「adidasのジャージが大嫌い⁉️」ドッグマン 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
adidasのジャージが大嫌い⁉️
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日経新聞や一部の新書などから得られるヨーロッパやEUの経済状況の1つの側面として『ドイツの一人勝ち』とか南北格差があげられます。ヨーロッパの経済危機のニュースは、イギリスのEU離脱を除けば、いつもギリシャや南欧諸国から発信されます。また、イタリア国内でもミラノに代表される北とナポリなどの南では経済格差があるとも聞きます。
南欧の人からすれば、ドイツは経済で勝ちを収めていい気になってるいけ好かない優等生。上から目線で財務改善、つまり公務員給与や年金の削減を迫ってくるドイツはシモーネのように見えるのかもしれません。だから、adidasのジャージを着せているのではないでしょうか?
それはさておき、同情するのも嫌になる程、主人公は客観的には情けない判断ばかり積み重ねていますが、愛娘とダイビングをしに海外に行くんだ、という決意だけは確固たるものでした。中長期的な予想や客観的な視点ではどうみても不可解な判断であっても、その瞬間ごとの優先順位から見ればある意味、合理的なことが分かります。
・鍵を渡してしまった以上、もう取り返しがつかないのだから1万ユーロのためには服役も辞さない。
・殺してしまった以上、もう取り返しがつかないのだから、せめてそのことで、また仲間として認めてもらいたい。
いつも暴力や精神的な威圧に晒されていると、否応無くその場しのぎでなんとか目先の被害をやり過ごすことが習い性になって、はたから見ればあり得ないほど短絡的な対処法に走ってしまう。
このような精神状態に人を追い詰めてしまうことは、児童虐待やDVや会社におけるパワハラなどの底知れない罪深さのひとつの要素なのだと思います。
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