「ミステリーの衣をまとった珠玉の人間ドラマ」誰もがそれを知っている エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリーの衣をまとった珠玉の人間ドラマ
これは素晴らしい。よく練られた脚本でグイグイ引き込まれた。
アルゼンチンで暮らすラウラ(ペネロペ・クルス)が、妹の結婚式のため、スペインの田舎にある故郷の村に子供たちと帰ってきた。ワイン農園を営むパコ(ハビエル・バルデム)はむかし恋人だったようだ。
家族との再会、結婚式、アフターパーティと歓喜の時を過ごすが、パーティの最中にラウラの娘イレーネが誘拐された。
彼らの「秘密」を知る近親者すべてが疑わしく、ドキドキしながら観た。「疑心暗鬼」がラウラの家族、ラウラ夫婦、パコ夫婦の関係を軋ませバランスが失われていく。後半の緊張感がたまらん。
はやくも巨匠と呼ばれるようになったイランのアスガー・ファルハディが、アウェイのスペインで、そしてスペイン語で撮った秀逸なミステリーであり人間ドラマだ。
クルスとバルデムは本物の夫婦だが、この2人の存在感は格別。思わず実生活を覗いてみたくなる。
コメントする