「羊なのか狼なのか。」幸福なラザロ まこさぽチャンネル(さぽしゃ)さんの映画レビュー(感想・評価)
羊なのか狼なのか。
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聖書の中のラザロは、愛されキャラだ。
正直、特になにもしていない(笑)
何もしなくても周りの人が世話してくれ、祈ってくれ、神様に愛されて復活したりする。
神様に愛されるくらいだから、素晴らしい人なんだ!
と、みんななんとなく思ってる。
なんて愛されキャラなんだ!羨ましい。
本作のラザロも、無欲とか目が綺麗とか、
特に何もしてなくても、なんとなく無垢な人だと思われる。
でも本当は急に現れたラザロの世話をし、
嫌な奴に高級菓子をくれてやるアントニオの方がよほど善人だと思うけれど。
けれどラザロはそんなアントニオにはなにもしてやろうとせず、
タンクレディ(元侯爵;ラザロ達から搾取していた酷いやつの息子)の為にあんなことするなら、世話になってるアントニオになんかしてあげなよ。
でも、目が奇麗だし、無欲だし、無垢だし。良い子なんだって(笑)
狼がラザロをスルーしたのは、死んだと思ったからじゃなく、同族だと思ったからかもしれない。
羊の皮をかぶった、狼ラザロ。
それでもラザロは神様から愛されてるから『ラザロみたいに人から愛される人になりなさい』って、ある宗教では教える。
そのラザロに「私なんか子供が四人いるのに働いてるわよ!働きなさい!」と、フルボッコにするおばさんに、すげー映画だなって思った。
イタリアのサルビーニ内相が、
「イタリアはヨーロッパの難民キャンプではない」とは言っていたからな。イタリアでは、純粋無垢だけど無職の少年に優しくできる状態ではないんだろうな。
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