「バーニング劇場版 を観た後 ずっと、頭からモヤモヤが離れなかったけ...」バーニング 劇場版 キューちゃん!さんの映画レビュー(感想・評価)
バーニング劇場版 を観た後 ずっと、頭からモヤモヤが離れなかったけ...
バーニング劇場版 を観た後
ずっと、頭からモヤモヤが離れなかったけど、自分なりにやっと解釈できました!
以下、かなり自己流の解釈とネタバレ
この話、全て主人公ジョンスの深読みがもたらした悲劇じゃないかと思えてきました。
主人公サイドの目線で見るとベンが、サイコパスな殺人キラーに見えてしまうのは、仕組まれたトリックなのです。
ミステリーがモヤモヤするのは、全部、物事を勝手に解釈してる、ジョンス目線で描いてるからで、ジョンスこそが実は サイコパスだからです。
ちゃんと客観的になって ベンをみれば、サイコパスらしさは感じられない、少し虚言ぎみだし、ヤンチャに葉っぱも吸うけど、家族とトラブりもしないし、常識人です。
そもそも、ヘンミだって、殺されてこの世から居なくなったって証拠は何一つありません。
むしろヘンミは、サイコパスなジョンスからそっと逃げて旅にでたかったのでは?なんて解釈もできます。
ヘンミはジョンスから遠ざかるために、ベンに相談しネコを預けた可能性もあります。
だいたい、よーく考えたら、主人公のジョンスこそ、ヘンミの職場や教室まで探し回り、ベンにもつきまとい、もろストーカーなんですよ。 「ヘンミは僕のことを好きでいてくれている」「ヘンミが僕と連絡とらないのは失踪したからだ」「いや、こんなに連絡してこないなんて、彼女はあいつに殺されたんだ!」と、どんどん妄想し、犯罪に及ぶ様はまさにサイコパスな思考です。
一途すぎる純愛は、時に思考回路を混乱させる。主人公は童貞くんで、真面目で、小説家志願の想像力が人一倍豊かな人間で、父譲りの思い込みの激しさとカッとなる面を持ち合わせています。
主人公ジョンスは恋愛に不器用で、観ていてめちゃくちゃ応援したくなるキャラ。
逆にベンは、器用に生きて、お金持ち、生活や心に余裕がある人物、ただ主人公にとって、目の上のタンコブの彼は、それだけで憎むべき対象になる。
主人公の行動範囲で得た情報と、主人公の頭の中にある思い出の反芻で作られている映像だから、主人公が正義に思えてしまう。
最後主人公が殺人をおかしたときも、映画を見ていた観客たちは、良くやった!あいつは殺されて当然!ざまあー!くらいのスッキリした気持ちになってる。
わたしもそうでした。でも、スッキリした気持ちになって良いのか?ずっと引っかかってました。
そこで、主人公に肩入れしないでこの映画を紐解いていくと、この究極な答えに行き着きました。
サイコパスサイドの目線で見ていたから、主人公が殺人を犯すのを応援していたけど、じつは、ベンは妬みの対象にされた挙句、殺された損な男であって、主人公は犯さなくていい過ちを犯してしまった…という、ミスリードの極みのようなお話だったのではないか。
わたしの解釈が独特すぎるのかな。
原作は #村上春樹 原作 の #納屋を焼く 。かなりアレンジされてます。
役者さんに、スティーブン・ユアン(WDのグレン ♡) も出ていますよ。
#イチャンドン 監督作品は「ペパーミント・キャンディ」「オアシス」「ポエトリー」「シークレット・サンシャイン 」と、ほぼ全作品を観てるくらい大好き。
本作もやっぱり凄かったです!