帰れない二人のレビュー・感想・評価
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ジャンクーが描く中国の21世紀は悲劇だった
「長江哀歌」「罪の手ざわり」の二本で早くもマストな監督の一人となったジャ・ジャンクーの新作。これを観ないという選択肢はない。
2001年から2018年、惚れた男に、そして社会に翻弄されながらも気丈に生きる女性チャオ(チャオ・タオ)を通して21世紀の中国を俯瞰する。
変わりゆく時代から忘れ去られたような内陸部の閉塞感、そしてあまりにも広大な大地が強烈なインパクトを残す。
報われることがないラストが悲劇を決定付けた。結局、何も変わらなかった、何も得られなかったのではと…
これはジャンクーの母国に対する思いをストレートに伝える傑作。彼の描く21世紀は冷たく悲しかった。
確かに集大成と言われれば集大成
切ないが、少し笑ってしまう
日本の昔のノスタルジックなメロドラマを観るようだった。
開発を期待して賑わう街。
渡世人。この言葉を若い人は知ってるのか。
その社会での男女の物語。
少しありがちだが、男を庇って、刑務所に入って、その間に男に他の女が出来て…。
街は刻々と変わり、チャオチャオがひとり置いてけぼりのような感覚になるのは当然だろう。
列車で知り合った男に惹かれそうになる微妙な心の動きも秀逸だ。
しかし、また、チャオチャオを頼るガオ・ビン。
そして、プライドなのか、また、立ち去ってしまう。
チャオチャオは追いかけようとして、戻ってしまう。
こうなると腐れ縁だ。
僕は、必ず、ガオ・ビンは、チャオチャオの元に戻ると思う。
チャオチャオもそう思ってるに違いない。
多分、世界のあちこちに、こんな物語があるように感じさせる。
だから、切ないと言うより、少し笑ってしまう。
なんか、男女の腐れ縁の、人間臭い話には、国境はないんだと思った。
いつも通り最高
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