「『納屋を焼く』」バーニング 劇場版 花散里さんの映画レビュー(感想・評価)
『納屋を焼く』
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日頃あまり韓国映画は観ないのだけれどミナリ鑑賞記念にバーニングをみた。
本作は激しいアクション等はなくてゆる〜りとしているのにぐんぐん惹きこまれたミステリー作品。
最後まで目が離せなかった。
もちろんイ・チャンドン監督作は初めて。
後で知ったけれど村上春樹氏が1983年に発表した短編小説「納屋を焼く」を原作をアレンジした映画なのですね。
そう観ると色々深い意味がありそう。原作読んでないなぁ。
アフリカのリトルハンガーとグレートハンガーの話や古いビニールハウスを焼く話はなんだか哲学的にも感じた。
小説家志望の青年ジョンスと幼なじみの女性ヘミ。
彼女がアフリカ旅行へ行く間の飼い猫の世話を頼まれるジョンス。
ヘミはアフリカで知り合ったという男を連れて帰って来る。
その男ベンはギャツビー族で何でも手に入る大金持ち。
貧しいけどヘミに信頼されるジョンス。
彼らはどちらがグレートハンガーなのだろう?
もう一度みたくなる。
ヘミが忽然と消えてしまう終盤。
必死に探すジョンスを通して想像力を掻き立てられた。
真実ははっきりとは語られず、夕焼けのように曖昧。
何日も経ってから、あれはジョンスの書いた小説なのかーと気づいてにんまりした。
もやもやとした映画なのに、何故かまた観たいと思わせる不思議な作品。
カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で国際批評家連盟賞を受賞した作品だそうです。
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