劇場公開日 2019年4月20日

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「【ジャン=リュック・ゴダール御大が”アートの衣を纏って”石礫のように、世界に叩きつけた強烈な反戦メッセージ。】」イメージの本 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【ジャン=リュック・ゴダール御大が”アートの衣を纏って”石礫のように、世界に叩きつけた強烈な反戦メッセージ。】

2020年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館

悲しい

怖い

知的

ー資料には”84分のアート体験”とあるが、それどころではない。

 今作は、アートの名を借りたジャン=リュック・ゴダール御大が強烈な怒りを込めて”アーカイヴとモラルの狭間”を行き来しつつも発信した
”愚かなる戦争、理不尽な暴力、不寛容な思想”に対する強烈なメッセージである。-

 5章から構成されるとあるが、ほぼ全編でコラージュ風に挿入される映像は”愚かなる戦争、理不尽な暴力、不寛容な思想”である。

 84分間、観る側はその”石礫のような映像”を只管耐えながら観させられるのである。(場合によっては、繰り返し・・、繰り返し・・。)

 1.リメイク
 2.ペテルブルク夜話
 3.線路の間の花々は・・
 4.法の精神

 の中に挿入される映像の数々・・

 ”アルジャジーラの映像”、”ローザ・ルクセンブルクの墓の映像”、”ソドムの市”、”イワン雷帝”、”日本裁判”、”道”・・・

 只、最後の”5.中央地帯”では、更に環境問題、貧困問題も断片的に取り上げられている。

<ジャン=リュック・ゴダール御大、88歳。
 これだけの、アヴァンギャルドな作品を世に送り出してくるとは・・。
 まだまだ、健在である。
 怒りを押し殺したような、しわがれた低いトーンの”ジャン=リュック・ゴダール自らのナレーション”も印象的な作品である。>

NOBU