように言われるだろう?
物語のように、憑依して、世の中に戻り、それからまた、元の世界に。
どこかイソップ物語のような、不思議な映画。

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ミツバチば~や

4.0小作制度

2019年6月24日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

村に隔離された状態で地主に働かされてる人たち

世の中が変わっていっても気づかないまま

実話?でしたっけ?

あまりにも残酷

その中でラザロはホントに優しくて優しくて
純粋無垢な優しい人いるよね〜

最後の終わり方も目が当てられない位に可哀想

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H1DE!

5.0傑作

2019年6月23日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

映画の中で語られる飢えた狼の逸話が効いている。この映画のテーマはかつて存在した善人という存在。現代社会に投げ出された無垢の善人がどのような仕打ちを受けるかが描かれている。注意すべきなのは、ラザロはかつての農村社会においても理解されてはいなかったということ。また、武器としてのパチンコなど良い映画は細部まで計算されている。

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goshira

3.5ラストの解釈に悩む

2019年6月21日
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チラシのビジュアルがどうしても頭から離れなくなって、ついに鑑賞。

平和な村で貧しいけれどボク幸せ。そんな雰囲気映画だろうと思ったら全然ちがった!面白かった!
ラザロが奇跡で生き返る人なことは知ってたけど、もっと知らない要素があるのか、ラストが腑に落ちない。見捨てられちゃったのかな?人間は。

それにつけても、本作はラザロ役の彼ありきの作品。
美しくポスターは仕上げていても、動いたらがっかりするだろうと思ってたのに、動いてもなお彼ラザロの圧倒的な違和感が面白かった。リアルでもごくたまにいますね、こういう方。
平たく言えば、どっか壊れてるから世間から浮いてしまうのだけど、どういう生き方してるのだろう…と電車でモンモンとしてしまうような時間を監督も過ごしたのだろうな。

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ジャム太

5.0領主に搾取される村の生活、自分で給料を得なければ生きることすらまま...

2019年6月20日
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鑑賞方法:映画館

領主に搾取される村の生活、自分で給料を得なければ生きることすらままならない都市の生活。彼等は幸せになれたのだろうか?

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朱映

4.0穏やかに生きるとは

2019年6月19日
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鑑賞方法:映画館

宗教上の復活を彷彿とさせる構成になっているが、時間の経過と人間の変化(成長?)を対比しているとみれる。
とことん無垢な生き方はいつの世も人を惹きつける。

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こばりん

3.5ある日、ラザロが…。

2019年6月18日
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十二滝わたる

4.0羊なのか狼なのか。

2019年6月8日
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夏斗

1.5パトラッシュ

2019年6月2日
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釘付けになる様な演出も優れたメッセージも無い為、時間が長く感じだが、他には無い霊的な魅力がある。

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たろっぺ

4.0ただのイタリア農村リアリスモ映画ではない寓話映画

2019年5月28日
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りゃんひさ

3.0天使ではないみたい

2019年5月25日
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悲しい

知的

難しい

単純に考えれば、たった1つの行動が物事をどんどん動かして行くんだ。
と怖くなり、複雑に考えれば人は何が大切で、日々どのように生きていくのかを考えなければいけない深い話。
結局、ラザロは何者?

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ふわり

4.0宗教的と言うよりもSF的な寓話のよう。

2019年5月25日
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知的

幸せ

宗教的であるものの個人的には、異星人的な何かが清い魂の器を求めて、人間界を傍観している様な…
レイ・ブラット・ベリのSF的な寓話の様な感覚がとても良かったです。
またイタリアの田舎の過酷でありながらのどかな昔ながらの生活を、実際に体感した様な感覚にさせられる映像が素晴らしかった。

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HIROKICHI

4.0残念な現実

2019年5月20日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

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よしむらみちこ

4.0稀有な人生

2019年5月19日
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鑑賞方法:映画館

 新約聖書の中のルカによる福音書(ルカ伝)とヨハネによる福音書(ヨハネ伝)の中に、ラザロが登場する。
 ルカ伝のラザロは全身デキモノに覆われた乞食で、金持ちの家の前に座っておこぼれを待っている。ラザロも金持ちも死んで、黄泉の国で苦しむ金持ちが見上げると、ラザロはアブラハムの懐にいる。
 ヨハネ伝のラザロはマリアとマルタの姉妹の兄弟で病人である。死んで墓に入れられてから四日後にイエスが蘇らせた。そして病気も治ってイエスと一緒に食事をする。一般にこちらのラザロが有名で、死者の蘇生実験の映画「ラザロ・エフェクト」は記憶に新しい。
 本作品のラザロは聖書のラザロと違い、至って健康で働き者である。そしてヨハネ伝のラザロと同じように皆に好かれている。それはラザロが決して人に反対せず、相手の願いを叶えようとするからである。口答えのしない働き者はとても便利な存在だ。それは誰もがラザロを下に見ているということでもある。しかしラザロ自身はそんなことを意に介さない。

