「ジャ・ジャンクー作品の主人公は中国」帰れない二人 ナイン・わんわんさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャ・ジャンクー作品の主人公は中国
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さまざまな場所の中国の町が、そして変わりゆく中国が堪能できる印象的な渡世映画。
映画ジャーナリストの徐 昊辰(じょ こうしん)さんが「ジャ・ジャンクーの作品の主人公は中国」と言っていたが、この『帰れない二人』は2001年から2017年頃までの変わりゆく中国の発展を描く。その時代に生きた1人の女性チャオのロード・ムービーでもある。
↓ネタバレ含むメモ書き
目的地の奉節に行くときに 財布を盗られたから 披露宴に紛れてタダ飯食うとか、高級中華料理屋でハッタリかませてお金を騙し取って旅行費の足しにするとかずる賢い。そしてバイクまで盗んで目的地のに行きビンに会う。そしてフラれる。
フラれた後で歌のショーに行って「有多少愛可以重來」を一緒に歌う。
ジャ・ジャンクーは歌やダンスが好きな監督。
三峡ダムのエピソードも印象的。
劇中1時間40分頃に電車内のチャオの携帯に着信音がするが相手が誰だか分からない。
ウイグル自治区の新疆(しんきょう)に行ってみる。
UFOが夜の廃墟に流れ星の様に出る。その後が2017年でビンは山西省大同(だぁとん)に戻る。車椅子だ。携帯はスマホに、町中が監視カメラの時代になっていく。
「渡世に義理はつきもの」
「渡世を捨てたあんたには理解出来ない」
北京五輪開催、三峡ダム完成、経済の急成長……
変わりゆく17年の月日の中で、
変わらぬ想いを抱えた女と男がすれ違う。
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