「ラザロさんって誰?」幸福なラザロ 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
ラザロさんって誰?
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ラザロは、イエスキリストの友人であると知り、この映画も宗教映画なのかと知り、映画自体難解なのだなぁと、作品の選択に自分を悔いた。ラザロ役の青年は、ど素人であり、スカウトされた人と知り、作品中判らないところもないではなかったが、彼の純真無垢な演技に引きこまれた。子供から大人まで何かあれば、「ラザロ、ラザロ」と呼ばれ、何一つ文句を言わずに、彼らの希望を叶える青年。素人のアドリアーノのキャスティングは、素晴らしい。この作品の監督は、性差別するわけではないが、女性。しかし、ラザロ青年を丁寧に描いている。2時間以上の作品ではあるが、ラザロの演技は飽きさせなかった。私は、ラザロという成人に会ったことも、話したこともない。しかし、今世紀にラザロが生きているのであれば、彼が最もさわしい人物なのかもしれない。最初は、隔絶された村の風景で、後半工業化された町の風景。この対比された描写は、監督自身の描く力が顕わになっている。最後は悲しい結果なのだが、これまでの成し得た業により復活するのか?それとも、あのオオカミは、元居た村に帰っていったのか。
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