 この映画を観て、ドストエフスキーの小説「白痴」を思い出した方はいるだろうか。私にはラザロがムイシュキン公爵に重なって見えて仕方がなかった。小説のヒロインであるナスターシャ・フィリポヴナ・バラシコワは、立ち去り際に主人公に声を掛ける。
「さようなら、公爵。初めて "人間" を見ました」
 その美貌を金持ちに利用されて散々酷い目に遭ってきた彼女にとって、無私無欲のムイシュキン公爵は聖者のようであったに違いない。ドストエフスキーはそこを聖者ではなく "人間" と表現することで、他の登場人物たちがどれほど人でなしかを浮かび上がらせた。
 本作品の登場人物たちも、大人から子供まで、負けず劣らず人でなしばかりである。それでもラザロは幸福だと、本作品はタイトルで主張する。実存としての人間の幸福は、置かれた状況にではなく、自分自身の心の内にある。ムイシュキン公爵がそうであったように、ラザロもまた人を疑わず、そして人を恐れない。疑うことと恐れることは表裏一体だ。人が自分を騙し傷つけようとしているのではないかと疑うところに恐怖が生じる。疑わなければ恐れることもない。そして不安もない。不安と恐怖から解放されること、それは確かに幸福以外の何物でもない。

 ラストシーンも「白痴」と似ている。ムイシュキン公爵は精神病院へ戻されたが、ラザロはどこに還って行ったのだろうか。
 人々からいいように利用され続けたラザロだが、疑うことを知らなければ、利用されたと思うこともない。それは簡単な生き方のように見えて、人間にはほぼ不可能な生き方である。ラザロの人生は稀有な人生であり、結末の如何にかかわらず、人類で最も幸福な人生であった。この作品の意義はとても深くて大きいと思う。

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耶馬英彦

4.0哲学的考察〜コミュニタリアニズム〜

2019年5月12日
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この映画には、たしかに「宗教を下地に搾取と差別が蔓延する現代を風刺する寓話」という視点がある。しかし、もっとも重要な視点はコミュニタリアニズムという視点だ。理由は以下。

① 本作で語っているのは、〈善〉の意味を忘れるなと、監督本人が言っていること。
②監督にとって、家族や地域といったコミュニティは重要なテーマであること。
③コミュニタリアニズムでは、コミュニティで育まれた善を尊重すること。

以上から、この映画では、地域というより広い家族(コミュニティ)をテーマにしている。そして、そのテーマはコミュニタリアニズムそのものだ。したがって、この視点抜きに考察すると本質を見失うことになる。

★この視点で見えること★

私はこの視点によってコミュニタリアニズムは理想主義的な態度を取るということが見えてくると考える。なぜなら、この映画は風刺映画となったからだ。風刺とは、理想主義が陥るものだ。なぜなら、理想主義者は崇高な理想とは程遠い現実を嘆き、ついには皮肉り始めるからだ。つまり、現実を風刺し始める。そして、監督が「善の意味を忘れるな」と命令形で語ったことは偶然ではない。これは、現実の一段上からの言葉である。要するに、この映画によって、コミュニタリアニズム的な視点は理想主義的な性質をおびうる、と示された。

私は理想と現実の両方が大切であると考える。どちらか片方にこだわる「主義」はいずれ失敗する。だから、コミュニタリアニズムを理想として持ちつつ、理想主義にしてはいけないとこの映画から学べると考えている。

上手く説明できたかは怪しいが、このレビューが皆様の考察の一助になれば幸いである。

参照記事
https://www.google.co.jp/amp/s/i-d.vice.com/amp/jp/article/zmap95/happy-as-lazzaro-is-the-poetic-italian-fable-you-need-to-see

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Shunsuke Fushimi